ソロデビュー10周年へ――南條愛乃さん、新曲「ヒトリとキミと」SPインタビュー

10周年だからこそ、これまでを振り返ったり
みんなとの共有ができたらいいなって

南條愛乃さんの13枚目のシングル『ヒトリとキミと』が2月23日にリリース。TVアニメ『天才王子の赤字国家再生術』エンディングテーマで、物語の終わりを優しく癒やしてくれるような楽曲だ。表題曲についてはもちろん、自身のラジオへの思いが詰まったカップリング楽曲「待ち合わせはあのカフェで!!!」について、そしてソロデビュー10周年への想いを聞いた。

■南條愛乃さんインタビュー

ー年末年始はゆっくりできましたか?
年末年始はコロナも落ち着いていましたし、気をつけながらですけど、久々に実家に帰ることができたんですよ。
ーゆっくりできていたのなら良かったです。昨年末は『A Tiny Winter Story』の制作が終わらないかもと、かなり焦っていたのを知っていたので(笑)。
年末は頭がパツパツで、何を考えたらいいんだっけっていう感じでしたからね(笑)。とはいえ年始に『ファイナルファンタジーXIV』のネタバレ有の生配信のオファーをいただいていて、それがしっかりゲームをやり終えないと参加できない内容だったんです。実家でじっくりやろうと思っていたら、始めると家族に話しかけられるから話が全然入ってこない!と。だからみんなが寝てからやるしかなくて、これはもしかして徹夜しないと終わらないんじゃないか、みたいな(笑)。休んでいるのかどうかもわからなかったし、また締切に追われている?という気持ちになりながらゲームをしていました(笑)。
ー結局、ずっと締切に追われる運命なんですね。
朝起きてきた父に「まだ起きてるのか?」って言われて、「学生かよ!」って感じでしたけど、母の手料理を食べたり猫たちと触れあえたので、癒やされはしました。
ー良かったです。冬をテーマにした最新アルバム『A Tiny Winter Story』も評判が良かったのではないですか?
そうですね。「特別な冬になりました」とか、クリスマス前だったので「良いクリスマスプレゼントです」とか。アルバムは毎年リリースしていたけど、これまでにない感想が聞けて新鮮でした。
ー昨年11月リリースの「EVOLUTiON:」からソロでの活動が活発になっている印象がありますが、ニューシングル「ヒトリとキミと」は、アニメタイアップ曲なので、アルバム前に制作していたのでしょうか?
そうですね。「EVOLUTiON:」の直後くらいにレコーディングはしていたので、実は全然前なんです。次もタイアップ曲だよと言われたからfripSideなのかな?と思っていたらソロ曲だったので「こんなにハイペースでタイアップがあるんだ!」と驚きました。ただコロナ禍の動けない時期が長かったので、やっと動けるなと、当時は思っていた記憶があります。
ー楽曲は、どのように受け取ったのですか?
タイアップだったので、アニメサイドとレコードレーベルの方で制作を進めていただいていました。最初に楽曲を受け取った段階ではアレンジもまだふわふわしていて、「水彩画のような淡いイメージです」というヒントみたいなものだけもらっていたんです。なので、キーも普通に歌うとしたら高めだけど、水彩画っぽいイメージならば、ふわふわしたボーカルが望まれているのかなと思ってオッケーしたんですね。でもアレンジが完成したら、ファンファーレがあって、ドラムも結構元気だったので、自分がイメージしていた水彩画と少し違うぞ?と(笑)。
ー優しい曲だけど、水彩画と言われるともう少しだけ元気な印象ですね。
私のソロっぽい雰囲気の曲だけど、昨今のシングルの流れからすると逆に新鮮というか。珍しいトーンの曲になったなと思いました。
ー最近は激しめな曲が続きましたからね。今作は『天才王子の赤字国家再生術』のエンディングテーマですが、1話で戦いなども描かれたあとに流れたので、リセットされたというか、癒やされました。アニメはいかがでしたか?
面白かったです! あらすじは知っていたので、意図せず国家が再生されてしまうって、こういうことか!と思いながら見ていました。思惑とは逆に進んでいくのも笑えたし、主人公のウェイン(CV.斉藤壮馬)とニニム(CV.高橋李依)のバランスもかわいらしくていいなと思いました。2人の凸凹をうまく埋めている感じとか、2人ならではのほっこりした感じは、曲にも合っているのかなと思います。
ー橋本由香利さんが作・編曲で、rinoさんが作詞ですが、お二人は過去もご一緒したことがある方々ですね。
橋本さん的に私の声でキラキラした感じをあえて出そうとしてくださったのか、キーは高かったんですけど、ソロの世界観に合わせてくださった上で、新しさ、新鮮さを足してくれている感じがしてうれしかったです。rinoさんはもう安心感がすごくて。デビュー間もない頃から、yozuca*さん含めて親交があったので、親戚のお姉ちゃんみたいな感じなんです。だから歌詞を書いてくださると聞いたときはうれしかったし、これは癒やされる曲になるなと思いました。今回の曲も、rinoさんらしい遊び心があって、頭のコーラスは逆から読むと“ナトラに栄光あれ”という、アニメのナトラ王国に掛けた歌詞になっているんですよね。そういうところもかわいいなと思いました。
ーコーラスのところもそうですが、南條さんのきれいな高音が楽しめる曲だと思いましたが、ボーカル録りについてはいかがでしたか?
歌い方の着地点を決めるまでは時間がかかりましたね。最初はウィスパーでいこうと思っていたんですけど、アレンジが派手な感じになったので、それは違うとなり、キンキンする感じにもしたくなかったんです。かといって柔らかすぎるとオケに負けるから、力加減が決まるまでは大変でした。
ー最終的にはオケとのバランスは絶妙だったと思います。
だいぶ集中して歌わないと歌えない曲だったので、ライブでは大変そうです。
ーこの曲はMVもかわいくて。王子と女の子のお人形がとても素敵でしたね。
監督の知り合いの人形作家さんの作品なんですけど、帰りにいただくことができたんです。うちはそんなにきれいな家ではないけど、そのなかでもいちばん高くてきれいな場所に、今鎮座しています(笑)。
ーそういうアイテムなどにこだわりを感じるMVでしたね。
内装や小物も作っていただいていたり、過去に登場した小道具が置いてあったりするんです。私のMVを何本も担当してくださっているもちごめ監督と作っていったんですけど、打ち合わせのときに、王子とヒロインの子の二人の感じは出したいと話したんです。それで、「“再生術”だから、普段使われていない屋根裏部屋に越してきて、そこでお気に入りの王子と女の子のお人形を飾るべく、部屋を片付けて再生する感じにしましょうよ」と提案したら、監督が、映像的に面白くなるようにアレンジしてくださって。
ーレコードを“再生”するじゃなかったんですね。
確かにレコードも最初に再生していましたね……(笑)。
ー掛けているのかなって思いました(笑)。あと、南條さんがゲームをしている姿が、かなり素に近いのではないかと……。
私はあんなに高い位置でコントローラーは持たないですけどね。あれは画面に入るように高く持っただけなので、普段手はあぐらの上です。でも、真面目に掃除をして再生するという提案をしたのに、絵コンテを見たら、「掃除中にサボる南條さん」とか「焼きそばを食べる南條さん」とか「サボってばっかりだな!」って思いました(笑)。でもゲームの画面を作ってくださったり、本当に丁寧に作ってくださるんですよね。絵コンテもわかりやすくて、すごくかわいいので、いつか紹介できたらいいなぁと思います。
ーカップリングの「待ち合わせはあのカフェで!!!」はWebラジオ『Nカフェ!!! 南條愛乃と語るモア』テーマソングですが、ラジオへの思いが感じられる素敵な歌詞でした。
曲は『ファイナルファンタジーXIV』のサウンドディレクター祖堅正慶さんに作っていただきました。ラジオにゲストで来てもらって、曲を作っていくところをリスナーの皆さんに聞いてもらう機会があったんですけど、やはりラジオだと頭が収録モードになっちゃうから、モノ作りのアイディアが全然思いつかなくて、終わった後に「やっぱりこういう感じお願いします」と、お願いし直す感じだったんですけど(笑)。
ー面白い曲になりましたよね。
祖堅さんって、私のライブも何度か見に来てくださっているんですけど、「idc」が大好きなんですよ。それもあって、ソロでありそうでなかった絶妙なラインの、トリッキーな曲を作ってくれました。
ー途中でワルツっぽくなったりしますからね。
そうなんです。ラジオにはプレミアムパートがあったんですけど、そのDメロは部分は、プレミアム会員の皆さんのことを歌おうと思って作詞をしました。だから、そこでのコーナー名のワードとかも入れたりしているんです。ちなみにBメロでは、各コーナーのタイトルを入れていたりします。もともとラジオは1クールの予定で、それが一年続いていたという事実を最終回の日に知ったんですけど、この曲を収録できるタイミングがなかなかなくて、今回のタイミングになったんです。だからリリースできるとなった矢先に、ラジオが終了すると聞いて「え?」ってなりました(笑)。このタイミングでこの曲を聴いてもらうことで、リスナーの皆さんが『Nカフェ』のことを思い出してくれたらいいなという気持ちです。
ーカフェって、ラジオとリンクするというか、すごくよく表しているなと思いました。
私の近況も話すし、リスナーさんの近況も聞ける場所という感じでいいですよね。もともとカフェというコンセプトはラジオの作家さんが挙げてくれたんですけど、最初は私はマスターのポジションだったんです。でも近況を話すなら私もお客さんで、同じ目線のほうがいいんじゃないかと思ったんですよね。カフェで待ち合わせをして、ドワンゴのスタッフさんが店長という設定で、オチもないような話をする場所がラジオであってもいいのかなと。前回のラジオが終わったとき「ラジオが恋しいです」っていう声も聞いて、今の時代もみんなラジオという媒体を楽しみにしてくれているんだなと思ったので、またそういう機会ができればいいなと思います。
ーそして2022年は、南條さんは10周年イヤーになるんですよね。
ソロを始めたときは「10年続けられたとしたら何歳だろう?」「そんなにやれるのかな?」と正直思っていたんです。でも気づいたら、10年を迎えられたなぁみたいな感じですね。のらりくらりやってきました(笑)。今、やりたいことは書き出して、事務所やレーベルさんに提出したんですけど、どれが実現可能なのか、時期的なものも含めて考えています。10周年だから、何かしら振り返りであったり、みんなとの共有みたいなものができたらいいなという理想はあるんですよね。ただ、私的にはまだ、fripSideの卒業ライブツアーという大きなものが控えているので、まずはその責務を全うしてからの動き出しになるのかな?と思っています。

取材・文/塚越淳一

  • 南條愛乃 NEW SINGLE「ヒトリとキミと」

◇初回限定盤(CD+特典Blu-ray)
¥1,980(税込)

◇通常盤(CD)
¥1,320(税込)

<CD収録曲>
01. ヒトリとキミと (TVアニメ『天才王子の赤字国家再生術』エンディングテーマ)
作詞:rino 作曲・編曲:橋本由香利
02. 待ち合わせはあのカフェで!!! (Webラジオ「Nカフェ!!! 南條愛乃と語るモア」テーマソング)
作詞:南條愛乃 作曲・編曲:祖堅正慶
03. ヒトリとキミと <instrumental>
04. 待ち合わせはあのカフェで!!! <instrumental>

<特典Blu-ray収録内容>(※初回限定盤のみ)
「ヒトリとキミと」MV
「ヒトリとキミと」MV Making SPOT

*各社配信サービスでも配信中。
https://lnk.to/yoshino_nanjo_hitoritokimito

  • INFORMATION

▼天才王子の赤字国家再生術:https://tensaiouji-anime.com/
▼南條愛乃公式HP:https://nbcuni-music.com/yoshino_nanjo/

  • NEW SINGLE「ヒトリとキミと」サイン会情報

5.28(SAT)@都内某所<対象法人:ゲーマーズ>
12:30~/CDジャケットサイン会
14:00~/ポスターサイン会
16:00~/CDジャケットサイン会(※ オンライン形式)https://www.gamers.co.jp/contents/event_fair/detail.php?id=2314

5.29(SUN)@都内某所<対象法人:アニメイト>
13:00~/CDジャケットサイン会
15:00~/CDジャケットサイン会
https://www.animate-onlineshop.jp/contents/fair_event/detail.php?id=106870

Cafe『Sereno』~健気ときどきドジな、マジシャン店員と。