【声グラ独自レポート&写真も!】上坂すみれライブツアー『超・革命伝説』東京公演

上坂すみれさんが約3年ぶりとなるライブツアーを開催! 千葉・愛知・大阪と駆け巡り、たどり着いたファイナルの地は東京・昭和女子大学人見記念講堂。ツアータイトルの『超・革命伝説』が示す通り、すみぺは混沌としたこの時代に革命を巻き起こすことができたのか? 最後の最後に、感動のドラマが待っていた――。

楽しくにぎやかなツアーファイナルが開幕!


ライブの幕開けを告げる、いわゆるオーバーチュアという楽曲が数々のアーティストの現場には存在する。開演時間となり、定番のオーバーチュアが流れ出すことでファンのテンションは一気に上昇するわけだが、上坂さんの場合は「予感」という名のオーバーチュアがアルバムを出すたびに新しく作られていた。「予感」「予感02」「予感03」「予感(Extra stage)」とシリーズがあるなかで、今回の東京公演で使われたのは初代の「予感」。原点回帰と呼ぶべきか、どこか懐かしい雰囲気を感じながら始まったライブはデビューシングル「七つの海よりキミの海」からスタートする。さらに「我旗の元へと集いたまえ」「げんし、女子は、たいようだった。」と活動初期に制作された楽曲が続き、上坂さんをずっと見守り続けてきた同志(ファン)にとってはさまざまな思いが込み上げてきたことだろう。リリースされた当時のライブとは違い、コールや声援を送ることはできなくなってしまったが、その分の思いをウォッカ瓶型のペンライトに込め、上坂さんを熱く応援した。

東京公演では座席の間隔を空けることなく、ホールの隅々までびっしりと同志で埋め尽くされていた。その様子を見て「久しぶりにこの光景を見た気がするんです」と感無量な様子の上坂さん。とにかく喜んでいるということはしっかりと伝わってきた。「今回はツアーファイナルっぽく、楽しくにぎやかにお届けしたいと思っています!」と宣言した上坂さんは「盛り上がりそうな曲、選んでおきましたから」と言って次のブロックに突入する。2番目のブロック最初の曲は「EASY LOVE」で、たしかに間違いなく盛り上がる選曲だ。コウモリモチーフの衣装によく似合う小悪魔チックな楽曲のあとは「閻魔大王に訊いてごらん」「パララックス・ビュー」と「地獄」のフレーズが出てくる楽曲が続く。ダークだけど何だか楽しい、この独特の世界観は上坂さんのライブならではの魅力で、序盤からあっという間に時間は過ぎていった。

今回の幕間映像は「全日本革命的昔話 桃レボリューション22」と題した、現代風のおとぎ話? 「むかーし、むかし、あるところに、おじいさんとおばあさんがいました。おじいさんとおばあさんは、とある活動がとある組織にマークされてしまい、懲役300年の刑に服していました」と、上坂さんが朗読する内容は例によって物騒だが、時は流れて現代を舞台に桃太郎ならぬ“ももぺ”の活躍が描かれることに。ももぺの前に立ちふさがる敵は鬼ヶ島の鬼……ではなく、護国寺アイランドのヘッドこと水樹奈々さん! スペシャルゲストの登場に、会場からは大きな拍手が巻き起こる。どうやら水樹さんの目的は、日頃ぐうたらしてばかりのももぺに革命魂を養ってもらうことらしい。「いってらっしゃい!」と笑顔で水樹さんに送りだされたももぺは、道中でばったり弱った犬と出会う。ももぺに助けを求める犬だったが、彼が助かる条件は「積極的に女の子が来てくれるタイプの、ピンクい歌を聴かなきゃ死んじゃうワン」と、やけにピンポイントで具体的。それでも素直に犬の願いを聞き入れたももぺ=上坂さんは純白のドレスに着替えてステージに降臨し、リクエスト通りに「ボン♡キュッ▽ボンは彼のモノ♡」を積極的に女の子が来てくれる感じで歌い上げる。続けて「眠れない魔物」「恋する図形(cubic futurismo)」を披露して、映像のなかの犬だけでなく、会場の同志たちもすっかり上坂さんに魅了されたことだろう。

ここまではなかなか攻めたセットリストとなっているが、中盤戦では少し雰囲気を変えて「清らかなゾーン」となり、「ドロップス」「ノーフューチャーバカンス」「哀愁Fakeハネムーン」としっとりめの曲が続いていく。「ドロップス」では上坂さんの要望もあって同志のペンライトが白く輝き、ステージ上に設置されたキャンドル型のライトの柔らかな光と相まって、幻想的な空間を生み出していた。

まっすぐに流れる、ひと筋の美しい涙……


ライブは後半戦に突入し、幕間映像も後半パートが上映される。ここではついに水樹さんと直接対決することに。そのお題は「筋トレリベンジ!」。同志のなかにも覚えている人は多いであろう、2017年に放送されたバラエティー番組『上坂すみれのヤバい○○』の水樹奈々さんゲスト回「ヤバいフィットネス」にて挑戦し、散々な結果となったトレーニング用のゴムバンド「きしめんゴールド」に再挑戦するのだという。「いつまでもひ弱な上坂さんだと思うなよ!」「今だったら水樹さんに余裕で勝てますよ!」と啖呵を切って、「きしめんゴールドが何回できるか勝負」を挑む上坂さんだったが、結果はやはり余裕で水樹さんの勝ち。それでも以前よりはだいぶ健闘した上坂さんに、水樹さんは「もう私が教えることは何もありません」とお墨付きを与え、ももぺの物語は「めでたし、めでたし」となった。

きしめんゴールドで鍛えた体力を発揮するべく(?)、映像明けのブロックは「生活こんきゅーダメディネロ」「ものどもの宴」とパワフルな楽曲を2曲続けて披露。上坂さんいわく「あまりよくない食い合わせの2曲」とのことで、歌ったあとには「疲れた……」「もうダメだ……」と弱音を漏らす場面も。ここが本編では最後のMCパートとなるが、「思いのたけは、今日は伝えないんですよ。みんなへの感謝の気持ちは大阪公演で全部言っちゃったから。それに、まだ飲み会の中盤ですよ? 飲み会の中盤でまじめな話をするやつほど、つまらない人間はおらん! 今日のノルマ、タスク、すべてこなしたあとに、感謝の気持ちを伝えてあげてもいいんだからね!」と、ツンデレぶりを発揮する上坂さん。同志への感謝の気持ちを込めた挨拶は持ち越しとなったが、振付け講座で同志と心をひとつにして「夜勤の戦士のテーマ」を熱唱し、「踊れ!きゅーきょく哲学」~「革命的ブロードウェイ主義者同盟」で本編を締めくくる。「革命的ブロードウェイ主義者同盟」ではステージ上に降りてきた革ブロの旗のもと、間奏のセリフでは演説台の前に立ち拡声器で同志たちに向けて熱弁を振るう。ラストは渾身のシャウトをホール全体に響かせていた。

アンコールの1曲目は今回のツアータイトルの由来にもなっている「真・革命伝説」。この曲が収録された1stアルバム『革命的ブロードウェイ主義者同盟』のリリースからはや8年、「真」から「超」に進化して、上坂さんの革命はまだまだ続いていく。曲明けのMCでは東京公演のディレイ配信が決定したこと、そして5thアルバムが2022年秋に発売されることが告知された。

「(4thアルバムの)『NEO PROPAGANDA』が出たのは2020年の1月だった。本当はツアーをやろうと思ったら、全部できなくなっちゃって。だから、私は期待している。アルバムを引っさげたツアーを!」

ここでまた同志からのひときわ盛大な拍手が巻き起こる。そして、本編から持ち越しとなっていた同志への感謝の気持ちを、いよいよ口にすることに――。

「私は、みんなのことを最初からファンじゃなくて同志と呼んでいるわけです。それは私が70日くらい放置したわらび餅に生えているカビみたいな人間だったから。最近は社会性がちょっとずつ身についてきたわけですけれども、みんなのおかげで。……そう、それなのよ! いつも『すみぺに会えるのが楽しみです』とか『今日も写真上げてくれてありがとう』とか、何にでも感謝してくれて、『この役よかったです』とか、お手紙とかもくれたり、いろんな形でみんなが気持ちをくれるのよ。私、そんな立派な人間だったっけ?と思って」

と、ここまで話して涙で声を詰まらせる上坂さん。同志からの温かい励ましの拍手に支えられて、何とか思いを言葉にしていく。

「――それで、やる気が出てくるわけです。『この人が楽しみにしてくれているみたいだ。じゃあ、頑張ろう』って思うわけですよ。そんな暮らしを2011年くらいから、声優ライフ&歌手ライフ。歌も歌ったことないのに、あと、持ち曲3曲しかないのにライブに来てくれたりして、この方々はいったい何をモチベーションに来てくれているんだろう?と思ったら、純粋に『楽しみにしてます』とか『応援してます』とか『見てると元気が出ます』とか、シンプルでピュアな気持ちなんですよ。『いいの? 私に、いいの?』って。もしSNSをやっていなくても、お手紙とか出したことのない、そんな人でも気持ちは伝わってくるんですよ。だから、本当に、みんなのバカーっ!! 会えなかったから、寂しかったよ!」

ずっしりと心に突き刺さる、上坂さんの叫び。

「君たちがいつか声優ファンを卒業して、聴く音楽が変わる時が来ても、どこかで覚えていてほしいんです。私がなんで頑張れているかというと、みんなに何かしら覚えていてほしいからなんです。私という人間と一緒にいた時間を、別に何の曲がよかったとかなくても、覚えてさえいてくれれば。今の平均寿命から、さらに科学が発達して110歳になったとして『そういえば、おったのお……』くらいでいいんですよ。それがちょっとでも、みんなの生きる気力になっていたらいいなって、私はいつも、実は思っているんです」

ここまで話して、ひと息ついて、いつものテンションに戻る上坂さん。「私、感動したのが、涙が垂直に出たんですよ。出役(顔出し)の人っぽい泣き方だなと思いました」と笑いを誘う。ティッシュで涙を拭いても、まだ泣き止まないという上坂さんをみんなであやしながら、ライブはラストの2曲へ。みんなで旗を振りながらの「ネオ東京唱歌」、そして「ウエサカダイナミック」で華麗にゴールを決める。最後は会場に集まった同志たちと笑顔で記念撮影をして、また会える日を信じての「解散!」となった。

SET LIST

01. 予感
02. 七つの海よりキミの海
03. 我旗の元へと集いたまえ
04. げんし、女子は、たいようだった。
05. EASY LOVE
06. 閻魔大王に訊いてごらん
07. パララックス・ビュー
08. ボン♡キュッ♡ボンは彼のモノ♡
09. 眠れない魔物
10. 恋する図形(cubic futurismo)
11. ドロップス
12. ノーフューチャーバカンス
13. 哀愁Fakeハネムーン
14. 生活こんきゅーダメディネロ
15. ものどもの宴
16. 夜勤の戦士のテーマ
17. 踊れ!きゅーきょく哲学
18. 夢みるメイドガール(BAND inst)
19. 革命的ブロードウェイ主義者同盟
<アンコール>
20. 真・革命伝説
21. ネオ東京唱歌
22. ウエサカダイナミック

撮影/鈴木健太(KENTA Inc) 取材・文/仲上佳克