声優業界の先輩に、声優として歩むうえでのアドバイスをもらう特別企画。今回は青二塾長を務める古川登志夫さんが登場。古川さんの教え子である、青二プロダクションジュニア所属の卒塾生4名との座談会をお届けします。
基本情報
青二プロダクション附属俳優養成所 青二塾
【所在地】
▼東京校
〒106-0031
東京都港区西麻布1-6-4 AONI BLDG.(青二ビル)
https://www.aonijuku-tokyo.jp
アクセス:地下鉄各線「六本木」駅
▼大阪校
〒559-0034
大阪府大阪市住之江区南港北2-1-10 ATCビル オズ棟北館4階402-2
https://www.aonijuku-osaka.jp/
アクセス:Osaka Metro 南港ポートタウン線(ニュートラム)「トレードセンター前」駅
インタビュー
古川登志夫×若手声優
古川登志夫 塾長
ふるかわとしお●7月16日生まれ。青二プロダクション所属。主な出演作は、アニメ『ドラゴンボール』シリーズ(ピッコロ)、『ONE PIECE』(ポートガス・D・エース)、『機動戦士ガンダム』シリーズ(カイ・シデン)ほか。
岩木春華
いわきはるか●12月30日生まれ、兵庫県出身。中学2年時にTV番組を観て、声優の仕事に興味を持つ。高校時代は3年間演劇部で活動。高校3年時に「青二プロダクション声優・ナレーター発掘オーディション」を受けて合格し、青二塾に入塾。大阪校42期卒。
能美時華
のうみときか●11月15日生まれ、大阪府出身。中学時代に声優が出演するラジオを聴いて、「私もやってみたい」と声優を志す。高校卒業後、保育系の短大を経て、「家から通いながら、本格的にお芝居を勉強したい」と青二塾に入塾。大阪校42期卒。
山本 慧
やまもとけい●4月27日生まれ、宮崎県出身。両親の影響で、吹き替えの外国映画を観ていたことをきっかけに、声優の仕事に興味を持つ。大学4年時の1年間、並行して青二塾に通い、大学と塾を同時に卒業している。東京校46期卒。
櫛田小百合
くしださゆり●10月1日生まれ、東京都出身。中学時代、アニメ『僕のヒーローアカデミア』を観て声優を志す。高校3年時に「青二プロダクション声優・ナレーター発掘オーディション」を受けて合格し、高校卒業と同時に青二塾に入塾。東京校46期卒。
| 私たちに心を開いてくださった塾長に感動しました! |
――皆さんが初めて古川塾長とお会いした時の印象はいかがでしたか?
櫛田 入塾式でお言葉を頂いた時、とてもお声が良くて圧倒されました。もう頭が真っ白になるぐらい(笑)。
山本 僕はアニメ『機動警察パトレイバー』が大好きだったから「篠原遊馬だ」と思って(笑)。憧れの人に会えたことがうれしくて、これから1年間、どんな苦労があってもやっていけると思いました。
岩木 私は『ONE PIECE』のエースが好きで、こんなすごい人に1年間教えていただけるんだと思えた衝撃が大きかったです。いざ授業が始まったら、プロの心構えなどを教えていただけて、そこで「自分はファンじゃなく、教えを請う立場なんだ」とあらためて実感しました。
能美 塾長は「そんなことまで教えてくれるの?」と思ったほど、芯の部分をすごく見せてくれる方でした。大阪校での授業は月1回でしたが、「月1回会うだけの私たちに、ここまで心を開いてくださるなんて」と感動しました。
古川 自分が持っているものを1年間で全部お渡しする覚悟でやっていましたからね。みんなは僕と同じ理論をほぼ習得しています。
――1年間塾長から教わって、特に印象に残ったことは?
岩木 塾長の授業を受けて、それまで知らなかった自分のお芝居の癖を知ることができましたし、たくさんディレクションをしていただいたおかげで「今言われたことはこう直すべきだ」と冷静に対応できるスキルが身に付きました。それは自分の中でいちばん成長できたところです。
櫛田 もちろん演技のこともたくさん教えていただきましたが、私は「感謝の気持ちを忘れてはいけない」と教わってから常に感謝しようと心掛けるようになりました。こちらが感謝を伝えようとすると、周りの人の細かな気遣いがよく見えるようになるんですね。私のためにこんなに動いてくださる方がいるんだと知ることができたのは、塾長のおかげです。
能美 私も「感謝を忘れない」という言葉は自分の中に生きていると思います。お芝居に関しては、塾長の言うとおりにやろうとしてもなかなかできなかったのですが、でも「それはそれでいい。一人ひとりの表現力が正解なんだ」と言っていただけたことが印象に残っています。
山本 青二塾はお芝居を学ぶ所だと思って入りましたが、最初の授業で「そうじゃなく、まず人格を磨きなさい」と言っていただきました。そう思って日々を過ごしだすと、お芝居の大切な〝核〟のようなものが見えるようになって、自分の日常がガラッと変わったと思います。
――先生からご覧になって、皆さんの印象はいかがでしたか?
古川 4人ともかなり学習能力の高い子たちだと思います。櫛田さんはとにかく記憶力がいい。授業でダメ出しされたことをよく覚えていて、それを次回の授業でクリアして、どんどんスキルを積み重ねていきました。この学習能力の高さは、スター声優になるには不可欠の条件です。また彼女ははっちゃけた明るいキャラクターだったけど、卒塾公演ではあえて抑えた芝居をやってもらいました。あれ、最初は嫌だったでしょう?
櫛田 ちょっと苦しかったです。どうすればいいのかわからなくて……。
古川 でも抑えた芝居もちゃんとできていましたよ。山本さんは天才肌というか、非常によい芝居感を持っています。ある時、彼を呼びとめて「君は絶対プロになれるから、途中でリタイアするな」と告げました。もし途中でやめたら、あまりにも惜しい才能だと思ったので。自分ではまったく気づいてなかっただろうから、ビックリしたんじゃないかな?
山本 はい、ビックリしました。あの時塾長に直接お言葉を頂けたことが、すごく自信にもなりましたし、よりいっそう努力するきっかけにもなりました。
古川 能美さんはいつもテンションが高くて、やる気、パッションを持っているうえに、演技センスも兼備している。この両方を持っているから強いなと思いました。大阪のあるイベントで塾生にナレーションをやってもらうお仕事もありましたが、それもすんなりクリアしてくれましたね。岩木さんは、無垢で手垢がついていないところが魅力でしたが、最初は「1年間でどこまで伸びるだろう」と心配な部分もありました。ただ表現者として必要な〝存在感”があったので「磨けば光る。1年間で何とかすれば即戦力に追いつける」と思っていたら、結果、見事に追いつきましたね。4人とも頭の良い子たちなので、きっとプロ声優の世界でも生き残ってくれると思います。
| 周りの方々が支えてくださったおかげで成長できました |
――東京校、大阪校が互いに交流する機会もあったんですか?
山本 はい。合同合宿では、大勢の皆さんの前でお芝居を披露する中間審査がありましたが、その時大阪校の人たちと同じチームでお芝居できました。
能美 私も東京校の二人と一緒にお芝居をしましたが、見てくださったマネージャーさんから「良かったよ」との評価を頂けてうれしかったです。
櫛田 合宿では、運動会のような「スポーツレクリエーション」という企画もあって、そこでは大阪校の人たちに加え、マネージャーさんとも交流できました。
岩木 私は東京校の卒塾公演を観に行きましたが、生の舞台演技は迫力があってダンスや歌のレベルもすごく高かったです。また同じ作品でも演じる人によってキャラクターの解釈が違っていて、それを見るのも勉強になりました。
古川 今は大阪校の卒塾制作ラジオドラマを聴いたり、東京校の卒塾公演を観に行ったりしてるんですよね。以前はそんな交流はなかったのですが、やはり合同合宿の効果なのかもしれません。
――これから青二塾に入る人たちに、一言メッセージをお願いします。
櫛田 私はなるべく早くクラスメイトと仲良くなってお話しできるようになることを心掛けていました。先生にも事務局の方にも心を閉ざしたままだと何も始まらないので、もう心の扉を開けてウェルカムで。人との関わりをいっぱい持てば、メンタル的な不安も解消されるし、頑張ろうという気持ちも芽生えます。初めての人と関わることに積極的になってもらいたいと思います。
岩木 私は櫛田さんと真逆の人見知りで……。塾に入った頃は周りに壁を作っちゃっていました。でも「このままじゃダメだ。自分の殻を破らないと」と思って、そこから徐々にオープンになっていけました。でもそれは私一人の力ではなく、先生方や事務局の方々が支えてくださったお陰で成長できたんだと思います。そこが青二塾の素晴らしいところです。
能美 私は授業の時、「こういう表現って、どう思われるだろう」といろんなことを考えていました。でも「人にどう思われるか」ではなく、自分が正解だと思って「私はこう思う」と伝えられる力が大事だと思います。これから入塾する人も、自分を信じて頑張ってほしいです。
山本 僕は青二塾の環境や授業に〝慣れない〟ことがすごく重要だと思います。慣れてしまうと、たるんだり気を抜いたりもしますし、それよりも毎回新しい気持ちで授業に挑んでいくことが大切なのかなって。僕は卒塾公演までずっと緊張が取れませんでしたが、そのおかげでずっと集中を保てたので良かったと思います。
古川 これから青二塾に入る人たちは、何より途中でリタイアしないという堅固な意志を持ってきてもらいたいです。そして感謝を忘れない人であってほしい。そういう人たちを青二プロダクションも求めていますから。
東京校・大阪校合同 オンライン説明会
【日程】
・8月8日(土)
・9月19日(土)
・10月10日(土)
・11月14日(土)
【時間】
12:00~15:00
主な青二塾出身者
古川登志夫塾長からのメッセージ
青二プロダクションに所属する500人弱の声優のうち、6割5分ぐらいが青二塾卒です。タイトな履修期間ですが、青二塾にはその短い期間の中でプロを育てるノウハウがあります。独自の教本を使って行う授業は、たしかに厳しい。ただ、厳しいというのは恫喝するような厳しさではないんですね。「その人の持って生まれた個性を引き出して差し上げる」という思いで接しています。
青二塾は人間力というところに力点を置いています。それは何かというと、養成理念のスローガンにも掲げていますが「人格の陶冶」です。優れた声優である前に優れた俳優であれ。そして優れた俳優である前に良識ある一社会人であれ。さらに良識ある社会人である前に、品性ある一人間であれ、と人格の高みを目指します。これは僕ら自身もまだ追いかけているところで、共に学んでいきたいと思っています。年齢や演技経験は関係ない。「未来の青二プロダクションを背負って立つ」という覚悟を持つ人たちとの出会いを期待しています。
2024年度から大阪校の塾長も私が務めています。私自身40年以上お世話になってきた青二プロダクションに少しでもお返しできればという思いで、青二塾での人材育成に力を入れています。
今の声優は、マイク前で上手にセリフが言えるだけではなく、歌って踊ってトークができるというスキルが普通になってきています。そういうオールマイティーな人材を目指して精進できる人に来てほしいです。それと途中でリタイアしない人ですね。入塾した後、「自分はダメだ」と勝手に判断してやめてしまう人もいますが、それはもったいないことです。途中でリタイアしないよう、メンタルがちょっと強い人たちに来てほしいです。
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