このコラムでは畠中さんのお仕事や好きなもの、感銘を受けた作品などについて語っていきます。
今回選んだ作品は番組『時計仕掛けのオレンジ』。 んー。 なんだこれは。まあ確かに映像美はすごいですよ。溢れ出るレトロフューチャー感はたまらないし、全体を漂う退廃した感じとか、世界観の作り込まれ方もすごい。ただ、それを上回る暴力。暴力。暴力。もうこれでもかっていうくらい暴力的な映画でした。なんかグロいとかエロいとも違う、ただ暴力による興奮が描かれているんでしょうか。もう、主人公がたまらなくクズでした。 主人公はアレックスという15歳の青年で、彼は仲間を引き連れて、ドラッグ入りのミルクを飲み、興奮状態でホームレスを棍棒で叩きのめしたり、ほかの暴力団と抗争したり、金持ちの家におしいって奥さんをレイプしたり、もう無茶苦茶酷いことをしまくってるやつでした。ところがある日、仲間割れを起こして、事件を起こした夜、アレックスだけが逮捕されてしまう事態が起きます。彼は14年の刑を言い渡され投獄されますが、そこで、「ルドヴィゴ療法」という犯罪者を更生させる新しい治療法の実験台になれば、早く表の世界に出られることを知り、彼は被験者となるのですが、、、 いやぁ、この映画、出てくる登場人物の1人も好きになれませんでした。みんな少し引っかかる胸糞悪さがあります。なので、この主人公が劇中どれだけ悪を捌かれたとしても、悪を捌いてる側のことを全然好きになれないし、ただただスッキリしない感情のみが胸に残ります。 何でこんな胸糞悪いのか。 でもやっぱり全体を漂う雰囲気は洒落ていて、強烈に脳裏に残ります。主人公が暴力を奮いながら口ずさむ「雨に唄えば」の歌が耳から離れません。何と役者さんのアドリブで歌ったのが採用されたとか。いやぁ、すごいセンスです。胸糞悪くさせるセンスが抜群。でも、そんな雰囲気、演出、役者の凄さにやっぱり惹きつけられてしまうんですよね。改めてキューブリックの映画のすごみを感じたような気がします。皆さんはどのような感情に襲われるでしょうか。是非ご覧ください。 |
次回の「畠中祐のゆっくりすくすく」は、6月26日(土)に更新予定! お楽しみに!
畠中さんに質問!
Q:私も『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』観ました!畠中さんの好きなキャラクターが知りたいです!(岡山県・maan)
maanさん、質問ありがとうございます!!俺はもう旧劇場版のときから、ずっとミサトさんです!!今回もたまりませんでしたね!!
畠中祐が今、答えます!!!
畠中さんが動画でも質問にお答えしていきます。
今回のお便りのテーマは「あなたが最近、思わずツッコミを入れた出来事」です。
次回のお便りのテーマは「あなたのおうちカレーのこだわりポイント」です! たくさんのおたよりをお待ちしております!
畠中さんへの質問&お便りを大募集!
はたなかたすく
8月17日生まれ。神奈川県出身。賢プロダクション所属。主な出演作はアニメ『俺が好きなのは妹だけど妹じゃない』(永見祐)、『バジリスク ~桜花忍法帖~』(甲賀八郎)、『ダイヤのA ActⅡ』(浅田浩文)、『うしおととら』(蒼月潮)、『KING OF PRISM by PrettyRhythm』(香賀美タイガ)ほか。