牧野由依

声優にアーティストにと幅広く活躍中の牧野由依さんからの応援メッセージは、自らが体験した失敗談も含めたユニークなコメントも満載。声優の基礎すら勉強したことのなかった牧野さんが体当たりで挑戦した現場での行動とは?

プロフィール

まきのゆい●1月19日生まれ、アミューズ所属。 主な出演作品はアニメ『ツバサ・クロニクル』(サクラ)、『N・H・Kにようこそ!』(中原岬)、『ステラ女学院高等科C3部』(大和ゆら)、『団地ともお(木下君子)』ほか。歌手としても、自身の出演した作品や『創聖のアクエリオン』『ARIA The ANIMATION』等のアニメ主題歌を数多く歌っている。

常にニュートラルな気持ちで作品と向き合っていたい

声優になるために、どんな勉強をされましたか?

子役としては活動していたのですが、声優学校に通ったことがないんです。ですので、声優の勉強は現場に出てからです。オーディションで『ツバサ・クロニクル』のサクラ役に合格して、何もわからないままこの世界に飛び込んでしまったので、先輩方の後ろ姿を見ながら動き方やお芝居のポイントなどを必死に台本に書き込みましたね。今でもその台本は持っていますし、時折見返しては教科書のように大切にしています。最初はキューランプすらもわかりませんでしたからね(笑)。

現場での失敗談を教えてください。

私、お腹に猛獣を飼っていまして……(笑)。自分のシーンならともかく、他の役者さんの時にお腹が鳴ってしまうと本当に申し訳なくて。なので、ちょくちょくお菓子などを食べるようにしていたのですが――なんと、これで太ってしまって…。「収録前は何かお腹に入れておいた方がいいですよ」というアドバイスにしようと思ったのですが、年頃の女子にとってはまさかの「食べ過ぎ注意」もプラスしないといけないアドバイスになってしまいました(笑)。

声優になってよかったと思ったのはどんなときですか?

自分が演じた作品が年代、国を超えて愛されているというのがうれしいですね。最近現場で「『ツバサ・クロニクル』を見てました!」と言ってもらうことが多くてうれしいんです。ただ、いつ頃だったのかを聞くと「小学生でした!」って…(笑)。そんな方々と一緒にお仕事をする年齢になっているんだなと思うと驚きもありますよね。海外にも作品を知っている方がたくさんいてくれて、それもアニメーションに携われて本当によかったなと思う瞬間です。

仕事をする際に心がけていることは?

「こだわりは大事だけど、それに固執しすぎない」。常にニュートラルな気持ちで作品と向き合っていたいなと。芸術は見る人によって正解が違い、それがおもしろくも難しい部分ですから、自分が正しいと思うことに固執しすぎると身動きが取れなくなってしまうこともあるんです。なのでまずは自分のお芝居を聞いてもらい、それが違うと言われたらすぐに切り替えられる柔軟さも大事なんです。たとえば、私は難しい役の場合は、事前に何パターンか用意していきますね。