声優業界編

Q1. 声優って、オーディションを受けて役をもらうものなんですか?

A アニメなどの主要キャストのほとんどがキャストをオーディションで決めます。各プロダクションにオーディションの案内をして、そこから新人などにチャンスが回ってくるという訳です。

 

Q2. 声優の給料はどのくらいですか?

A 声優の給料は、一つ一つの仕事に対して報酬がもらえるという形態です。完全な実力主義の世界ですので皆単価が異なります。新人はもちろん下のランクです。ちなみに、キャリアや出演作品、作品の時間、使用用途などによっても変わってきます。この料金設定は、日本の多くの俳優が属している「共同組合日本俳優連合」とプロダクションの団体である「日本芸能マネージメント事業者協会」、そして音声を取り扱う制作会社の団体「日本音声製作者連盟」などとの相談によって決められています。

 

Q3. アニメの声がやりたいです。どんな能力が必要ですか?

A 当日に台本を貰い、すぐに仕事にとりかかります。ということは、(1)内容を即座に読み込む能力、(2)台本の漢字を読める能力、(3)キャラクターの行動、感情などを即座に解釈する能力が最低限必要ということになります。

 

Q4. 東京に上京して、自力で生活するのは難しいですか?

A 新人のうちは、経済的に厳しいかもしれません。週に何本もレギュラーをもって、やっとという状況でしょう。声優に限らず、俳優としてデビューした方の多くは新人時代には数多くのアルバイトをこなしながらチャンスをうかがっていました。厳しい道のりですが、実力をつけ、認められるようになるまでがんばってください。

 

Q5. 声優をどのくらい続けたら、生活出来るようになれるのでしょうか?

A どのくらいで、という判断はとても難しいですね。運も実力のうち、なんて言いますが、まさしくその通りなのです。いつチャンスが来てもいいように実力をつけておきましょう。

 

Q6. 毎日仕事ができますか?

A 人によって違います。毎日仕事をしている人もいれば、まったく仕事がない人もいます。

 

Q7. 職場はどういうところ?

A 制作会社のスタジオや貸スタジオです。

 

Q8. 声優の仕事の苦しみはズバリなんですか?

A 仕事がもらえるようになるまでは、貧乏との共存が苦しいでしょう。生活していけるようになったら、日々新たな物を創造していかなければならない苦しみがあることでしょう。

 

Q9. 個性的な演技とは一体何ですか? 基礎が大切だというのはわかるのですが、それをやることで個性が画一化されてしまうのではないか心配です。

A あなたのいう個性的な演技とはどういうものを指しますか? きっと思い浮かべる個性的な演技をする方は高い演技力をお持ちの方であると思います。彼らは、基礎をしっかり身につけ、自分の魅力を知り、高めたからこそ自分の個性を出すことができるのです。基礎が確立していない人の個性的な演技は見ていて痛々しいだけです。

 

Q10. プロの声優とは?

A 「声優業」で生活できるようになること、また「声優」として、ある程度認知されるかどうかではないでしょうか。

 

Q11. 声優になるのに、ダンスや日本舞踊はどう関係があるのですか?

A 声優は「セリフが言える」ことを求められているのではなく、「人の心に響くセリフが言える」ことが求められています。そのためには自分の体を自由に操れることは必須になります。「間」「テンポ」を体で学ぶことは大変良いことだと思います。

 

Q12. アニメのアテレコはどうやって行われるのですか?

A 絵を見ながら声を入れます。しかし、実際に出来上がった絵を見られる場合だけでなくて、マンガの下書きみたいな絵(線画)に口だけ書いてあって吹き出しが書いてあったり、赤とか緑の棒線がセリフの長さだけ出ていてそれを見ながら(線録り)アテレコしたりします。

 

Q13. 映画の吹き替えは1日でやるというのは本当ですか?

A 基本的に2時間ものは1日で収録を行います。その前にビデオを受け取り、台本と合わせる時間はありますが、本番は1日です。

 

Q14. プロの声優になるために必要な要素は何ですか?

A 感性がよいこと、ダメなところを素直に受け入れ、消化して自分のものにできる柔軟性、人間が好きで、人間に対しての洞察力がある人、ではないでしょうか。

 

Q15. 声優の寿命が短いと聞いたことがあります。短くならないための方法などはありますか?

A 寿命が短いというのは本当ではないでしょう。なぜなら、その歳その歳の年齢によって、その歳でなければできない芝居があるからです。もし短いのならば、その方の才能や努力が足りなかったということかもしれません。長く使われる声優になるためには、基礎からちゃんと勉強して力をつけておくことが大事です。また、第一線でベテランとして活躍されている方は常に勉強し、新しい物を吸収しています。時代が違えば、求められるものも異なります。時代の変化に的確に対応できる力もまた大切です。

 

Q16. アニメや外画のキャスティングってどうやって決まるの?

A 声優・俳優を制作会社のディレクターに、プロダクションのマネージャーが売り込みます。その中からディレクターがいろいろな条件を合わせ、キャスティングします。また、いろんなプロダクションに案内をして、オーディションで選ぶパターンもあります。

 

Q17. 学校によっては、ひどいところもある、と聞きました。どうやって見抜けばよいですか?

A 現代は、多くの情報があります。情報に惑わされないことが大切です。友達がいいという所が、あなたには向いていなかったり、その逆もあります。人の生活の数だけ、合う学校も異なります。自分の進路なので、ちゃんと足を運び、自分の目で見たものを信じるのがよいと思います。しかし、怪しいところがあるのも事実です。いつ電話をかけても留守番電話、などは気をつけたほうが良いかもしれないですね。

 

Q18. アニメに強いプロダクション、外画に強いプロダクションとか、プロダクションによる違いってありますか?

A あります。TVやビデオのスタッフロールの出演者や協力などを見れば、傾向は大体わかるのではないでしょうか。

 

Q19. プロダクションの人ってどうやって声優を売り込むのですか? また、きちんと活動している事務所を見分けるにはどうしたらよいですか?

A プロダクションの仕事は、制作会社に売り込みをして、声優のスケジュール管理、取材への対応、税金処理などを行います。売り込みは、プロダクションによって異なりますが、ボイスサンプルと経歴を制作会社に渡して、キャスティングのときの参考にしてもらいます。きちんと活動しているところは日常的にセールス活動をしている、マネジメントスタッフがいるかどうかでわかると思います。しっかりマネジメントをしてくれるところでないと声優が育たないという実情もあるようです。

 

Q20. 声優志望ですが、「劇団は舞台の演技をするところだからいけない」と先輩に言われました。本当ですか?

A 劇団で演技の練習をすることは悪くはないのではないでしょうか。そこで基礎から学んでおけば、あらゆることに対応できる力が身につくと思います。一方で、舞台演技は大きいからいけない、という声も聞こえますが、それは大きな演技をしたその人自身がいけなかったのかもしれません。プロとは、アテレコ、舞台、映像など何でも対応できる力を持っている人のことを指すのだと思います。