【インタビュー】朗読劇『はなしぐれ』が1月25日から上演！脚本担当／島崎美波役吉岡茉祐さんインタビュー

声優・吉岡茉祐さんが脚本を手がける注目の朗読劇『はなしぐれ』が2024年1月25日（木）～28日（日）、東京・CBGKシブゲキ!!にて上演される。

数多くの朗読劇や舞台の演出を担当してきた田邊俊喜氏と、声優としてはもちろん脚本家としても活躍する吉岡さんによる「大人になりきれない若者たちの小さな恋の物語」が描かれる本作。今回は島崎美波役、そして脚本を担当する吉岡さんに本作の見どころをお聞きした。

朗読劇『はなしぐれ』
脚本・島崎美波役：吉岡茉祐さんインタビュー

――朗読劇『はなしぐれ』の企画はどのようにして始まったのでしょうか？

実は、物語の脚本自体は2020年には完成していたんです。でも、コロナ禍もあり上演できなくて……。「いつかリベンジをしたい」と機会をうかがっていたのですが、昨年５月に『あの星に願いを』という朗読劇を上演した際、演出を担当してくれた田邊くんやスタッフさんから「次はぜひ『はなしぐれ』をやりましょう」と言っていただいて、上演する運びとなりました。

――当時の内容から変更した部分などはありましたか？

実は、たくさんあります。最初の舞台設定が2017年だったので、どうしても古さが際立ってしまうんですよね……。2024年の上映にあわせて、半分以上は書き直したと思います。

――本作のコンセプトはどのように決められたのですか？

『あの星に願いを』は高校生たちが主役の物語だったので、今回は大学生をメインにしたお話にしようと。ちょうど高校から大学に進学するのと同じように、私の脚本も「進学（成長）」している、というのをお見せしたいと思ったんです。

――物語の内容や展開については、吉岡さんが考えられたのでしょうか？

田邊くんとはこれまでに何作かご一緒したことがあるのですが、毎回「まずはひとりで書いてみたら？」と私に任せてくれるんです。ですので、今回もひとりで最後まで書き上げて彼に見せたら「よく書けているね」と言ってもらえました。「なんか違うな」と言われなくてよかったです（笑）。

――ちなみにキャスティングに関しては？

最初に私から「この人物はこういうタイプの性格で」というのを田邊くんやスタッフさんにお伝えし、人選はお任せしました。キャストさん、スタッフさん含め、「田邊座組」のようなものが出来上がってきたのはうれしいです。

――物語の構成について、大変だったことは？

実は登場人物同士のやり取りに関しては、意外と苦労しなかったです。主要人物たちがどのように動くのかを決めたあとは、少しパズルをするだけで面白いストーリーになったな、と感じています。「こういう人、いるよね」と思えるような人物も出てくると思いますので、共感していただければと思います。
一番苦労したのは「エンディング」です。私が脚本の作品を観に来てくださっている方にはおなじみかもしれませんが、とにかくバッドエンドが多いんです（苦笑）。でも、今回はいままでの自分にはなかった「引き出し」を開けるような感覚で書かせていただきました。

――会場で発売される「上演記念グッズ」も注目ポイントが多いそうですね。

『あの星に願いを』では、用意した台本が完売するほどみなさんに興味を持っていただいて。今回は多めにご用意しましたので、観劇の思い出にお持ち帰りいただきたいです。
また、キャストのアクリルスタンドは、私がポージングをプロデュースさせていただいたので（笑）、こちらもぜひお手に取ってください！

――最後に、メッセージをお願いします。

本作は2011年に発生した「東日本大震災」について脚本に盛り込んでいます。
私は関西出身なのですが、1995年に発生した「阪神・淡路大震災」が起こったときはまだ生まれておらず、また、声優デビューしてから被災地に行く機会はあったものの、直接被災したわけではなくて。
最初は「震災を体験していない私が表現していいものなのか」という葛藤があったのですが、これまで触れてきた震災をテーマにしたお芝居を通して「メッセージを伝えることの大事さ」を学び、今回アウトプットする決断をしました。私にとって大きなチャレンジになった作品です。

田邊くんが「吉岡さんからの挑戦状を受け取ったよ」と言ってくれたのですが、それくらいチャレンジ精神の強い脚本になりました。実際に舞台上で表現するにはどうすればいいか？　スタッフさんを含めて考えぬいた結果、テーマパークのアトラクションに乗るような作品に仕上がったと思います。
私ごとですが、24年は今後も脚本を手掛けた作品を発表していく予定ですので、情報をお待ちいただけるとうれしいです！