【声グラ限定】「最初はちょっと怖かった……」高野麻里佳さんが2月23日に1stアルバム『ひとつ』をリリース! 限定インタビュー

――また「カリソメアワー」は、和の雰囲気が強いロックです。

ライブでお祭り騒ぎができる和ロックを作りたいという話をして、仕上がった楽曲です。祭り囃子みたいにしたくて太鼓や笛の音を入れた結果、歌詞がギュウギュウになりました(笑)。特にサビは息継ぎする場所がないので、レコーディングのときは2行ずつ録った記憶があります。

――だからこそ、この曲もインパクトがありますね。

Bメロから始まるところがオシャレでハッとさせられるし、サビのメロディがすごくキャッチーなんですよね。推し曲にしてくれる人はきっと多いと思っています。

――ライブが楽しみですね。歌うのは大変でしょうけれど……!

そうなんですよね。なので、中途半端になってしまうくらいならもう少し温めておこうかな?とも思っています。ちょっと悩み中ですね。

――「Hide&Seek」も挑戦的な曲調でしたね。

「ホラーな楽曲を作りたい」という私の提案をきっかけに生まれた曲です。私、ビリー・アイリッシュさんの音楽が好きで、「あんなふうにゾワッとした雰囲気を持つ楽曲を歌ってみたい」と思っていたんです。制作中は、鈴木裕明さん(同曲の作詞・作曲・編曲)と3回くらいラリーをして丁寧に理想に近づけていきました。たとえば「無音をつくることでちょっとゾワッとさせてほしいです」「あえて不快だなと思う音を1カ所くらい入れたいです」という感じで。

――なるほど。だからかメロディ全体も少し不穏ですよね。

そうなんですよ。どこに行くかわからない、不安な気持ちになる音にしてもらいました。Bメロには子どもたちがかくれんぼを始めるシーンを入れています。そこでさらに異様さが増して、ホラー感が出たかなと。曲の途中で突然かくれんぼを始めたら怖いじゃないですか?

――実際、すごくゾワッとしました。歌詞カードに書かれていないのもまた雰囲気がありますね。

あ、そうですね! 「聴いてはいけないものを聴いているのでは……!?」と思ってもらえるかもしれません(笑)。

――そして「夜更かして、午前2時」についても。歌詞がかなり現実的ですよね。

今のJ-POPのトレンドにもあるような、日常ロックというジャンルから生まれた曲なんですけど……私、この歌詞の人にすごく共感しちゃうんですよ!

――というと、ついつい夜ふかしして、それを翌朝後悔しがちなんですね(笑)。

そうです(笑)。特に、歌詞にある〈毎朝、眠過ぎて 毎晩、夜更かして まぁいいか。とも違って〉の3連続は刺さります。「まあ良いか」と思ってしまう自分に罪悪感を懐きながら毎日を繰り返してしまうので、よりリアルに感じますね。レコーディングでは、この歌詞の主人公はやさぐれた私だと思って歌いました。デビューシングルの「夢みたい、でも夢じゃない」を出したとき、「これが私らしさです!」と打ち出しておいて、こんなやさぐれモードな高野麻里佳もあるんだって思われてしまいそうですけど(笑)、どちらも私なんです。

――一転して、次の曲「Flavored hug」は、待ち合わせしているかわいらしい男女が描かれましたね。

ですよね。歌詞が暖かいので私が声で暖かくする必要はないなと思って、力を抜いてポエトリーに歌っています。

――ポエトリーといえば、以前のインタビューでも挑戦したい曲調と言っていましたね。

そうなんです! 実現してうれしいです。しかも、ポエトリーリーディングでありながらSEがいっぱい入っている曲なんです。たとえば歌い出しあたりに入っている改札の「ポーン」という音は、現実に引き戻されるような感覚があると思います。ただ、ドキドキしながら待ち合わせする2人からは、映画のようなロマンチックな雰囲気も感じてもらえると思いますね。