前途有望でフレッシュな声優の現在、過去、未来を年表形式で紹介していくこの連載。今回登場してくれたのは、アニメ『みつどもえ』で注目度赤丸付き急上昇中の葉山いくみさん。子供時代の思い出から遠い未来まで、たっぷりと語っていただきました。
Profile
はやまいくみ ●11月17日生まれ。クレアボイス所属。
主な出演作は、TV『ジュエルペット ハッピネス』ねね、『ストライク・ザ・ブラッド』煌坂紗矢華、『凪のあすから』清木憂、『ログ・ホライズン』エリッサ、『ダンボール戦機WARS』沖田ヒナコ、『ポケットモンスター ベストウィッシュ』カベルネ、『みつどもえシリーズ』松岡咲子、『ほんとにあった!霊媒先生』美幌素子 ほか
葉山いくみ’s LOOK INTO THE FUTURE
最高のエンターテインメントを提供したい!
Ikumi’s PAST
4歳
演じる楽しさを知る
幼稚園の学芸会で『おおきなかぶ』というお芝居をやることになり、おばあさん役で出演。引っ込み思案な子供だったが、演じることの楽しさを知り、また舞台に立ってみたいと思うようになる。
8歳
声優という職業を意識
小学校で『美少女戦士セータームーン』が大流行。友達から「セーラームーンは声優さんが演じている」と聞き、「セーラームーンになりたかったら声優になるしかない」と思う。それから初詣や七夕のときは「声優になれますように」とお願いするように。
12歳
中学に入学
演劇部に入りたかったが、2年前に廃部になったと知ってショックを受ける。「声優になるにはスポーツで体を鍛えておくほうがいいかも」と思い、友達に誘われるままテニス部に入部。
15歳
高校に入学
念願の演劇部に入部。女子高だったので男の子役なども経験した。
19歳
大学に入学
アルバイトをしてお金を貯めて、大学在学中に声優養成所に通ってみようと思っていたところ、アニメ『コゼットの肖像』の声優一般オーディションを知って応募。準グランプリに輝き、『コゼットの肖像』鏃みちる役でデビュー。
22歳
タレント活動を開始
アニメ作品の中でも大好きなスタジオジブリの作品に出演してみたいという夢をもつ。周囲から「ジブリ作品に出演したいのなら、声優の仕事を専門にするより、もっと幅広くタレント活動をしていたほうがいいのでは」というアドバイスを受け、タレントとしても活動を始める。
24歳
ビーボに所属
やはり声優のお仕事を中心に活動していきたいと思い、ビーボに所属する。所属後の初仕事はナレーション。そのほかにもアニメ作品のオーディションを受けて、さまざまな作品に出演するようになる。 25歳
『みつどもえ』出演が決定
アニメ『みつどもえ』に松岡咲子役で出演。初めて演じるメインキャラクター、初めてのキャラクターソング収録、初めてのイベント出演、初めてのラジオ出演と松岡咲子役を通してさまざまな初体験をする。
Ikumi’s FUTURE
26歳
ヒロイン役を演じる
アニメ作品のヒロイン役、あるいはそれに匹敵する立ち位置のキャラクターを演じてみたい。同時に『声優グランプリ』でのインタビューもカラーページに掲載されるようになり、いずれは表紙を飾れるくらいの人気声優になれたらうれしい。
30歳
結婚・出産
子供のときには「30歳になる頃には、すでに結婚して子供がいるだろう」と想像していたにもかかわらず、現在のペースではかなり難しいかもしれない。
35歳
ジブリ作品に出演
夢だったジブリ作品に出演してみたい。目標としては35歳くらいだが、もっと早く出演できたらベスト。そして自分の出演作品のDVDを、子供と一緒に見るのが夢。
40代
さらに役の幅を広げる
現在の声質だと、低い声域を使うことの多い中年女性の役などが苦手。できれば声にも年齢相応の落ち着きを身につけて、色気のある役にも挑戦してみたい。またアニメ作品だけではなく、ナレーションや外画の吹き替え、舞台など、さまざまな仕事をこなしていきたい。
50代
子供が自慢できるような若いお母さん
子供は2人か3人ほしいと思っているので、50代になってもまだ成人していない子供がいるはず。その子供が自慢できるような、見た目も声もなるべく若いお母さんでいたい。
晩年
それでも声優
おばあちゃんになっても、その年齢にしかできない役があると思う。できれば死ぬまで演技の仕事を続けたい。ただし、ろれつが廻らなくなったら隠居。
葉山いくみを知る10の質問
最近見て感動した映画は?
白血病にかかった姉のドナーになるために作られた子供を描いた『私の中のあなた』と、病気で余命の少ないおじいさんふたりが主人公の『最高の人生の見つけ方』です。ストーリーはまったく違うけど、物語のテーマはどちらも同じような気がします。私も、いつどうなっても後悔しないように、周囲の人たちへの感謝を忘れず、いつも全力で生きていたいと思いました。
趣味はなんですか?
とくに趣味といえるようなものはないんですが、大学時代はダーツにハマっていて、今でもマイダーツを持っています。ただし、下手の横好きなので決して上手なわけではありません。
何か資格はもってる?
大学で教員免許を取りました。子供と触れ合うのも好きなので、大学時代は小中学生が対象の学習塾で講師のアルバイトをしていたことがあります。
旅行が好きと聞きましたが、行ってみたい場所は?
国内でも外国でも、行けるのならどこでも行ってみたいですね。初めての景色を見たり、やったことのないものに挑戦したりするのが好きなんです。2009年は伊豆でダイビングを経験。さらにパラグライダーにも挑戦しました。癒されるために旅行しているはずなんですけど、気がついたらかなりアクティブになってますね(笑)。
最近びっくりしたことは?
深夜に最寄り駅に着いたら、上機嫌で歌いながら自転車で走ってくる人がいるんです。あまり人がいない時間とはいえ大胆だなと思っていたら、妹でした(笑)。
怖かった思い出を教えて!
何年か前にラフティングをしに行ったんです。ところが川が穏やかだったので、インストラクターさんが、これでは面白くないだろうと気遣って、「ボートではなく自分の体で流れてみましょう」「がけの上から飛び降りてみましょう」と言い出したんです!川下りをするだけのつもりが非常に怖い体験をしました。
モットーはある?
「あきらめない」です。基本的に小心者なんですけど、しぶといし、あきらめが悪いタイプですね。目の前のことをひとつひとつクリアしていけば、いつかは実を結ぶこともあるんじゃないでしょうか。
好きな食べ物は?
野菜とプリンです。サラダが大好きなので、野菜があれば生きていけます。お肉が苦手なんですけど、焼き肉パーティなどに誘ってもらえないのはさびしいので、がんばって克服中です。
へこんだときの復活法を教えて!
自分に悪いところがあったら、直すしかないじゃないですか。最初から何でもうまくできるほど起用じゃないし、練習すればできないことはないと思って、へこんだ気持ちを闘志に変えるようにしています。あとは雰囲気のいいカフェに行ったりして、気分転換をしています。
演じるときに気をつけていることは?
いつでも新鮮な演技ができるようにすることです。似たキャラクターであったとしても、同じような演技はしたくないじゃないですか。演じるときは自分の中で「この役はこういう演技をすればいいんだろうな」というラインがあるんですけど、何らかの部分でその予想を超えるような演技をしたいですね。
From 葉山いくみ
葉山いくみ
今は演技がうまくなりたいという気持ちが先行してしまって、自分のことだけでいっぱいいっぱいなんですけど、できれば聞いてくださった方が元気になれるような演技をしたいと思っています。
そういう周囲のことまですべてに気を配って、最高のエンターテインメントを提供できる役者になれたらいいですね。あと、ラジオやイベント出演などのお仕事を通じて、自分がいかにトークが苦手なのかということを知りました。共演者の方のトークなどを聴いていると、皆さん面白いことをおっしゃって、切り返しもうまい! もっと勉強して、面白い話ができるようになりたいですね。