PineS

櫻川めぐさん、倉知玲鳳さん、秋谷啓斗さん、各務華梨さん

PineS
Voice Navi -ボイスナビ-

超小人数制レッスンによる受講者一人ひとりへの的確な指導に定評のある声優養成スクールPineS。
数多くの声優をマネジメントする株式会社Sの代表:佐藤ひろ美さんと『うたの☆プリンスさまっ♪』などで知られる音楽プロデューサー:上松範康さんによって設立されたPineSでは、昇級審査・プロダクション審査を経て「S」や「AGEHA promotion」への所属を目指すことができる。

今回は、そんなPineSスクール生の先輩となる声優事務所「S」の櫻川めぐさん、倉知玲鳳さん、秋谷啓斗さん、各務華梨さんが登場。奇しくも夏の一大イベント『アニサマ』出演を終えられたタイミングでのインタビュー。そうした大きなステージにそれぞれが出演するに至るまでの道のりや事務所のレッスン方針について、そして声優を目指す未来の後輩へのメッセージをお聞きしました。

櫻川めぐ
櫻川めぐさん

さくらがわ めぐ●10月24日生まれ。茨城県出身。主な出演作は、『ラブライブ!』綺羅ツバサ(A-RISE)、『バンドリ! ガールズ バンドパーティ!』宇田川あこ(Rosellia)ほか。2021年10月20日に櫻川めぐ×Elements Gardenコンピレーションアルバム「キボウマイロード」をリリース。

倉知玲鳳
倉知玲鳳さん

くらち れお●5月22生まれ。埼玉県出身。主な出演作は、『バンドリ! ガールズ バンドパーティ!』パレオ(RAISE A SUILEN)、『競馬道OnLine応援サポーター』恵王エル、『D4DJ First Mix』清水絵空(perky P-key)ほか。

秋谷啓斗
秋谷啓斗さん

あきや ひろと●10月28日生まれ。熊本県出身。主な出演作は、『アルゴナビス from BanG Dream!』曙涼(GYROAXIA)、『ブラックスター-Theater Starless-』大牙、『ニルアドミラリの天秤』轟木登巳蔵ほか

各務華梨
各務華梨さん

かがみ かりん●9月19日生まれ。愛知県出身(生まれはアメリカ)。主な出演作は、『D4DJ First Mix』明石真秀(Happy around!)※アニメの英語吹替版も同役を担当。アニメ『カードファイト‼ヴァンガード over Dress』アカネほか。

「S」の遺伝子が組み込まれたPineSのレッスン

『Animelo Summer Live2021-COLORS-』の公演を終えられたばかりですが、公演はいかがでしたか?

各務 私は初めての『Animelo Summer Live』(以下アニサマ)出演ですが、先輩の倉知さんと一緒に『D4DJ First Mix』のユニットで参加させていただきました。倉知さんにはリハーサルの時にも声をかけていただいて心強かったです。倉知さんは様々なイベントに出演されていて、ダンスも得意なので、倉知さんの動きをみてたくさん学ばせていただきました。
倉知 えーっ本当に⁉
各務 今までに経験したことのない大きなステージでしたし、動きのあるパフォーマンスも未経験だったので、本当に勉強になりました。
倉知 ありがとう。 今回は…後輩…? と言っていいのかしら?
秋谷 そりゃ後輩でしょ!(笑)

各務華梨

倉知 なんかもぞもぞしちゃうけど、後輩の各務ちゃんと一緒で私もすごく心強かったです。各務ちゃんのDJプレイがとてもかっこ良くて、いつもストイックにステージを作り上げている各務ちゃんは後輩だけど尊敬する部分がたくさんあります。切磋琢磨していけるいい関係ですね。私は、『Peaky P-key』と『RAISE A SUILEN』という、歌ったり踊ったりするグループとバンドとしても出演しました。それこそ私も、ステージでのめぐ(櫻川)さんの姿をたくさん見て勉強させていただきました。ステージでどう振舞えば素敵に見えるのかというイメージが自分の中にある状態で初ステージに臨めたことはラッキーでした。もちろんすぐにそれを自分ができるわけではないけど、素晴らしい先輩がいて、それを間近で見られる環境があるのはうちの事務所の良いところだなぁといつも思います。
櫻川 玲鳳(倉知)は、新人の頃から本当に一挙手一投足を見てくれているんじゃないかというぐらい見てくれていて、「あれ、よかったですね」と声をかけてくれていたんですよ。ステージに立つ玲鳳を見ると、自分と似ているなと思う部分があって、もしかしたら私から吸収したものを受け継いでくれているのかもしれないと思ってました。
倉知 そうですよ♪

倉知玲鳳

櫻川 事務所のスタッフさん方にも「ああ、Sだよね」(Sの遺伝子を引き継いでいる)と言っていただいたのがすごくうれしくて……そしたら、玲鳳から各務ちゃんに引き継がれていて、感激しました。あ、女子の話になってごめんね。
秋谷 じゃ、僕ちょっと休憩で(笑) なんて冗談です。男子は男子でありますよ! うちの事務所では、先輩方が毎年アニサマに出ていて、僕も今回参加できましたが「成功させなきゃ」とか「がんばらなきゃ」とプレッシャーもあったんですよ。でも、先輩の蒼井翔太さんから「楽しんでね」と言っていただいてすごく気持ちが楽になりました。本番で自分が楽しんでいる姿を見て、ライブを観てくださる方も楽しんでくださるんだなと感じたのですごくありがたい一言でしたね。
櫻川 いいなあ! 翔くんから連絡あったの⁉ うちの事務所は本当にアットホームで、それがうちのカラーだよね。タレント全員でのオンラインミーティングをしたり……。
秋谷 ありましたね。先輩方が自主的に計画してくださって。
倉知 Faylanさんはアーティストだけど、声優でもアーティストでも共通する現場での在り方や考え方というのを後輩の私たちに改めて説いてくださって、勉強にもなったし、こういう風になれるように頑張ろうと思えました。
各務 はい。とっても!
秋谷 だけど、あの時僕だけWi-Fiの調子が悪くて……。
櫻川 入退出を繰り返してたよね(笑)
秋谷 まあ、後からマネージャーさんから録画したデータをいただきましたけど。もったいなかった……(笑)
櫻川 みんなからも先輩の話が出たけど、私は最初のアニサマ出演の時、社長の佐藤ひろ美さんからの言葉をいただきました。社長もかつてアーティストとして活動されていて、ライブ経験が豊富なので、「経験者としてめぐに言っておくね」と。「あの広いステージで一番大きな動きをしなさい。音なんか外してもいいぐらいの気持ちでいい。それぐらいあなたは練習してきたのだから大丈夫、あの広いステージにあなたが伝わるように全力でやりなさい」と言われました。これは「Faylanにも翔太にも言った言葉なのよ」と社長がおっしゃっていて、私もSの一員なんだって、うれしかったです。最初のステージはたったの2曲でしたが、ステージの直後、倒れそうになるまで出し切りました。それがたくさんの方に当時の私たちを知っていただけるきっかけにもなりましたが、社長のあのアドバイスがなかったら、あれほど思い切ってパフォーマンスできなかったかもしれません。
倉知 社長は、私たちのステージにいつもどんなところでも駆けつけてくださって、見守ってくださるんです。それがとても心強いです。
櫻川 安心するよね。
一同 うん(大きく頷く)

アニサマのような大きなステージに立つために、皆さんはどのような努力をされてきたのでしょうか?

各務 私は未経験でお仕事をすることになって、PineSでレッスンを受けました。レッスンでは発声練習などを一から見ていただきました。「今あなたにはこれが必要だから、こういうレッスンをしていきます」とか、逆に「今、これができているから、お仕事の時も自信を持っていいからね」と、とても適切なアドバイスをいただけたので、自分の中で自信になりました。お仕事させていただいていても、レッスンのおかげでできたと感じることがたくさんあります。ライブ活動に向けては、特に発声を強化しました。レッスンがあったから自信を持って臨めたし、大きなステージでも自分の力を出し切ることができたのかなと思います。
秋谷 僕の場合はPineSができる前に事務所のレッスンを受けました。ステージでは歌わなかったのですが、歌のレッスンが活きたことは、ステージでの見せ方です。ステージでは本当にお客さんが自分の全身を見ているので、手先、指先、頭の先まで神経を集中させてどういう風に見せるか、どういう風にキャラクターを表現するのかという部分をずっとやってきました。お芝居では、セリフがない場合でも表情や立ち居振る舞いでキャラクター性をどう伝えられるかというのが僕の中では楽しくて、毎回が勝負なので、その面でもレッスンが活きているなと思います。レッスンでは、体を動かすためにまず、体のしくみがどうなっているのか、口の形や、器官の名称という基礎的な知識を教えていただきました。発声のしくみや筋トレを含め、声を出す土台を作るところからやっていただけるので、ありがたかったです。今もそれが土台になっているので、レッスンがすごく役立っていますね。

秋谷啓斗

倉知 私は、一年位前、キャラクターの役作りのことで悩んでいた時にPineSでダンスの講師をされている方に相談に乗っていただきました。私とは違って身長が高いキャラクターをどうパフォーマンスに落とし込むか。そのキャラクターの性格はもちろん動きに反映させますが、体格の違いでも踊り方や表現方法が変わってくると思うんですよ。そこに悩んでいたのですが、「それならこういうニュアンスを加えてみたらどうかな」と、アドバイスをくださいました。今回のライブでもそうですが、ファンの皆様から「ステージに(キャラクターの)○○ちゃんがいた!」」と言っていただけることが多くなり、表現の幅が広がっているんだなと実感しています。
櫻川 そんな秘密があったのね。変わったな~と思ってた。
倉知 ただ踊るのではなく、声優として役を背負って踊るアプローチに詳しい先生がPineSにはいて、そういう先生にデビュー前から教わることができるのは、声優としての大切な意識を身につけられると思います。
櫻川 私は宮崎校長から直々にレッスンを受けていました。それをさらにブラッシュアップしたものが今のPineSのレッスンになっていると聞いて、なるほどと思いますね。養成所から聞こえてくる発声練習が、そのまんま私がやってきたのと同じだし、今も自分が現場に行く前にやっている発声なので。今日のメンバーもみんな同じレッスンを受けてきているんですよ。

レッスンを続ける中では、思うようにいかないことや大変なこともあったと思うのですが、そんな時はどうやって乗り越えてきましたか?

各務 事務所に入ってからも大切にしているのは、まずやってみることです。悩んでいても何も状況は変わっていかないので、とりあえず動いてみることにしています。
秋谷 僕は、自分が今何に悩んでいるのか、自分が足りない部分や性格など、とにかく頭の中にあるものを全部書き出しました。枝わかれ式に、このためにはこれをやればいいというのが明確になって、ステップアップするきっかけになったと思います。あと、そうやって作った未来年表などをマネージャーさんに見てもらったりもしました。
櫻川 私は自分のやりたいことが本当はなんなのか、見えなくなっていた時期がありました。でも、役との出会いによって、この子のために自分が存在しているんだという当たり前だけど大事なことに気づくことができました。PineSはそういう意識を変えるカリキュラムにもなっているし、事務所ではスタッフさんも相談に乗ってくれます。

櫻川めぐ

倉知 私は落ち込みやすいので、社長からの「良かったよ」の一言に救われますね。そう思ってもらえたなら、反省点は次に生かしてまたブラッシュアップすればいいと。一つ一つ落とし込んでいけるようになりました。最近気づいたのはできないものは練習するしかないということ。それでしか成長していけないし、変わっていけないんです。こんなに素敵な環境でも、先が見えない職業なので、その中で自分自身を保って、活動するためにはやり続けるしかない。一歩でも半歩でも前に進めるようにもがき続けるしかないなと。社長にも「戦っていくしかないよね」と言われます。社長もアーティストだからこそ、寄り添ってもらえるし、すごく心の救いになっています。
櫻川 社長の顔が浮かぶね。
倉知 これは“Sイズム”ですよね。
櫻川 うんうん。みんな最初からこういう考えだったわけじゃないんですよ。先輩や社長から自然に受け継いだものですね。またレッスンの中で培うストイックさというのは“Sイズム”かもね。
秋谷 はい。僕なんて事務所に入ってから、考え方とか180度変わりました。

なるほど。皆さんが学んできたことや“Sイズム”を学べる養成所がPineSなのですね。PineSは、音楽プロデューサーの上松範康氏も代表を務めているため、多方面でサポートがあるようですね。

櫻川 私は特別講師として“キャラクターの役作りについて”のワークショップを開催しましたが、その際に使用した教材のキャラクター表がARIA entertainmentの提供でした。スタッフにお聞きしたらダンスレッスンでも、Elements Gardenの曲が使用されているそうですよ。
倉知 え~⁉ いいなあ。私もそのキャラクター表使ってサンプル作りたいぐらい! しかも、養成所生は事務所の方にレッスンの様子もチェックしてもらっているらしいですよね。
秋谷 うらやましい環境です。 そこからチャンスにつながることもあるだろうし。
倉知 そうそう! Elements Gardenと言えば、櫻川さんのコンピレーションアルバムが完成したんですよね?
秋谷 「キボウマイロード」!
各務 10月20日発売です。
櫻川 や~ん、みんなありがとう。もう大好き! Elements Gardenの四天王、上松さん、藤田淳平さん、藤間仁さん、菊田大介さんが書いて下さっているんですけど、揃い踏みのアルバムは最近ではなかなかないよねと事務所のスタッフとも話していたんです。トップ4の皆さんに仮歌を録っていただいた時代があるなんて、今振り返ったら鳥肌立った。Elements Gardenの皆さんが一丸となって作ってくださっているし、12年分の思い出がぎゅ~っと詰まったアルバムです。

櫻川めぐ

一同 パチパチパチパチ!(拍手)
櫻川 こうやって後輩たちが「よかったね」と一緒に喜んでくれるSは本当に好きな事務所です。声優業と並行してElements Gardenと共に、ソロ活動もさせていただいてきたので、新しく入ってくる後輩たちの道しるべにもなれたらと思います。是非、未来の後輩たちにも聴いていただきたいですね。

素敵な絆で結ばれている「株式会社S」ですが、未来の後輩たちに向けて伝えたいのはどんなことですか? アドバイスなどもお願いします。

秋谷 僕は所属して5年目ですが、3年間後輩がいない状態でした。それが事務所に後輩が入って、養成所には未来の後輩が入ってきて、気を引き締めなければと強く感じています。今、事務所に所属するまでのことや入所当時を思い返すと視野が狭くなりがちだったと思います。とにかく頑張らなきゃと一生懸命になりすぎて、人の意見を聞けなかったり、聞いていても理解できていなかったりということがありました。向上心や熱意はすごく大事だけど、いったん落ち着いて、自分に足りないもの、自分がなりたいものはなんなのか、自己分析することが大事だなと振り返ってみて思います。今でもそうだけど、そこにいち早く気づけて、そこを乗り越えた人が後輩になるのかなと思います。
倉知 私はここ数年で、華やかな舞台に立たせていただく機会が増えました。煌びやかな世界に見えていると思いますが、そういうところに立たせていただくからこそ、地道な基礎のトレーニングが大事になってくるというのをここ最近改めて感じています。PineSのレッスンは、発声や日々の筋トレなど地道な積み重ねのレッスンをしているとのことなので決して派手では無いと思います。でもそのような訓練が土台となって、今後の活動につながっていくし、声優として長く活動していくために欠かせないものなのだと先輩方を見て実感しています。私自身もずっとそこを磨き続けていこうと思います。私もまだまだ足りないので、そんなに力強くは言えないのですが、一緒にがんばっていこうねという気持ちです。
各務 まだ、所属して2年なので、私としては「もう後輩が来ちゃうの?」という感じです。レッスン中に養成所生の方にお会いする機会もありますが、皆さんやる気が満ち溢れていて“負けないようにがんばるぞ”という意識にさせてくれます。一緒に高め合っていける仲間がもっとたくさん増えていったら、うれしいです。
櫻川 私はワークショップで実際に養成所生の顔も見てるし、お芝居もテープで聴かせていただいているので、事務所の後輩と同じで、養成所にいる人、全員が可愛くてしょうがないです。可能なら、全員に後輩になって欲しいです。私にはみんなのがんばりが伝わったし、それが報われてほしいと思いますね。是非、そのがんばりを形にしてほしいです。私もお手本になっていけるようにがんばりたいです。皆さん、待っています!

Information

株式会社Sが設立した声優養成スクールPineSは、「響く声 届く声 本当の声」を教育理念とし、声を磨くことに特化したカリキュラムで、株式会社Sにマッチングする声優及び声優アーティストの発掘と育成を行っています。PineS提携学生寮やオンラインコースも完備しており、地方から夢をもって声優を志す若い人材への支援体制もバッチリ! 詳しくは公式HPをチェック!

声優養成スクール PineS

【スクール形態】
養成所(プロダクション附属含む)・劇団

【受講日数】
週1日

【公式ホームページ】
https://s-pines.com/