マスターオブスキル For the GLORY

【インタビュー】映画「マスターオブスキル For the GLORY」葉修(イエ・シュウ)役・中村悠一さん インタビュー

マスターオブスキル For the GLORY

オンラインプロゲーマーをテーマにしたメディアミックス作品『マスターオブスキル』。中国で絶大な人気を誇る本シリーズは、世界的な人気を誇るオンラインゲーム「GLORY(栄耀)」で天才プレイヤーとして名を馳せている葉修(イエ・シュウ)を中心に、仲間たちとの絆を描いた作品で、2022年には劇場版アニメ『マスターオブスキル 栄耀のために』(字幕版)が日本で公開された。
そんな『マスターオブスキル 栄耀のために』が、豪華声優陣による日本語吹き替え版作品『マスターオブスキル For the GLORY』として制作、2023年7月8日(土)より全国公開される。

今回は『マスターオブスキル For the GLORY』で主人公の葉修を演じた中村悠一さんに、作品・キャラクターへの向き合い方、収録のお話などうかがいました。

葉修(イエ・シュウ)役・中村悠一さん インタビュー

中村悠一

――本作品の第一印象をお聞かせください。
中国で制作された作品ということで、考え方や制作方針に中国ならではの特色があるのを感じました。

――アフレコについてはどのように行なわれたのでしょうか?
すでに完成している作品に声をあてるということで、(実写映画の)吹き替えの仕事と同じような感覚で収録に臨みました。実写作品ですと役者の表情を読み取りながら演技をしますが、その作業があるかないかという違いはあります。

――ほかのキャストとの掛け合いはできましたか?
一緒に録れたのは、郭明宇(グオ・ミンユー)役の福山潤さんと、蘇沐秋(スー・ムーチウ)役の内田雄馬君です。詳細は物語のネタバレにつながるので言えませんが、ふたりとは重要なシーンが多かったので、実際に掛け合いでの収録ができてよかったです。

――中村さんが演じられた葉修についてご紹介ください。
本作で葉修のことがすべて語られているか……というとそうではなく、「観ている人に彼がどういう人物なのかを感じ取ってほしい」という意図をもって作られていると感じました。ですので「こういう人物である」と断定はできないのですが、

彼はこれまでの人生経験を経て成長した結果、チームのリーダーになっているんだろうな、というのはうかがい知れます。ただ、彼のなかではいまだに葛藤や悩みがたくさんあるんです。そのなかでeスポーツにどのような気持ちで向き合っていくのか? 作中でその変化を感じることができました。その変化が葉修というキャラクターの面白さがわかる部分かと思います。

――葉修はリーダーを務めているということで、チームのなかで難しいポジションにいると推測されます。
彼が苦労している様子は作中ではあまり描かれていないのですが、個性的なチームメンバーの中で、彼らにできない“リーダー”というポジションをすることが、葉修にとって一番の選択だったのかもしれませんね。

――中村さんご自身も「ゲーム好き」としても知られていますが、演技に落とし込んだところはありますか?
正直、ないです(笑)。確かにゲームはよくプレイしますが、eスポーツのような競技性の強いジャンルで扱われるゲームが特段得意だというわけではないので、選手たちが「このケースではこのように行動する」みたいなところまではわからないんです。

本作のテーマのひとつである「仲間とのチームワーク」にも関わってくる話をさせていただくと、ゲーム上のキャラクターは人間が操作するということで、当然、不測の事態が起こるわけです。僕はこのような不測の事態が起こるようなゲームをあまりやってきていないので、彼らの心理を想像しながら演じました。

――本作の舞台は中国ですが、その点において印象的なシーンはありましたか?
これはたくさんありました。ハリウッド映画の吹き替えをしていても、向こうでは当たり前であるもの、その国の独自の文化というものが本作でも登場していて。例えば、作中「(差し入れとして)バゲットにチキンを抱えて持ってくる」という1シーンがあるんです。日本ではあまりこういう風習がないので、面白く感じましたし印象的でした。
収録中、福山さんとも「俺たちだけではわからない表現がいっぱいあるね」と話をしていたのですが、セリフひとつとっても、それをどういう意図で言っているのかが僕らの感覚と違うかもしれないんですよね。 「ここで、こういう言葉を投げかける……?」としっくりこないような場面も、その文化圏では普通のことだったりするかもしれませんし、面白くもあり、難しいなとも思います。

――見どころのひとつである、「GLORY(栄耀)」の「バトルシーン」についてご紹介ください。

シーンを描くうえで国ごとの特色があるのを感じました。一番違うと感じたのは「音の付け方」です。音やSEの素材が生っぽく、リアルな印象がありまして。日本の作品だとオーバーな音をつけることが多いので、そこの感覚の違いが面白かったです。
また、絵の動かし方に関しても、日本だとコストを抑えながら効果的に見せる演出があると思うのですが、中国ではじっくりと描いたり。そのあたりは面白いと感じました。

――気になる登場人物は?

郭明宇です。敵対チームに所属しているのですが、「葉修と顔見知りなのかな?」と思えるようなシーンが出てくるんですね。ただ、福山さんの演技を含め、二人の関係性を読み取れるようには作られているので、気になった方はぜひほかのエピソードをご覧いただきたいです。

――作品タイトルにかけて、ご自身で「マスター・オブ・○○」を冠するとしたら?

これは難しい質問ですね……。仕事に対して一本筋が通っているような取り組み方ができるならいいんですが、作品によって準備の仕方も違うので……。強いて言えば「マスター・オブ・臨機応変」でしょうか(笑)?

――最後に、メッセージをお願いします。

みなさんに楽しんでもらえるよう、ニュアンスを追加したり、制作の意図を汲み取ったりしながら演じました。ぜひ映画館で観ていただければ幸いです。

作品概要

『マスターオブスキル For the GLORY』

7 月 8 日(土)より グランドシネマサンシャイン池袋ほか全国公開

マスターオブスキル For the GLORY

【キャスト】
中村悠一 内田雄馬 能登麻美子 杉田智和 福山潤 甲斐田晴(にじさんじ)シェリン・バーガンディ(にじさんじ)
【監督】
史涓生 / 鄧 志巍
【制作スタジオ】
彩色鉛筆
【提供】
面白映画 / OCE
【配給】
エレファントハウス / 面白映画
【公式HP】
http://chuka-eiga.com/for_the_glory_jp/

【公式Twitter】
https://twitter.com/forthegloryjp

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