声優学校や声優業界、声優の仕事についての情報を集めました!
アニメの声
声優というと、まずイメージするのがアニメのキャラクターの声。実力や個性によっては、男性にも女性にも、自身とは年齢のかけ離れた赤ちゃんから、おじいさんやおばあさんまで、また動物や機械など人間以外のキャラクターにだって、自由自在になれるのが醍醐味です。 本来は、出来上がった映像に後から声を入れていたため、アフレコ(=アフターレコーディング)と呼ばれています。現在では、製作工程上、アフレコまでにカラーの映像が完成しているケースはとても珍しく、ほとんどの場合は線画やラフスケッチだったり、真っ白な画面に、台詞をしゃべる秒数だけ青や赤の線が出るだけだったりしますが、それでも、アフレコと呼んでいます。 アフレコの収録時間は、30分もののアニメの場合、約3~4時間ほど。ギャランティは、新人の場合、30分で1万5000円~と規定されています。 そして気になるキャスティングはというと、ほとんどの場合、オーディションで決まります。番組が始まる数ヶ月前に、声優の所属する事務所、あるいはフリーの場合は本人に、製作会社などからオーディションを受けてほしいという連絡があり、決められた日時に行われます。 オーディションを受ける人数は、ひとつの役について、2~3人の場合もあれば40~50人の場合も、また数千人の場合など様々。審査では、演技、表現力が身についていることはもちろんですが、何よりキャラクターのイメージに合うことが重要視されます。 そのため、どんなにキャリアと実力のある人でも、落ちることがあるのです。声優として選者の記憶に残れば、別のアニメ作品のキャラクターのオーディションに呼ばれるなど、大きなチャンスとなります。
外国映画の吹き替え
外画の吹き替えも、声優の主な仕事。海外の俳優の演技に声を「あてる」ことから、アテレコと呼ばれています。アメリカ映画やドラマ、フランスやイタリアなどのヨーロッパもののほか、最近では韓国映画やドラマの仕事が増えていますが、それぞれの国の言語によって発音や口の形などが微妙に違っているため、高度な技術が要求されます。 収録時間は、2時間ものの映画で7~8時間。キャスティングは、オーディションで決まるほか、製作会社や音響監督に直接指名されることも少なくありません。
ラジオのパーソナリティ
声優自身の魅力や個性がリスナーに伝わりやすい仕事が、ラジオのパーソナリティ。演じたキャラクターではなく自身のトークで進行するため、親しみを持ってもらえたり、意外な一面が伝わったりします。 緻密な台本があるわけではなく、内容は声優に任される部分が多いため、一般常識を身につける勉強や、話術などのスキルも必要です。また、話すことによってその人自身の人間性が浮き彫りにされるため、前向きに努力を続けて暮らし、自分自身を磨いているかどうかが、現れる場でもあります。 声優スクールによっては、在学中に、関係者のレギュラー番組にアシスタントとして出演する機会を与えられる場合もあり、デビューがラジオ番組という声優も少なくありません。
歌手活動
アニメに出演すれば、キャラクターソングを歌ったり、CDをリリースする機会もあります。 アイドル声優としてマルチに活躍する……そんなイメージが定着してきた背景には、ライヴを行ったりアルバムを出したりと、アーティストとしての活動に力を入れる声優が増えてきたこともあげられます。 最近では、演技の勉強と並行して、歌のレッスンに力を入れる声優スクールも増えてきています。
ゲームのキャラクター
ここ数年で最も増えてきているのが、ゲームのキャラクターに声を吹きこむ仕事です。ゲームが発端でアニメや映画、舞台など様々なメディアに広がったり、また声優としても人気が出てブレイクするなど、様々な可能性と発展性をもつ分野です。 アニメや外国映画と違うのは、ほとんどの場合、何人かで演技のかけ合いをするのではなく、一人でブースに入って録る(オンリー録り)こと。また、画面から流れる映像に合わせるのではなく、マイクの前で、台本に沿って録っていくこと。 電話帳のように分厚い台本の台詞を、ほとんど一日で収録するため、収録はかなりハードなものとなります。終わる頃には「口が動かなくなる」「口にも筋肉痛があることを初めて知った」という声優も。
ナレーション
テレビのドキュメンタリー番組や報道、バラエティ番組をはじめ、ラジオ番組、CM、企業のPRや教育VTR、教材用VTR、店内放送、交通機関やテーマパークのアナウンス、留守番電話の録音音声など、様々な需要があるのがナレーターの仕事です。 街で流れる声のほとんどが声優の仕事であることは、意外に知られていませんよね。一般に、アニメや外画よりもギャランティが高額のため、ナレーターとしての教育を同時に行うスクールもあるほどです。 一言にナレーションといっても、番組の性格や商品、用途や目的によって表現は様々です。また、要望によって表現を臨機応変に変えたり、といった実力も要求されるため、演技力を身につけることが必要です。
舞台公演
声優としてキャラクターを演じたアニメやゲームが、ミュージカルなど舞台作品に発展することもあります。そういった舞台への出演はもちろん、声優の中には、役者としての活動にウエイトを置いている人もいます。 声優としてキャラクターを演じるためには、演技の勉強が不可欠。まず身体全体で表現することで、声の演技にも幅や深みが増していきます。すべてを声だけで表現しなくてはならない声優は、身体全体を使った演技よりも、より表現力を磨いた高度な技術を必要とされる仕事でもあるのです。声優スクールでも、ほとんどの場合、演技はカリキュラムの中心に置かれ、実力をつけるための訓練をみっちりと行います。 演技の勉強をしっかりとしてきた声優だからこそ、演劇やミュージカルなどの役者活動を行うことも可能なのです。
その他の仕事
他にも、声優の仕事は多岐に渡っています。アニメフェアやゲームショーの特設ステージなど、イベントへの出演。自らイベントの企画やプロデュースを行う声優もいます。 声だけでなく姿も出ていくことを「顔出し」と呼んでいますが、テレビ番組へのゲスト出演、バラエティ番組で司会をしたり、ドラマや映画で演技をしたり、また『声優グランプリ』などの雑誌取材を受けるのもそのひとつ。 写真集やエッセイ集、カレンダーを出版したりと、活躍の場は多岐に渡っています。