「椎名へきる LIVE 2023～STARTING LEGEND“0”～」が8月11日に東京・竹芝のNEWPIER HALLにて開催された。タイトルからも読み取れるように、ここから始まる新たな伝説の第一歩となるべくスタートした今回のライブ。約２時間半をフルスロットルで駆け抜け、ライブの醍醐味を感じさせてくれた。
椎名へきるさんのライブといえば、今年３月に行われた「椎名へきる Birthday Eve アコースティックLIVE 2023」にてライブ中のファンによる声出しを解禁したのは記憶に新しいところ。あれから５か月、会場の規模も大きくなり、バンドもフルメンバーがそろって、いよいよ椎名さんの熱い夏が幕を開ける。客席のボルテージは開演前から最高潮で、ライブ開始を告げる音楽と共に姿を見せる椎名さんを大きな声援と拍手で出迎えた。
「みんな、会いたかったよー!!」と思いきり叫んで、１曲目は「Graduater」からスタート。いきなりエンジン全開の歌声に、ファンも全力で拳を突き上げて応える。そのまま続けて「ガンバレ」「MOON LIGHT」と、今も色あせない名曲たちが披露されていき、「目を覚ませ、男なら」で最初のブロックを締めくくった。
一息ついたところでステージ上のバンドメンバーを見渡し、「久しぶりにこのメンバーが揃いました！」と笑顔を見せる椎名さん。「25周年のとき（2019年）にこのメンバーでみんなと最高の時間を過ごしたと思うんですけど、こうしてまた一緒にライブができるということが私もすごく楽しみでしたし、このメンバーがいて、さらにみんなのパワーがあって、今日は最高の夏を過ごしたいと思っているので、皆さん倒れないように（笑）。倒れない程度に悔いを残さない感じでお願いします！」とライブへ向けての意気込みを語る。また、今回は事前にSNSを通じてライブで聴きたい曲のリクエストを募集したところ、見事に票が割れてしまい、その中で特に聴きたいという声が多かったものをできるだけセットリストに取り上げたとのこと。残念ながら今回は自分のリクエストした曲が採用されなかったという人には「今日は今日のセットリストを楽しんでいただければ」と呼びかけた。
ここまでは90年代にリリースされた楽曲たちを歌ってきたが、５曲目に披露したのは2022年にデジタルリリースされた最新曲「青空Highway」。懐かしい曲や思い出のいっぱい詰まった曲を振り返るだけでなく、こうして新しい曲を聴けるのもうれしいところだ。８曲目の「ROLLING STONE」ではスタンドマイクを使っての力強いパフォーマンスでファンを魅了する。この「ROLLING STONE」をライブで披露するのは15年ぶりほどになるらしく、「あまりにも歌っていなさすぎて忘れそうになっていたんですけど、『ROLLING STONE』を聴きたいというお声が結構ありまして……。今の私にそれを振ってくるなんて、なんて無謀なんだって思ったんですけれども、20代の頃の思いとかもいっぱい入っている曲だったので、いろんなことを思い出しながら歌っていました」と振り返っていた。
衣装チェンジをはさんでの後半では「live to love ―もう少し早く逢えたなら―」「BESIDE YOU」と、これまた久々となる曲たちを聴かせてくれる。また、「今回はできるだけ皆さんが聴きたいと思う曲を歌いたいなと思っていたので、次の曲も懐かしい曲をお送りします」と、「私の未来」をしっとりと歌い上げた。そこから「花火」「大切なページ」と続いて、ライブはそろそろラストスパートへ。
「今回『STARTING LEGEND“0”』ということで、『ゼロから始めよう』『みんなと一緒に駆け抜けていきましょう』という意味合いが込められています。なので、ここがまた新たな分岐点というか、『大人の青春しようね！』という感じになっていくのですが、でも、最初が肝心なので、気持ちを込めてこの曲を歌っていただきたいなと思います」
そう言って歌ったのは「旅立ちの唄」。「歌詞を知らない方は雰囲気で大丈夫です」と笑いを交えながら、みんなと一緒に歌って、会場全体で心を一つにする。2005年にリリースされた楽曲ではあるが、「これからが本当の始まりだから」という歌詞はまさに今の時代の、これからへ向けての再出発に臨む気持ちを歌っているようだった、そこからラストの「MOTTOスイーツ」まで５曲連続ノンストップで、ライブ本編はゴールとなる。
アンコールで登場した椎名さんは「今日はいろいろなことを思い出しているんですけど、どれもみんなと一緒に作ってきた一日一日だったなというのを今すごく実感して、今日とてもうれしいです！」と、「Jumping Slash」「WONDER☆RIDER」「電撃ジャップ」の３曲を続けて披露。「最高の夏をみんなと迎えられて幸せでした！」と叫んで、これで完全燃焼……かと思いきや、客席からの「もう１回!!」コールはいつまでも鳴りやまない。そこでWアンコールとして「Graduater」をもう一度歌って、今度こそ本当にライブはフィニッシュ。
「こういう素敵な時間が作れたことを胸に、次にまた頑張っていきたいと思いますので、皆さんもぜひ一緒に青春してください！」
最高の夏はこうして幕を下ろし、また新たな青春の１ページが始まった。
SET LIST
M1.Graduater
M2.ガンバレ
M3.MOON LIGHT
M4.目を覚ませ、男なら
M5.青空Highway
M6.246
M7.-赤い華- You're gonna change
M8.ROLLING STONE
M9.この世で1番大切なもの
M10.PROUD OF YOU
M11.live to love ―もう少し早く逢えたなら―
M12.BESIDE YOU
M13.私の未来
M14.花火
M15.大切なページ
M16.旅立ちの唄
M17.抱きしめて
M18.スタンバイ！
M19.風が吹く丘
M20.MOTTOスイーツ
【EN】
M21.Jumping Slash
M22.WONDER☆RIDER
M23.電撃ジャップ
【WEN】
M24.Graduater
Information
「椎名へきる LIVE 2023～STARTING LEGEND“0”～」グッズのオンライン販売が決定。
受注は9月3日(日)23:59まで、受注販売サイトはキンクリ堂にて。また、Digital Single「青空Highway」が好評配信中。そのほか最新情報は椎名へきる公式サイト&公式ファンクラ
ブ「4179*LOVE」にて。
Profile
しいなへきる●3月12日生まれ。ボイスキット所属。主な出演作はアニメ『AYAKA -あやか-』（ミタマ）、『幻日のヨハネ -SUNSHINE in the MIRROR-』（ヨハネの母）、『SHAMAN KING』（ラザホー）ほか。
撮影／江藤はんな 取材・文／仲上佳克
