曲ごとにアプローチを考えてレコーディングしました
――では、リード曲以降の新曲についてもうかがっていきたいです。「CuteBit」は、ボカロっぽいメロディがかわいいラブソングですね。
キューピッド視点の恋愛物語です。恋する2人を見て、自分自身も恋愛に憧れるようになるという、明るくてノリノリな曲調ですね。
――歌声もかわいらしい印象でした。レコーディングで意識したことを教えてください。
かわいい感じですけど、キャピキャピにはならないように気をつけました。少し年齢を上げて、落ち着いた大人な感じ。だけど、落ち着きすぎずテンション高く歌うようにしましたね。そういう歌い方にしたのも、今までとは違うという“変化”を見せたかったから。できるだけ自分で考えて、これまでにないアプローチにしたいなと思っていました。ちなみに、男の子・女の子をあんまり強調していないのもこのアルバムのポイントです。そうしたほうが、男性も女性も自分の視点に置き換えて聴きやすいと思うので。次の「Warp to You」もそういう曲。推し活に夢中になっている主人公の思いは、男性でも女性でも共感しやすい内容になっています。
――なるほど。それに、この曲からも開放的な心境が感じ取れます。どこにでもワープできるぞ!と。
そうですね! そういうところはあるかも。
――また、サビには音程が一気に高くなる部分がありますよね。難しそうですが、歌ってみていかがでしたか?
いやぁ……? 難しいというより、ここはこの曲のポイントだと思っていました。一瞬で移動しちゃうワープを音で表現すると、こうなるのかな?みたいな。
――そういうことなんですね。面白い発想。聴くのがますます楽しくなります。では、「カナエルカナタ」はいかがですか?
コールがいっぱいの曲ですね。なんでこの曲を入れたかったかというと、声出しOKのライブを楽しみたかったからなんです。今までの私のライブは、声出しできないことが多かったし、ミニアルバム『koii』は、5曲中3曲が落ち着いた感じの曲で、声出しできる曲がそんなになかったんですよ。
――だから、このタイミングで思い切りコールできる曲を作ろうと。
はい。レコーディングではコールも私が録りましたけど、ライブではここでみんなの声を聞きたいなと思っています。……覚えることが多くて大変ですけどね(笑)。私も、レコーディングする直前は、コールの複雑さとか早口な部分とかを思い出して、少しだけ「なんでこの曲を選んじゃったんだろう!」「ノリで選びすぎた!」って思ったんですけど(笑)、歌ってみると本当に楽しくて。「ライブでやったら、絶対大盛りあがりするな!」とあらためて思いました。Liyuuとしては、あんまりイメージになかった曲だと思うので、挑戦できたのもうれしかったです。
――では、「ワンダーランド」についても。
これは、宇宙をイメージした曲ですね。レコーディングも宇宙で歌っているような感じを意識しました。あと、クラブのDJさんがやりそうな、リズムに乗りやすい曲でもあるじゃないですか。間奏も長めだし。こういう曲はもともと好きで、自分でもやってみたいなと思っていたんです。なので実現したうれしさもありながら……リズムに合わせて元気に歌おうと思っていましたね。