第21回 劉セイラ さん

前途有望でフレッシュな声優の現在・過去・未来を年表形式で紹介していくこのコーナー。今回は中国の北京で生まれ育った生粋の中国人でありながら、日本で声優として活動を始めた劉セイラさんが登場!    声優を目指したきっかけから中国のアニメ事情まで、興味深いエピソード満載です。そんな劉セイラさんの未来予想図とは・・・。

Profile

りゅうせいら ●11月25日生まれ。青二プロダクション所属。中国北京市出身。 主な出演作は、TV『キングダム』公の母、『CODE:BREAKER』異能の少年、『絶園のテンペスト』TVアナウンサー、映画『チベット犬物語』田勁(テムシン)、『魁抜之十万火急』蛮吉(マンジー)、『超劇場版ケロロ軍曹』西沢桃華、『テレビで中国語』ナレーション ほか。

劉 セイラ’s LOOK INTO THE FUTURE

周囲の人の支えがなければこの場所にたどり着けませんでした

Seira’s PAST

5歳
日本のアニメを見て育つ

中国で放送されていた日本のアニメを小さい頃から楽しむ。主題歌は日本版のままだったので、音だけで覚えて一緒に歌っていた。この頃から将来はアニメ関係の仕事に就きたいと、漠然と考え始める。

8歳
マンガに憧れる

『幽☆遊☆白書』『らんま1/2』など日本のマンガを読んで漫画家という職業に憧れ、自分でも絵を描くようになる。

12歳
『エヴァンゲリオン』に衝撃を受ける

中国語吹き替え版ではなく、字幕で『新世紀エヴァンゲリオン』を見て、初めて日本の声優の演技に触れる。言葉は分からなくても、セリフから伝わってくる感情に衝撃を受ける。

15歳
中国の同人サークルに参加

二次創作やオリジナルのボイスドラマやゲームを作り、インターネット上で公開するようになる。それまではアニメのセリフのモノマネなどをしていたが、ボイスドラマで初めて演技の一端に触れる。

18歳
北京外国語大学に進学

やはり日本で声優になりたいと決意。そのためにまず日本語を学ぼうと、難関で知られる北京外国語大学の日本語学科に進学。

19歳
愛知文教大学に留学

交換留学制度を利用して、日本の大学で約10ヵ月間の留学生活を送る。初めて日本の文化を肌で感じて、さまざまなカルチャーショックを受ける。

21歳
中国で声優デビュー

ネットで公開していた作品が、日本のアニメの中国語吹き替え版を作っていたスタッフの目に止まり、テープでのオーディションを経て出演が決定。それがきっかけで、中国で声優の活動を開始。

23歳
日本工学院専門学校に入学

改めて来日し、声優の基礎を学ぶために日本工学院専門学校に入学。ときどき中国に帰国して、アニメ出演やイベント司会などの仕事も継続して行なう。

25歳
青二プロダクションに所属

日本工学院専門学校在学中に受けた仕事が縁で、プロダクション所属が決定。日本でも声優としての活動を行なうようになる。

Seira’s FUTURE

 

27歳
ふつうの日本語で役を演じる

現在は中国人という立場を活かしたカタコトの外国人役や、中国関連番組のナレーションの仕事が多いので、ふつうに日本語をしゃべるキャラクターの演技をしたい。

28歳
TVアニメのレギュラー決定

この頃までにできればメインキャラクターで、日本のTVアニメにレギュラー出演できるようになりたい。どんな役でもかまいません!

29歳
少年キャラクターの声を担当

10代の頃に憧れた『新世紀エヴァンゲリオン』の碇シンジ、『鋼の錬金術師』のエドワード・エルリックのような、少年キャラクターの演技ができるようになりたい。

30歳
歌い手としても活躍

歌も大好きなのでキャラクターソングから始まり、アーティストとしてオリジナルソングを歌うようになり、ライブも行なってみたい。夢は武道館でのソロライブ!?

35歳
声優だけでなく作品作りにも参加

日本のさまざまなアニメ作品を中国に紹介。同時に、同人サークル時代の友達で現在はプロとしてアニメやゲーム、音響製作に携わる仲間と作品を制作。日本と中国の交流につながるような草の根活動をしたい。

40歳
さまざまな国を訪問

世界にはたくさんの文化があるので、さまざまな国で違った世界に触れ、役者、そしてクリエイターとしての活動に取り入れていきたい。

40歳以降
クリエイティブのお仕事にかかわる

声優としての活動にとどまらず、アニメ、ゲーム、映像や音声作品の制作を手掛けるようになる。どんな国の人が見ても共感できるような、シンプルな想いを伝えられる作品を作り上げるのが夢。

劉セイラを知る10の質問

好きな食べ物は?

辛いものが好きなんですが、口内炎ができやすい体質なので、あまり食べられないんです。ラーメンは週に5回は食べます。日本のラーメンと中国のラーメンは、そばとスパゲッティくらい違うんですが、どちらも大好きです。

 

苦手な食べ物は?

昔は納豆が苦手でしたが、日本工学院在学中に寮生活を送っていたら、そのうちに食べられるようになりました。

 

日本に来てびっくりしたことは?

女子トイレに「音姫」が設置されていること。トイレの音を恥ずかしがるなんて、トイレには日本人の恥の文化が詰まっているんだと思いました。

 

休日の過ごし方は?

ジムに行ったり、つい家でゴロゴロしてしまいますね。天気のいい日は散歩に出かけたり、あと友人とのおしゃべりも楽しみです。

 

趣味は?

旅行が好きなので、ひとりであちらこちらに出かけます。去年は北海道旅行に行ってきました。あと歌うことも好きなので、ひとりカラオケにもよく行きます。

 

長所と短所は?

長所は、行動力があるところかな。短所はその逆で、思いついたらすぐ実行してしまうので、やってしまってから失敗に気がつくところです。

 

今ほしいものは?

電子レンジと涼しい部屋。エアコンをつけるという方法もあるんですが、喉を痛めそうなのでちょっとためらっています。あと、部屋を片づけてくれる妖精さんがいちばん欲しいかな(笑)。

 

最近笑ったことは?

日本人はみんなアニメ好きと思っていたように、みんな会話にダジャレを挟んでくるんだと思っていましたが、そんなことはなくて私がダジャレを言うと引かれたりするんです。だから、自分で言ったダジャレにひとりで笑っています。

 

最近考えたダジャレは?

『鋼の錬金術師』のロイというキャラクターから、「ロイが言った。おもしロイ!」というのと、今度タイに旅行するので思いついたんですけど「タイに行きタイ」です!……すみません!(笑)

 

座右の銘は?

中国のことわざで「知足常楽」。満足することを知れば、いつも楽しく過ごせるという言葉ですが、今の自分がもっているものは全部必要なものなんだと周囲に対する感謝を忘れないという意味に捉えています。

From 劉 セイラ

劉 セイラ

 

私は『声優グランプリ』読者の皆さんと同じく、アニメが好き、声優が好きな人間です。 その気持ちだけでここまで来ました。

ゲームの勇者もさまざまな人の支えがあって成長していきますが、私も勇者のように、周囲の人の支えがなければこの場所にたどり着けませんでした。

皆さんも、それぞれが好きなことを大切にして生きていけば、それが最高なんじゃないでしょうか。 そのなかで、少しだけ私のことを応援してもらえたらうれしいです。