土岐隼一さん

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声優になりたいけど、どうすればいいのかわからない……。でも大丈夫。夢への一歩を踏み出した先輩からのメッセージには、そんな悩みを解決してくれるヒントが満載です。今回はアミューズメントメディア総合学院卒業生の土岐隼一さんにお話を聞きました。

土岐隼一
ときしゅんいち●5月7日生まれ、東京都出身。WITH LINE所属。主な出演作はアニメ『A3!』(瑠璃川幸)、『地縛少年花子くん』(蒼井茜)、『アフリカのサラリーマン』(ミーアキャット)、『真夜中のオカルト公務員』(ウェウェコヨトル)、ほか。

 

AMG在学中の2年間で、芝居の知識や引き出しが増えました

土岐さんがAMGに入ったいきさつを教えてください。

僕はもともと大学の文学科で勉強していました。大学4年生になって進路をどうするか考えたとき、アニメや漫画が好きだったことから、声優を目指すことにしました。ただ、それまで演技経験が全くなかったので、ゼロから芝居を学べる場所を選ぼうと思い、いくつかの学校を見学に行ったんです。
AMGの授業を見学したとき、雰囲気がすごく良いと感じました。張り詰めた空気の中、先生が生徒にちゃんとダメ出しをしていて。高校時代に剣道をやっていて体育会系で育ったので、厳しく指導してもらえるほうが自分の性に合っていると思い、AMGを選びました。学校見学ではパンフレットを見るだけではわからない部分も感じられるので、ぜひ自分の目で確かめたうえで、自分の肌に合ったところを選ぶようにしたほうがいいと思います。

AMGで学んでみていかがでしたか?

1年生のときは舞台のお芝居が中心で、2年生でアフレコなど声優としての技術を学びました。役者になるための予行演習を2年間で全部やれたのではないかと思います。授業は全部楽しくて、今思い返しても、無駄なことは一つもなかったです。もちろん先生から厳しく指導されることはありましたが、ちゃんとできれば褒めてもらえますし、その分、もっと頑張ろうと思えました。

授業以外ではどんなことがありましたか?

公演や学内イベントも楽しかったです。「このセリフはどんな感情で言っているのか」「僕はこう思う」など、みんなでトライ&エラーを繰り返して作品を作っていくので、やり終えたときの達成感は素晴らしかったです。仲間たちとお互いに意見をぶつけ合って「今のセリフ、めちゃ良かったな」「こういう表現もあるんだな」など、いろいろな発見がありましたし、在学中の2年間で芝居の知識や引き出しがかなり増えたと思います。

プロの現場に出てから、AMGで学んだことが役に立ったと実感したことはありますか?

たくさんありますが、特に礼儀やマナーについては役に立っています。たとえば「スタジオでこの場所に座ってはいけない」とか、AMGでは現場でのマナーをきちんと教えてくれるので、しっかり身につければ現場で恥をかくことはまずありません。もちろん「この子、気が利いているな」「しっかりしているな」と思われるようになるには、さらに努力を重ねないといけませんが。

インターンシップも経験されているんですよね。

学生の段階でプロの現場に出て学べることは、大きなアドバンテージになると思います。僕は2年目に2つのインターシップを経験しました。初めての仕事は電車の事故があって現場に着くのがギリギリになってしまい、精神的に不安定な状態でスタジオに入りました。何とか気持ちを切り替えてやってはみたものの、全体の収録が押していたためかなり巻きで収録したので、うまくできなくて。最初のインターンシップはうまくいかないことばかりでしたね。苦い思い出ですが、経験値としては大きかったと思います。

オーディションもたくさん受けたのでしょうか?

在学中も受けましたし、事務所に入ってからもたくさん受けました。今でもたくさん受けますし、落ちるとヘこみます(笑)。ただ、プロの声優としてやっていくためには、パッと気持ちを切り替えるスキルは絶対必要になります。僕はオーディションに落ちたとき、その日一日は落ち込んでもいいけど、次の日には引きずらないよう心掛けています。今年の5月でデビューから丸6年になりますが、この6年間、そこはずっと意識しています。

大学生、社会人から声優を目指す人も、決して不利じゃない

土岐さんは大学卒業後にAMGに入られましたが、同じように大学生を出てから、もしくは社会人から声優を目指す人たちに対して、何かアドバイスをいただけますか?

大学を出てからAMGに入ってくる人は、1クラスに4~5人はいたと思います。だから僕も決して肩身の狭い思いはしなかったですし、アドバンテージもあるんですよ。高校生や10代の人たちが知らない世界を知っているわけですし、人生経験が豊富な分、できる芝居の幅も広いと思います。だから「自分は始めたのが遅いから……」とコンプレックスをもつ必要は全くありませんし、決して不利じゃないんです。ただ、若い人たちはあっという間に追いついてきます。だから、毎回の授業で彼らよりもたくさんのことを吸収して「卒業する頃には即戦力になる」くらいの意識をもって取り組まないといけません。

昨年、歌手デビューもされましたが、土岐さんにとって2019年はどんな年でしたか?

30歳になった年ですけど、たくさんの経験値を得られた1年でした。今までやったことのない初挑戦の仕事もあり、これまでの人生の中でも特に密度の高い1年だったと思います。また、先輩方がたくさんいらっしゃる現場も経験させていただきました。たとえばアニメ『真夜中のオカルト公務員』では、メインキャストが福山潤さん、入野自由さん、前野智昭さん、遊佐浩二さんで、その中に僕がいたんです。素晴らしい先輩方に交じると自分の実力の物足りなさも感じましたし、先輩方の引き出しの多さには本当に驚かされました。学ぶことしかない現場でしたね。皆さんずっと第一線でやってこられた方々で、お芝居だけでなくイベントやラジオでのおしゃべり、現場での立ち居振る舞いなど、いろいろな面で勉強させていただきました。

今年はどんな年にしたいですか?

2019年はいろんな経験をさせていただいた実りの多い年でしたが、その経験をそのままで終わらせるのでなく、ちゃんと発信できるまで高めて、自分の形として表現してアウトプットしていきたいと思っています。最終的なゴールは“ラスボスの似合う人”です。「主役もできるけどラスボスも似合うよね」「ラスボスと言えば土岐だよね」と言われるくらいになれるよう、引き続き頑張っていきます!

 

 

Information

■アミューズメントメディア総合学院
http://www.AMGakuin.co.jp/

独自のシステムにより、在学中からゲーム、アニメ、イラスト、小説などのコンテンツを作ることができ、それを商品として市場に送り出すことも可能。通常のレッスンのほかに公演、学内イベントなどの機会も多く、また充実のインターンシップ制度により在学中からプロの仕事を経験することもできる。声優学科からは、柿原徹也さん、羽多野渉さん、伊藤かな恵さん、芹澤優さん、小林裕介さん、加藤英美里さんら、多くの卒業生を輩出している。