このコラムでは畠中さんのお仕事や好きなもの、感銘を受けた作品などについて語っていきます。
今回選んだ作品は映画『八日目の蝉』。 この前、僕の一つの恋が終わりました。 という朗読劇をやりました。 その朗読劇の中で、僕は、エクボの可愛い年上の女性に恋をしていたのですが、演じた瞬間から、頭の中に1人の女優さんが思い浮かんでいたのです。でも、名前が出てこない。どんなに有名な方でも、僕は顔はすぐ出てくるのですが、名前が出てこないのです。 本番の数時間前、楽屋でその人が誰なのか、同じステージに立ってくださった佐藤拓也さんと考えました。そして判明しました。永作博美さんだと。 いやいや知ってるだろと、無茶苦茶有名な方じゃないかと。なぜ名前が出てこないと。本当にその通りです。ただ強烈にあの美しさが頭の中に残っていたのですが、、、名前だけが、、、。悔い改めます。 そんな永作さんに脳内でバチくそに振られて、朗読劇が終わってからも引きずっている自分。気持ち悪い。なんて気持ち悪いんだ。しかも色々と失礼だ。 ということで、この恋を終わらせるため、そして、永作さんをもっともっと知るために、永作さんが出ている映画を見ることにしました。 それが、「八日目の蝉」です。 この希和子役を、永作博美さんが演じておりました。 普通に考えて、0歳から4歳までの、最も我が子が可愛いと言われる期間を奪われた家族のことを思うと、いたたまれません。誘拐されている期間、眠れない夜を何夜過ごしたか。心配で生きた心地がしなかったでしょう。誘拐犯のことを、心底「殺してやりたい」と思ったのではないでしょうか。当然だと思います。誘拐犯希和子は、最低なことをしたのです。犯罪者です。裁かれなければなりません。 しかし、この映画の、永作さんのお芝居を見ていると、犯罪者なのに、本当の母親じゃないのに、そこに本物の愛を持った「母」を見てしまいます。子供に投げかけられる視線。我が子のように名前を呼ぶ声、必死に守ろうとして抱きしめた両腕。もうその全てに愛が込められていて、それを見ているだけで涙が出てきます。こんなに深い愛を注がれて、なのにこの2人には必ず終わりが来る。その切なさに胸を締め付けられます。なんとかならないのか。と、犯罪者なのに、救われて欲しいと思ってしまう。そんな自分に罪悪感を抱きながら、2人の擬似親子を見守ってしまいます。それほど、永作さんのお芝居には愛が溢れていました。それに応えるかのように、子役の子も心を開いていきます。本当に完璧なキャスティング。もう最後は、母と子にしか見えません。だからこそ辛い。辛すぎるのです。それほどの説得力が、この映画の永作さんには満ち溢れていました。 家族写真を撮るシーンの永作さんの笑顔、僕は一生忘れられないでしょう。こんなにも愛おしい笑顔はありませんでした。 この映画で見せた笑顔は、お芝居は、あまりにも深すぎました、、、 僕みたいな青二才は到底深みが足りなさすぎる、、、不釣り合いな恋を勝手に朗読劇の中でしてしまいました、、、この映画を見て諦めがつきましたっ!!! これからはひっそりと、最高の女優さん、永作博美さんを応援させてください。またいつか、映画でお会いできたら嬉しいです!!! |
次回の「畠中祐のゆっくりすくすく」は、11月28日(土)に更新予定! お楽しみに!
畠中さんに質問!
Q:畠中さん、トリックオアトリート! 好きなお菓子を教えてください!(福島県・美保)
美保さん!!トリックオアトリート!!!使い方あってますか?!?!僕はサラダ味のじゃがりこが死ぬほど好きですよ!!!!
畠中祐が今、答えます!!!
畠中さんが動画でも質問にお答えしていきます。
今回のお便りのテーマは「あなたの新人・新人さんとのエピソード」
次回のお便りのテーマは「あなたのオススメのまんがを教えてください!」です。11月3日は“漫画の日”というわけで、今回は皆さんからおすすめの漫画やそれにまつわるエピソードを大募集! たくさんのおたよりをお待ちしております!
畠中さんへの質問&お便りを大募集!
はたなかたすく
8月17日生まれ。神奈川県出身。賢プロダクション所属。主な出演作はアニメ『俺が好きなのは妹だけど妹じゃない』(永見祐)、『バジリスク ~桜花忍法帖~』(甲賀八郎)、『ダイヤのA ActⅡ』(浅田浩文)、『うしおととら』(蒼月潮)、『KING OF PRISM by PrettyRhythm』(香賀美タイガ)ほか。