2021年4月にアーティストデビューした近藤玲奈さん。デビューシングル『桜舞い散る夜に』では透明感ある爽やかな歌声で癒やしてくれましたが、今回リリースしたコンセプトアルバム『11次元のLena』では、イメージが一変。“中二病”“闇”といったテーマの楽曲に挑戦しています。その凝った世界観と、制作の裏側について話を聞いてみました。
“暴力的表現”への欲にスタッフ陣も共感
――デビューから半年経ちましたが、“アーティスト・近藤玲奈”として気づいたことや得たものはありますか?
私の中で特に印象深いのは、イベントをさせていただいたことです。ファンの方と直接お話しできる機会もあったので、直接感想をいただけたのは私の中ですごくうれしい出来事でしたし、皆さんの前で歌ったときに一人ひとりが笑顔で聴いてくださっていて。「私の歌を『聴きたい』と思ったから応援してくださっているんだな」と、実感できました。
――ファンの皆さんとの関係がさらに深まったようですね。特にファンの方のどんな言葉がうれしかったですか?
「表題とカップリングのギャップが良かったです」と言っていただけたのはうれしかったです。自分の声の幅を皆さんに感じてもらえた気がして、声優としての自信がつきました。正直なところを言うと、デビューシングルの稼働期間は初めてのことが多すぎて時間が経つのがものすごく早かったんです。そんななかで、「アーティストとしての使命をまっとうしなければ」と必死になっていたので、自分の成長や変化をあまり実感できていなくて。でも、ファンの皆さんとの触れあいを通じて、「これからも温かいファンの皆さんと過ごしていきたい」という思いをあらためて感じられたのは大きかったですね。「もっといい音楽を作りたい!」と思いました。
――そうして作り上げたのが、今回のコンセプトアルバムなのですね。「もっといい音楽を」という思いからか、2作目にしてかなり攻めているなと。
私もそう思います! ふふっ(笑)。
――ともあれ、アーティストデビューのタイミングでインタビューしたとき「もともとは中二病っぽい曲が好き」と言っていました。それが叶った形ですね。
そうですね。デビュー前の段階で、スタッフさんたちには「暴力的な表現をしたい」と伝えていたんですけど、それを覚えてくださっていたプロデューサーさんが「次は、コンセプトアルバムにして“暴力的表現”を実現しましょう!」と提案してくださったんです。私、お芝居では憑依型なんですけど、歌うときも役柄を決めてそれになりきって歌うほうが合っているみたいなんです。なので今回は、3人の人物が登場するストーリーを作るという方向性になりました。そこから、中学生の頃の私が共感していた“悲痛な叫びを歌った曲”を歌うことになって。だから、ストーリーの登場人物は中学生なんですよ。ただ、「11次元」という聞いたことのない言葉が出てきたのは予想外でした!
――なかなか耳馴染みのない言葉ですよね。実際にある理論だそうですが。
これもプロデューサーさんが提案してくれたんです。理論上は11次元まであると言われているらしいんですけど、11次元こそが本当なんじゃないかという考え方もあって「面白いよね」って。そこで、今私達がいる3次元から、11次元に行けたとしたら……というストーリーにして曲を作っていただきました。聴いてくださる方たちにもこの世界観が伝わりやすいように、イントロダクションも含めたコンセプトアルバムになっています。