声優図鑑_嶋野花

嶋野花「初めてのオーディションの帰り道に悔しくて泣きました」【声優図鑑 by 声優グランプリ】

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初の主演作は緊張でガタガタでしたが、すぐに冷静になれました

――これまでのキャリアの中で、特に印象深い出来事を教えてください。

事務所に所属後、初めて受けたオーディションです。スタジオオーディションまで進めたんですが、歌唱審査があったりと、とにかく慣れないことが多かったんです。オーディションの3日くらい前に楽曲の音源が届いたものの、当時の私にとって3日で完璧に覚えることは難しかったです。イヤモニを触るのも初めてで、何をどう調整すればベストなのかもわからなくて。気づいたら本番が始まっていて、曲の頭を歌うことができませんでした。そこからはなんとか食らいついたんですけどボロボロで……本当に悔しくて、泣いて帰りました。自分自身、歌が得意だとは思っていませんでしたが、歌うこと自体は好きだったので、だからこそ「私、こんなに歌えないんだ」という事実がショックで、歌が少しトラウマになってしまいましたね。そのオーディションの帰りに、事務所に寄って報告をしました。「歌えませんでした」と伝えたところ「歌のオーディションはなかなかないから大丈夫だよ!」と慰めていただいたのを覚えています。その後は、家に帰ってふて寝をして夕方くらいに目を覚ましたら、事務所から別の歌のオーディションの詳細が届いていたんですよ。「さっき『ない』って言ったじゃん!」と思いつつも、頑張って受けました(笑)。歌えなかったと報告した新人にも、もう一度チャンスをくれるなんてありがたいですからね! そんな日々を繰り返して、今では緊張せずに歌えるようになりました。

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――では、初めてのアニメのお仕事はいつ頃ですか?

所属した年の夏、『ネコぱら』というアニメで天気予報士役を演じたのが最初です。一言だけだったのでサラッと終わった記憶がありますね。ただ、この収録の翌年にはコロナ禍に入り、分散収録になったんです。新人の私は、掛け合いのお芝居やマイクワークに慣れることもできないまま、一人で収録をすることが増えました。そんななかで苦労したのがガヤなんです。

――コロナ禍は、ガヤも個別に録っていたんですよね。

そうなんです。一人で1分間くらい、アイドルに黄色い声援を送るガヤを録ることもありました。本来、ガヤってほかの方の声と合わせるので、ずっとしゃべり続けなくてもいいんですよ。でも、当時の私はコロナ禍前のガヤ収録を知らなかったので、そういうところにも気づけず。「本当にこれで合っているのかな?」「こんなにずっとしゃべるものなのかな?」と思いながら収録するのが心にきました(笑)。コロナ禍が明け、全員で収録できるようになってから、「あれっ、ガヤって楽しいものなんだ!」と気づいて、今では好きなんですけどね。

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――そんな嶋野さんですが、2024年放送のアニメ『ささやくように恋を唄う』では主演を務めました。作品の中心に立つことになりますが、プレッシャーは感じましたか?

最初は、すごく感じていました。この作品あたりからコロナ禍が明け、全員での収録ができるようになってきたのですが、真ん中にいるのが新人の自分で、周りは慣れていらっしゃる大先輩ばかりという座組だったので、「自分と周りの皆さんの差が如実に出てしまいそう」という不安がありましたね。ゲーム以外で長いセリフを話すことも初めてでしたし、心配事が尽きなかったです。ただ、オーディションを経て、原作の竹嶋えく先生と編集の方から「ぜひ嶋野さんで」と選んでいただいたと聞いたので、「原作の先生が良いと言ってくださったんだから!」って。そう考えられるようになったら、プレッシャーが和らいでいきました。

――現場はいかがでしたか?

初回収録は緊張しました。「3、2、1」とカウントが流れた瞬間、音が入るんじゃないかと思うくらいガタガタ震えたので。でも、次の瞬間には冷静になれたんです。「ここで緊張して、練習してきたものを出せなかったら意味がない」「緊張したお芝居が世に出てしまったら、原作ファンの方が悲しむ」「何より、先生が大切にされている作品を中途半端な覚悟でやるのは嫌だな!」って。

――カウントが流れている間に、そんなところまで考えたんですね。

もう、グワーッ!と走馬灯のように、一気に頭の中を巡っていきました(笑)。そうしたら、頭のシーンからスッと入ることができたんですよね。それに、先輩方がとにかく優しいんですよ! 「私たちが支えるからね」と言ってくださった時は、本当に安心しました。なぜか皆で頭をなで合う流れになったりするくらいで(笑)。皆さん気さくに接してくださって、現場に行くのが楽しみでした。

口から勝手にセリフが出てくるときに楽しいと感じます

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――デビューしてから現在までで、成長したと感じる部分はどこですか?

1年後の自分に聞いたら絶対に「まだまだだよ」と言うと思うんですが、そのうえであえて成長した部分を挙げるとするなら、養成所の頃から意識していた、自分を客観視する力がここ2、3年でさらに磨かれたんじゃないかなと感じています。作品を観てくださる方々に自分の芝居がどんなふうに聴こえているのか、感覚的にわかるようになってきたというか。

――多くの現場を経験したからこそですね。

そうですね。あと、お芝居には気持ちが大事ですが、それだけではダメで。「どこまでマイクに頼っていいのか」「音量のバランスは取れているか」といった音響面にも気を配り、声を細かくコントロールするべきなんだと知りました。いろんな先輩方のお芝居を拝見したことで、吸収できた部分です。

――「お芝居が楽しい」と感じるのは、どんなときですか?

口から勝手にセリフが出てくるときです。特に、先輩方と掛け合っているときに引き出していただけますね。養成所の時の話でも言いましたが、決まったセリフを予定調和にせず、今生まれた言葉のように話すことがお芝居だと私は思っています。なので、その片鱗を感じられるお芝居ができると、「楽しい!」と感じるんですよね。

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――最後に、プライベートのお話も聞かせてください。休日の過ごし方は?

私自身はかなりの出不精なので、一人だと基本は家でゲームをするかお散歩をするくらいしかしません……(笑)。ただ友達はアクティブな子が多いので、いろいろな場所に連れ出してもらっています。たとえば、ホテルビュッフェとか鉄板焼きとか、レンタルスペースを借りてボードゲーム大会とか。

――いいですね。ワイワイできて楽しそう。同業の方と遊ぶこともあるんですか?

ありますよ! 前に、『ウマ娘 プリティーダービー』のアプリリリース5周年に合わせて発表されたキャストの皆さんで、ライブの自主練習をしたんです。私を含め、全員『うまぴょい伝説』も初めて覚えるので、一緒に練習を重ねてすごく仲良しになりました。今は、そのメンバーと遊ぶことが多いですね。声を使って遊ぶ『はぁって言うゲーム』を皆でやるのが楽しいんです。声優なので全力でやっています(笑)。

~声優未来予想図~

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Q:これからどんな声優を目指したいですか?

1年後の私 生でお芝居をしたい!

アニメやゲームなど現場で収録するのも楽しいですが、朗読劇みたいに生のお芝居を観ていただけるお仕事にも興味があります。1年後には、そういうお仕事が増えていたらいいなと思いますね。あとはラジオ番組などに出て、私のパーソナルな部分をお見せできていたらいいな。

3年後の私 第一声から役にフィットできるようになる!

人間は3年周期で変化すると聞いたことがありますし、個人的にもその実感があるので、3年後には声優としてグッと成長できていたらいいなと。たとえば、先輩方は初回収録の第一声から役に完全にフィットしたお芝居をされるんですが、今の私にはまだそれが難しいので……3年後には少しでも先輩方に近づけていたら。3年後に振り返った時、「全然違うな」と思えるのが理想です!

5年後の私 ハマり役を見つける!

一口に「ハマる」と言っても、声のトーンが合っているだけではダメ。その役が生きてきた時間や経験、価値観などまで取り込んだお芝居で、その役がまるで実在しているかのように感じてもらいたいです。そうして「○○な役といえば嶋野だよね」と言ってもらえたら最高ですね!

10年後の私 美術館の音声ガイドをやりたい!

10年もたてば、声に深みが出ているでしょうし、考え方も物事の見方も変わっているはず。それに、ライフステージも変わっているかもしれないので、今の私には難しい「カッコいいお姉さん役」も演じられるかもしれません。そう考えると楽しみですね! あとは、美術館に行って音声ガイドを聴きながら作品を鑑賞するのが好きなので、この頃には音声ガイドのお仕事もできていたらいいな……!

撮影/石田潤 ヘアメイク/Sweets 取材・文/松本まゆげ

嶋野花さん手書きプロフィール

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嶋野花さんコメント動画

▼動画URLはこちら
https://youtu.be/Z0oWfu4Y8xg

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