鈴村健一さんと櫻井孝宏さんが『ボストン美術館展 芸術×力』の魅力を伝える音声ガイドを、オリジナル動画コンテンツとして配信決定! 収録後のお二人を直撃!

本来なら4月より予定されていた、『ボストン美術館展 芸術×力』。今年設立150周年を迎えるアメリカのボストン美術館から、エジプト、ヨーロッパ、インド、中国、日本などさまざまな地域で生み出された約60点の作品が東京都美術館に集まるということで注目を集めていましたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響のため、残念ながら中止となってしまいました。
しかし、通常会場でしか聴けない音声ガイドに、作品画像やアメリカ・ボストン美術館で撮影した映像を合わせたオリジナル動画がHuluにて6月3日(水)午前0時より配信決定!

ナビゲーターを務めるのは、人気声優の鈴村健一さん櫻井孝宏さん。出展作品の「オモテ」と「ウラ」を読み解く両A面的な新しい音声ガイドということで、収録後のお二人に見どころ、聴きどころをうかがいました。(※取材は開催中止決定前)

作品の裏話を知ることで、興味をもちやすくできたら

――お二人は普段美術館や美術展に行きますか?

鈴村 スペインのバルセロナに行ったときに、ピカソ美術館に行きました。バルセロナでも人気の美術館で、おまけに思った以上に広くて見応えがありました。同じスペインで行けなくて残念だったのが、ダリ美術館とダリの生家の「卵の家」があるところ。フィゲラスのほうに行きたかったんだけど時間の関係で行けなくて。上野にダリ展が来たときは見に行きました。
櫻井 サグラダ・ファミリアは?
鈴村 行ってきた。もうすぐ完成だから、完成したらまた行きたいな。あとパリのルーヴル美術館にも行きました。
櫻井 僕もルーヴル美術館には一度行きました。あとは、国内だと瀬戸内の地中美術館とか、直島や豊島に2、3回行ったことがあって。
鈴村 あの辺りは街全体がアートだよね。
櫻井 そうそう。水玉のかぼちゃが船着き場にいっぱいあって、それがすごく印象的でした。

――今回、音声ガイドにオモテガイドとウラガイドの2種類あって、新しい試みだなと思いました。それぞれどのような音声ガイドになっているのでしょうか?
鈴村 僕はオモテのパートを担当していて、絵や彫刻について、この絵がなぜあるのか、どこで誰が作ったのか、何年のものなのか、という情報をお伝えするのが役目でした。
櫻井 ウラのガイドでは、今回のコンセプトが「芸術と力」なので、この絵や彫刻を自分の地位や名誉のために使った人がいるというような、作品の時代背景や所有者の狙いといった、美術品そのものというよりか、そこにまつわる豆知識などに迫ったガイドになっています。ガイドのスタイルも、鈴村くんのオモテのカチッとした情報面とはまた違う、少し砕けたニュアンスになっているので、オモテとウラでアプローチの違いも面白いなと思いました。

――それぞれオモテ、ウラとして心掛けたことはありますか?
鈴村 オモテのほうは美しい芸術ということがストレートに伝わることが必要だと思ったので、正確さや聴きやすさを心掛けて収録しました。
櫻井 ウラはもう少し生っぽく語りかけるような柔らかさを求められました。オモテのガイドのほうが単純に文章の量も多かったですし、「ああ、鈴村くん大変だな」と思いながら、僕はけっこう気楽に(笑)。
鈴村 大変だったよ、難しい語句が多くて。僕が一生懸命説明したあとに、櫻井くんが「ここでちょっと裏話!」みたいに入ってくるから、だいぶ印象が違うよね(笑)。
櫻井 楽しんじゃいました(笑)。
鈴村 でもそこが台本を読んでいても面白かったところでした。この絵はこういうものなんだと作品を知った後で、「この人が権力に使ってたんだ」とか、「この人は見栄を張ってたんだ」とか、いろんな裏話が聞けて。
櫻井 別の側面からの情報で、作品に踏み込んでくれるので興味をもちやすくなるんじゃないかなと思います。
鈴村 ガイドのある意味がすごくあるよね。

――収録で苦労した点はありましたか?
鈴村 やっぱり情報を正しくという部分に気をつけましたね。固有名詞は人生で一度も発したことのない言葉もたくさんありました。
櫻井 生まれて初めて口にした言葉もありましたね。
鈴村 「キタラ・バッテンテ」とか。南イタリアで親しまれたギターの一種らしくて、金属弦を指じゃなくピックで弾くエレキギターみたいなものなんですけど、当時は電気がないので打ち鳴らすように弾くという。これからギターを見たら、「キタラ・バッテンテの一種だよ」って言いたい(笑)。
櫻井 なんか響きがおいしそうだよね。
鈴村 おいしそうでしょ? 「バッテラ」とか思い出しちゃう。

音声ガイドの注目ポイントは、要潤さん!?

――「キタラ・バッテンテ」以外にもガイドを担当して気になった作品はありますか?
鈴村 「吉備大臣入唐絵巻」ですね。絵物語になっているんですけど、異国の地である唐に行ったら幽閉されちゃって、「やばい、鬼だ!」と思ったら、実は先に唐に渡っていた人の亡霊が鬼になっていて助けてくれる話なんです。すごくファンタジックですよね。

――いい話ですね。
鈴村 絵巻って当時の漫画ですよね。あの時代に今の少年漫画でやっていそうな話が絵巻として残っているってロマンがあります。しかも、これはボストン美術館に収蔵されているんですよ。日本で描かれたものがボストンへ渡って、それが日本に里帰りするというところも面白いですよね。
櫻井 経緯はそれぞれあるんでしょうけど、作品の里帰りなんてなかなか気軽に観られないので良い機会だなと。
鈴村 「大日如来坐像」とかね。平安時代の日本のものじゃないですか。それがボストンにあって、日本にやってくるって、それだけで壮大な歴史を感じますね。
櫻井 絶対に大日如来の話す言葉も英語になってるもんね。
鈴村 「Hello! My name is Nyorai」って(笑)。
櫻井 あと、僕は中国の「龍袍」という、偉い人が着る服が気になりました。龍の柄がいくつも施されていて、一見すると、8つの龍が描かれているんですけど、9つ目が内側にあるという。そういうところにも、権力に関する要素が隠されているらしくて。龍は皇帝や貴族の象徴なので、庶民のものにはあまり使ってはいけないとか、5本の爪の龍はデザインとして使っちゃいけないとか、後に美術として捉えられているものにも実はルールがあって、その時代背景がうかがい知れるのが面白いなと思いました。

――今回の音声ガイドを聴くと、そういう時代背景も知ることができるんですね。
櫻井 そうですね。興味をもつきっかけになればいいですね。
鈴村 台本だったけど、普通に読み物として面白かったよね。

――では、お二人はお互いに真逆だったり、オモテやウラを感じる部分はありますか?
櫻井 僕はけっこうダークサイドな人間だと思いますが、鈴村くんはライトサイドの人間だと思います。でも人はそれぞれ裏表ありますよ。
鈴村 裏表がない人に会ってみたいです。逆に怖いよね。
櫻井 鈴村くんは、僕が受ける本人の印象と周りから聞く印象でそんなにズレがないですね。
鈴村 理想としては、僕は全部透明度が高いほうが人生が楽しいと思うタイプなので。

――櫻井さんに裏を感じることはありますか?
櫻井 僕は裏しか感じさせていないと思います。
鈴村 それって、もはや表になってない?(笑) 櫻井くんは、こう見えて裏はそんなにないんですよ。逆に言うと、ダークサイドだって自分で言っているところが表になっているだけで、思ったことを言うタイプだと思うし、それであまり好感度が下がらないようにできるのはすごいなって思っています(笑)。櫻井くんは核心をつくことを端的に言うことがあるんですけど、「なるほどな」と思わせるので、むしろそれが表なんじゃないかなと思います。
櫻井 いや~、もう一か八かです(笑)。

――最後に、音声ガイドの注目ポイントと、楽しみにしている方にメッセージをお願いします。
鈴村 注目は要潤さんですね。
櫻井 そうですね! 要潤さんです(笑)。
鈴村 音声ガイドの中で「この後は要潤さんです」と話を振っているんですよ。

――スペシャルサポーターの要潤さんは音声ガイドにも参加されているんですね!
鈴村 そうなんです、2カ所も出てきます! 話を振らせていただくときに、「やばい、『仮面ライダーアギト』の人だ!」と思ってテンションが上がりました。作品を見て「これって何だろう?」とか、「なんでこういう絵になってるんだろう?」とか、「この色使い不思議だな」とか思う人もいると思うんですよね。そうなったときの手助けを僕らができていると思うので、ぜひ聴いてほしいなと思います。

 

【インフォメーション】

「ボストン美術館展」公式サイトhttps://www.ntv.co.jp/boston2020/

Huluとは……
公式サイト:https://www.hulu.jp/
Huluは60,000本以上の映画・ドラマ・アニメ・バラエティを楽しめるオンライン動画配信サービスです。月額定額料金でいつでも、どこでも、全ての作品が見放題。インターネットに接続したテレビ、パソコン、スマートフォン、タブレットなどで視聴可能です。日本初上陸の海外ドラマを配信する「Huluプレミア」や、独自で製作する「Huluオリジナル」を筆頭に、テレビで放送中の人気番組の見逃し配信や、音楽のライブ配信などラインナップも幅広くHuluでしか観られないコンテンツも豊富に取り揃えています。また、ライブ配信も充実。日米英ニュース、音楽、ドキュメンタリー、スポーツなどをお楽しみいただけます。
Huluは月額1,026円(税込)となります。ただし、iTunes Store決済の場合には1,050円(税込)となります。

さらに「音声ガイド」の配信も決定!
まずはアコースティガイド・ジャパン公式アプリ「聴く美術」をダウンロード!
公式サイト:https://www.acoustiguide.co.jp/kiku-art/
ボストン美術館展音声ガイド¥ 610 (税込)

 

【スタッフクレジット】
撮影・取材・文/能一ナオ