若本規夫_若本塾

【2024年5月新規生徒募集】 声に自信がある人求む! 声優界のレジェンド・若本規夫が教える「若本塾」が生徒募集中

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  • 声優としての根源を作る

若本塾は、半年間、月に1回、3時間講座ですよね。こういった短期集中型というのはどういう意味があるのでしょうか?

声優の鍛錬は、何年もかけて声優学校に毎日通って習得しなければいけないものではない。誰かに手取り足取り教えてもらうんじゃなくて、自分で探究鍛錬するもの。だから、教えることは「声を鍛える」ことだけ。その人自身がトーンを決めるのであって、先生がトーンを決める必要はない。

 

Q そのトーンを決めることも声優の仕事ということですね。

声優は何をしなければいけないかっていうと、声オンリーであらゆる要求を満たせるようになればいいだけ。どんどん鍛え上げて、その声の力で、どんなシチュエーションでも自然に表現として成り立ってくれば、どんなバリエーションでもその人が好きなようにしゃべれるわけだよ。

 

Q 「こうやったらいい」という、例や正解を先に教えると、言われたことばかりに意識がいって、自分で考えられなくなる。根幹を教えてもらえるから、自分なりの表現もできるし、それが個性につながるということですね。

そう、それがオリジナルということ。教えるとき「それ、違うんじゃない」「こうやってやるんだよ」というように見本をやってしまうと、生徒はそれに寄ってしまう。それが、いちばん良くない。そのセリフはその人のものじゃなくて、その先生のものになってしまうんだ。

 

Q 表現は個人に任せるけど、表現のもっと前の「源」を教えるということですか?

要するに、表現の源流をしっかりと作り上げる。それが何かっていうと、声優にとっては声しかないじゃない。だから、その声はそのシチュエーションに合っていれば、なんでもいいんだよね。僕がメソッドだけを教える。それをうちに持ち帰って、自分で毎日鍛錬する。それだけ……。

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  • 言葉を使わない究極のメソッド

Q プレオープン中のレッスンを見学させていただきました。若本さんは鍛錬の方なので厳しい雰囲気なのかと思ったのですが、実際はすごく優しいと感じました。どうしてそんなに優しいのですか?

それは歳をとったから(笑)。 オリジナルなものを引き出すためには、ガンガン言いすぎると、その人の本体が奥に引っ込んでしまう。それがいちばん良くない。

 

Q グループレッスンだけど、個別指導のように懇切丁寧だなと思いました。けれども、教えすぎず、きっかけを与えているという感じがします。

個を見たいから、生徒の人数を少人数に限らせてもらっている。現場でも、要求する側がリクエストを詳しく言わないのは、声優を型に押し込めちゃうことになるからなんだよね。だからまず、「やってください」と言われて、どれだけのモノを出していけるか、ここが最初のハードルなんだよね。

 

Q 授業では、人体模型のようなものを使って、体の構造や生態を学んでいましたね。

みんなの体の中にこういう骨格構造があってこうなっているんだよっていう話から始める。だけど、そうしたことは現場に行ったら考えない。鍛錬している時はそれを意識するけど、現場ではそれは忘れること。身体の中に声の回路ができてくれば、自然と出てくるようになるから。

 

Q レッスンの中には、歌もありましたよね。歌唱することで、どういう効果があるのでしょうか?

歌のいいところは情感を入れられるところ。歌詞を歌うんじゃなくて、自分の感情を「ウォウウォウ」というように母音で入れる。そうすると声だけに集中できる。情感が身体全体から出るようになってくるんだね。そういう鍛錬をしていると、マイクの前で物怖じしなくなるし、自由自在なパフォーマンスができるんだ。

 

Q 授業では、いっさいセリフ読みがないですよね。

言葉を使わないから、生徒さんからはびっくりされるね。歌唱レッスンでも歌詞を歌わないから、感情を交換しあっている感覚になると言われた。感情をこうやって人に伝えていくんだ、というのを体感できる。それが自然と仕事の場で出るんだよね。

 

Q 授業で、表声と裏声の練習もされていましたが、あれはどういう意味があるんですか?

表声というのは、声帯が完全に両方にピタッとくっついて出る声。裏声っていうのは、少し隙間があるんだよね。そこへ空気がスパッと通るから、表声と裏声を同時にやると呼吸と声の通りが良くなる。表声と裏声を鍛えることによって、声帯が覚えていくんだよ。表声だけだと通らないんだよね。

 

Q 体に染み込ませることで、自然と声が出るようになっていくんですね。

そう。声帯が覚えるんだよ。声帯に命令して声を出すんじゃなくて、声帯から勝手に出ていく感じかな……。声も楽だし、マイクにも乗るから声も続く。マイクに乗るから、自分も気持ちが良い。気持ちが良いから、さらに良い声も出るしいいセリフも出るわけだ。

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