アツいヒーローがよく似合う阿部敦さんが、声優を目指したキッカケから、この世界にはいるキッカケまでを教えていただきました!
プロフィール
あべあつし・・・・・・3月25日生まれ。賢プロダクション所属。東京アナウンスアカデミー出身。主な出演作品はアニメ『とある魔術の禁書目録』(上条当 麻)、PS3web『亡念のザムド』(竹原アキユキ)、『しゅごキャラ!』シリーズ(相馬空海)、ドラマCD『GRACE DOOR』(櫻井アニス悠)他 多数。
Vol.1 声優を目指すなら、今がラストチャンスに思えたんです
声優を目指したきっかけは?
もともとお芝居が好きで、学芸会とか小学生のころ、すごく楽しみにしていたんです。それにアニメも好きだった。僕、アニメのキャラクターが喋っているんだと思っていたんです。映画とかでも、キレイな日本語を喋る外人だなぁって(笑)。だけど、「声優」っていう人がいて、声を出しているってわかって、すごいな、なれたらいいなって。
進路とかを真剣に考える時期になって徐々に、声優を意識しました。でも、大学は声優とは全然関係ない四年制大学の経済学部でした。そんな中でも、ずっと芝居には関わっていたんですよ。中学からずっと演劇部に所属していて、大学を卒業してもしばらく芝居に関わっていない日はないんじゃないかっていうくらい。
声優という仕事にちゃんと向き合ったのは、大学4年頃かな。就職活動の雰囲気が大学中に漂っているのに、僕は何もやっていなかった。真剣に自分の将来を考えたときに、声優を目指すなら、今が最後のチャンスのように思えて。それで、バイトしながら東京アナウンスアカデミー(TAA)に通い始めました。
プロダクションにはどうやって入りましたか?
声優ってどうやってなるんだろう、みたいなところからスタートしているので、何も分からなくて。当時通っていたTAAで合同オーディションがあって、そこで賢プロに引っ張ってもらったという感じですね。
デビューのきっかけを教えてください。
アニメデビューは「コヨーテラグタイムショー」っていうアニメで、役名もついた役でしかも大塚芳忠さんとの絡みもあって、うれしい反面、すごいところにきちゃった! って。その現場には僕しかいなかったのに、マネージャーもわざわざ顔を出してくれて、「頑張って」って言われて何とか乗り切りました。
Vol.2 あなたの人生はあなたが生きるんだから、悔いがないようにした方がいい。
現場に出てから感じていることは?
僕の通っていた東京アナウンスアカデミー(TAA)では、はじめからアテレコをやるわけじゃないんですよ。演じるためには何が必要か、普段何をしているか、という問いかけから始まったんです。つまり、声優として、自分がきちんと成長するためにはどういう生き方をしているか、ということ。技術的なことはもちろん必要だけど、つかえつかえでも感情がのっているセリフの方がなぜか残るんです。すごく上手に読んでいても、技術に傾倒しちゃっている方は何となく聞いていてもセリフが抜けちゃうんです。結局は心なんだと思います。僕は、TAAでその心構えを学びました。
今では、主演作品もありますね。
そうですね。僕はアニメが大好きなので、そのアニメの主役がやれるっていうのは単純にすごくうれしいです。
また、現場でうまい方と掛け合いをするのって自分1人で練習するのと比べて、何倍も上達が違うんです。自分ではすぐにはわかりにくいんですが、「あっこれ、分かるようになった。」って。そういう方と、一緒にやれるってすごく得がたい経験ですよね。なかなか望んでできることじゃないですし。
それに、作品から学ぶこともとても多いです。共演させていただく声優さんはもちろんのこと、監督さんや、プロデューサーさん、本当に多くの方がこの作品をどう感じて作っているか、という姿勢、価値観からも影響を受けて、すごく刺激的な生活が送れています。
最後に、声優志望者にメッセージをお願いします。
声優になれるかどうかは、運や出会い、もちろん実力などの要素もあるから分からないけれど、今この瞬間に「声優になりたい!」という熱い気持ちを持っているのに、何もしないで諦めちゃうんだとしたら、それはとてももったいないと思うんです。今のこの時代で「これになりたい!」っていう目的がある方ってとてもすごいことだって思います。その目的をもって、自分の青春や色んなものを燃焼させる機会があるってとても幸せ。僕も親の反対もありましたし、励ましてくれた人も、諦めたほうがいいといってくれた人もいる。何を言われても、どの意見を取り入れても、あなたの人生はあなたが生きるんだから、悔いのないようにして欲しいです。そして、もし現場で一緒になれたなら、すごくうれしいです。