宮﨑雅也

宮﨑雅也「誰かの心を動かして、支えになれるような声優になるのが目標です」【声優図鑑 by声優グランプリ】

宮﨑雅也

キャラクターの裏に隠された声優たちの素顔に迫る、インタビュー企画『声優図鑑 by声優グランプリ』がスタート! 記念すべき初回配信に登場するのは『アイドルマスターSideM』の花園百々人役を務めるほか、『宮﨑雅也の(A)』など自身の冠番組も持つ宮﨑雅也さん。声優を志した転機、初めてのお仕事で経験した悔しさを経て、徹底的に準備を重ねて仕事に臨むようになったという宮﨑さん。ラジオやライブなど、様々なお仕事との向き合い方について真摯に語ってくれました。

宮﨑雅也
宮﨑雅也(みやざき・まさや) 
スターダストプロモーション所属

オフィシャルサイト:https://stardust-va.com/actor/masaya-miyazaki/
Twitter:https://twitter.com/masaya_miyazaki

「このままじゃだめだ、いま動かなきゃ」って思えたんです

――少年時代の宮﨑さんはどんな子だったのでしょうか?

小学3年生から10年間テニスをしていました。中学校の部活では校内ランキングというものがあって、上位の人だけがコートに入れるといういわゆる体育会系な部活だったんです。

――徹底的な実力主義だったんですね。その環境下で、宮﨑さんも上位に食い込んでいったのですか?

はい。一年生の時からコートに入って、「絶対にコートの外には出るもんか」と。僕の代には運動が得意な人たちが集まっていて、一年生の頃からずっと一緒にコートに入っていましたね。

――一緒に競い合う人たちと共に、テニスに打ち込んだ学校生活だったんですね。そんなアクティブな宮﨑さんが、アニメや声優に興味を持つまでにはどういった経緯が?

高校の体育科にテニスで入学したんですけど、そこで挫折して、家に引きこもるようになった時期があるんです。そんなタイミングでアニメを見始めました。

宮﨑雅也

――特に影響を受けた作品があるんでしょうか?

それが『Re:ゼロから始める異世界生活』でした。小林裕介さんが演じるスバルの「あれだけ時間があって、あれだけ自由があって、なんだってできたはずなのに、なんにもやってこなかった」っていうセリフがめちゃくちゃ刺さって、「このままじゃだめだ、いま動かなきゃ」って思えたんです。そこで声優さんを意識するようになりましたね。

――それが声優を目指すきっかけにもなったんですね。

そうですね。それを見た瞬間に母に相談して、色々調べたうえで父を説得しに行きました。そこから大阪のAMG(アミューズメントメディア総合学院)に2年間通うことになります。そこで標準語を勉強したり、お芝居のことなどをたくさん教えていただいてから、学内のオーディションを経て上京しました。

――生まれ育った土地を離れて、馴れない東京での生活に戸惑うことはありませんでしたか?

戸惑ったのは、距離感が近いことですね!大阪と比べて、東京はみんなスレスレで歩くから、めちゃくちゃ怖くて。「ぶつかるよ!?」って思います(笑)。

――物理的に人と人の距離が近いんですね(笑)。

あとはエスカレーターも。「あ、右の列は歩かなあかんねや」と(笑)。

――なるほど(笑)。環境が大きく変わったことには、抵抗はなかったんでしょうか?

ありがたいことに、専門学校から一緒に上京する人が100人以上いたので、安心感のある環境でしたね。上京した時期はちょうど外出できない情勢だったので、友達と電話で掛け合いの台本を一緒にやったり、そのとき流行っていた『Among Us』というゲームを10人くらいで一緒にやったり、家で過ごすことが多かったですね。未だにその友人たちとは交流があります。

――東京に来て、新たな出会いもあったかと思います。そこの中で印象に残っていることはありますか?

お仕事をするようになってからは「先輩ってこんなに優しいんだ」ということが印象的でした。こんなに優しくしていただいて大丈夫なのかなって。先輩との上下関係は、高校時代に僕が挫折したきっかけの一つで、正直トラウマになっていた部分でもあったので、めちゃくちゃ気を付けていたんです。その分、声優の先輩たちが優しく教えてくださったことが励みになりましたね。

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「これでいいや」と妥協しなくなりました

――では、最初のお仕事のことは覚えていますか?

初めてお仕事をしたのは専門学校時代で、それがめちゃくちゃ印象に残っています。岩田光央さんと鈴村健一さんの「スウィートイグニッション」というラジオ番組に、学生が出る企画があって、そこで5分間くらいお話をさせていただきました。ただ、ラジオにあまり触れてこなかったので、何を準備していけばいいのか全く分からなかったんです。とりあえず、ふんわりと話題を用意して臨んだんですが、ぜんっぜん喋れなくて……。終わったあと、お二人からすごく丁寧にダメ出しをいただきました。めちゃくちゃ悔しくて、泣きながら大阪に帰りましたね。そこでダメ出しをいただけていなかったら、きっと事務所に入ることもできなかっただろうなと思うくらい、大事な経験です。

――その経験を経て、どのような変化があったんでしょうか?

「これでいいや」と妥協しなくなりました。自分は準備がないと出来ない人間なんだ、ということがわかったので、その現場に合ったものを何パターンも準備しておくようになりましたね。身動きが取れなくなってしまうから固めすぎない方がいいと教えてもらったこともあるんですけど、僕の場合はそれじゃダメだな、と。がっちり固めたものを何パターンも用意するようになりました。

――そこで開き直ったりすることなく、意識を切り替えたんですね。

そうですね。人って変わろうとしてもなかなか変われないものだと思うんですけど、僕の根本の部分を変えていただいたお仕事だったなと思います。

――その経験が、のちのお仕事にも影響を与えているんですね。

お芝居はまだ未熟なので、悔しい思いをすることの方が多いんですけど、ラジオでお話するときには、トークの選択肢が何個もあれば相手の話を聞く余裕もできるし、その中で自分の話したいことを出せるようにもなりました。まだ自分の心の中で思ったことを言葉にすることはあまり上手ではないんですけど、エピソードトークはすっと出せるようになりましたね。

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――「宮﨑雅也の(A)」や「宮﨑雅也のゼロスタート!」といったご自身の冠番組にも、その時の経験が活きているんですね。

あとは、先輩たちの番組に呼んでいただいたときに学んだことも、自分の番組をやるうえで活きていると思います。僕は、これまで先輩の番組に出て「やりにくいな」と思ったことがないんです。これって、めちゃくちゃすごいことだと思うんですよ。先輩方がすごく気を回してやってくれているんだと感じます。「アイドルマスターSideM ラジオ 315プロNight! 」という番組で、伊瀬(結陸)くんや大塚(剛央)さんと一緒にパーソナリティを担当させていただいたときは、僕らがゲストさんにお話を振って回していかなきゃいけないのに、その立場になってみるとなんて難しいんだと改めて思いました。

――共演されてきたなかで、特に印象に残っている方は?

みんなだなぁ……。駒田航さんはすごい熱量で話してくださるので、体感時間がすごく短く感じました。汐谷文康さんは「うんうん」って優しく話を聞いてくださるし、こちらが詰まったらすぐにフォローしてくれるんです。浦尾岳大さんはとにかくテンション高くて、一瞬でその場の温度を上げてしまうので、僕も終わったあとはいい意味での疲労感が半端じゃないです(笑)。色んな先輩方に勉強させてもらっていますね。

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誰かの心を動かして、支えになれるような声優に

――お芝居やラジオ以外にも、『アイドルマスターSideM』ではライブ活動もされていますね。

初めてのライブの時は、やっぱりたくさん準備をして、分からないことはスタッフさんにガンガン聞きに行っていました。スタッフさんも親身になって相談に乗ってくれたので、同じユニットの伊瀬くんや大塚さんと一緒にライブに向けて頑張っていきましたね。ほぼ初めてのライブで、その上すごく大きな会場だったので、めちゃくちゃ緊張しました。あれは大きな経験でしたね……。

――実際のパフォーマンスはいかがでしたか?

僕、振り覚えが悪くて、ダンスもあまり得意じゃないんですよ。自信がないので猫背になって、段々動きがふにゃふにゃになっていって……。特に専門学生時代は、ダンスの評価が2年連続で一番下だったくらいなんです。このままじゃいけないと思って、事務所に入ったあとのダンスレッスンでは、週1回のレッスンに向けて家で動画を見ながら、振りを体に入れていきましたね。レッスンでは、かっこよく魅せる方法を教えてもらって、なんとか乗り越えることができました。

――そこでも自分にできる準備を徹底したことで、活路が見出せたんですね。

はい。その経験があったので、ライブに向けたダンスレッスンでも振りだけは体に叩き込んでいきました。ダンスの魅せ方やカメラワーク、イヤモニの聴こえ方……そういったことは実際にステージに立ってみないとわからないんですよね。僕は、一度で全部慣れるのは無理だなと思ったので、ダンスと歌を頭が真っ白の状態でも出来るようにして挑みました。

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――最初は苦手だったダンスや不慣れな環境も、徹底的に準備することで乗り越えていったんですね。

そうですね。どれだけ準備しても不安はあるんですけど、ちゃんと課題を見つけることができるようにしていったことで、納得のいく反省が出来て、大きく前に進めたのかなと思います。今も初めてのお仕事ばかりなので、これからもそういう風に準備をして、お仕事に向かっていくと思いますね。

――これまでのことについて色々と伺ってきましたが、今後はどのようなお仕事をしていきたいですか?

アニメの経験がまだあまりないので、しっかりオーディションを進んでいって、アニメのお仕事をいただけるようになりたいですね。ガヤとかモブで参加させていただくことはあるんですけど、正直なところ、まだ不安ですね……。余裕がないので、やっぱり、どこまでも準備していくと思います。

――では、これから目指していきたい声優像はありますか?

『Re:ゼロから始める異世界生活』での小林裕介さんのお芝居で、心が動かされて、支えになって……言ってしまえば、僕の人生がそこで変わったんですよね。そういうすごさとかっこよさを目の当たりにしているので、今度は僕自身が誰かの心を動かして、支えになれるような声優になるのが目標ですね。

【声優図鑑】宮﨑雅也さんのコメント動画

次回の「声優図鑑」をお楽しみに!

撮影=石田潤、取材・文=北野史浩、制作・キャスティング協力=吉村尚紀「オブジェクト」