このコラムでは畠中さんのお仕事や好きなもの、感銘を受けた作品などについて語っていきます。
今回選んだ映画は『海がきこえる』。 ついこの前、千葉翔也(以後ちばしょ)と焼肉に行ったとき、自分がどんなアニメを観て育ってきたかの話になりました。彼はやはり僕以上にアニメをたくさん観てきていて、僕が全然知らない作品をちゃんと紹介してくれました。ありがたい。今なら配信系のサービスで見放題だったりしますからね。これを機に観てみようと思います。 そして、僕の幼少期に観たアニメの話になったときに、やっぱり、僕は小さい頃にジブリとディズニーしか見たことがなかったため、その話をすると「ジブリ、まだトトロとかしか観たことないんだよね」とちばしょが言いました。衝撃です。完全に全部観ているものと思ってました。いや、ちばしょ全部観てそうですもん。なんか雰囲気からしてジブリっ子というか、勝手にそう思ってたもんで驚きました。 そのあとあまりの驚きのあまりその話題の中で全く作品のプレゼンができなかったので、今ここでちばしょに見てほしい作品をプレゼンさせてください。やっぱりちばしょには『海がきこえる』ですね。 この『海がきこえる』という作品、当時のスタジオジブリの若手スタッフさんたちを中心に作られました。監督は望月智充さん。実は2016年のアニメ「バッテリー」という作品で僕もお世話になりました。本当に繊細な気持ちを拾ってくださる監督でした。そんな方が監督したこの『海がきこえる』。お話はとってもシンプルです。 高知から東京の大学に進学した拓は、吉祥寺のプラットホームで高校のときの同級生、里伽子に似た人物を見かけます。里伽子のことが忘れられない拓は、同窓会のために高知に帰る飛行機の中、里伽子と出会った2年前の夏の日を思い出します。彼女との出会い、ハワイへの修学旅行、そして、彼女と過ごした、東京での出来事。親友とのすれ違い、そして喧嘩。別れ。ほろ苦い記憶を辿りながら、拓は高校時代の里伽子との思い出を、振り返っていきます。 もうね、たしかに、この作品に出てくる里伽子は、かなりワガママで感情の起伏が激しく、なんかお高くとまってるような印象を受ける人も多いかも知れません。でも、この頃の気持ちって、理屈や理性でなんとかなるほど、自分の手の中に収まっていたものだったでしょうか。そんなにうまく気持ちを制御できていたでしょうか。拓の頬を叩いた彼女の気持ちを思うと、そして、そのあとしっかりと拓を一発殴った友達のことを思うと、胸が締め付けられるほど切ないです。これですよ。こういう繊細な描写、ちばしょ、好きではないかい?!?! もうね、物語を語るとほぼネタバレになっちゃうので、多くは語れませんが、とにかく話が繊細でした。もしかしたらヒロインのわがままっぷりに呆れ、拓のお人好し加減にイライラしてしまうかも知れませんが、一人ひとりの気持ちを紐解いていくと、そのリアルな切なさにたまらない気持ちになります。飛田展男さんをはじめとする先輩方のお芝居も本当にたまりません。やっぱりすごすぎますよ先輩たちは。それを見せつけられる作品です。 千葉翔也くん、ぜひ見てください。 |
次回の「畠中祐のゆっくりすくすく」は、4月25日(土)に更新予定! お楽しみに!
畠中さんに質問!
Q:春に聴きたくなる音楽やアーティストを教えてください!(千葉県・すじこ)
すじこさんありがとうございます!!そうですねぇ、この海がきこえるのサントラ、無茶苦茶いいので春はよくリピートして聴いてますね!!歌じゃなくてすみません!!!
畠中祐が今、答えます!!!
畠中さんが動画でも質問にお答えしていきます。
今回のお便りのテーマは「聞いてよ! 男の子の知らない女の子あるある」
次回のお便りのテーマは「人生でついた最大の嘘」です。「嘘をついて助かった!」や「ちょっとした嘘があんなことに……。」など、皆さんの嘘に関するエピソード、お待ちしております!
畠中さんへの質問&お便りを大募集!
はたなかたすく
8月17日生まれ。神奈川県出身。賢プロダクション所属。主な出演作はアニメ『俺が好きなのは妹だけど妹じゃない』(永見祐)、『バジリスク ~桜花忍法帖~』(甲賀八郎)、『ダイヤのA ActⅡ』(浅田浩文)、『うしおととら』(蒼月潮)、『KING OF PRISM by PrettyRhythm』(香賀美タイガ)ほか。