キャラクターの裏に隠された声優たちの素顔に迫る、インタビュー企画『声優図鑑 by 声優グランプリ』。
今回は、『いびってこない義母と義姉』中村美冶役、『ウマ娘 プリティーダービー』アドマイヤグルーヴ役などを務める鈴木日菜さんにお話を聞きました。
すずきひな●2月12日生まれ。マウスプロモーション所属。主な出演作は、アニメ『いびってこない義母と義姉』(中村美冶)、『Sランクモンスターの《ベヒーモス》だけど、猫と間違われてエルフ娘の騎士として暮らしてます』(レヴィ)、ゲーム『ウマ娘 プリティーダービー』(アドマイヤグルーヴ)、『ブルーアーカイブ』(河駒風ラブ)ほか。 公式HP: https://mausu.net/talent/suzuki-hina.html ★鈴木さんの手書きプロフィール&コメント動画は2ページ目に! |
「もしかして、適性あるのかも?」と思ったのがきっかけです
――鈴木さんは幼い頃、どんな子供でしたか?
けっこう不思議ちゃんだったんじゃないかな?と思います(笑)。木琴をたたく棒みたいな、細長い木の棒をすごく気に入っていて、それを振りながら見えない何かと話しているような子でした。そして、その木の棒の振り方によって、世界が変わっていたらしい……と、母から聞きました。当時の私がそう言っていたって(笑)。空想や妄想が好きで、自分で作り上げた世界の住人になっていることが多かったんです。
――憧れていたものがあったんですかね? 『ハリー・ポッター』みたいな。
まさにそうです! なので、木の棒のほかにも庭でホウキにまたがって空を飛ぼうとしたりもしていました。ファンタジーへの憧れが強かったんですよね。ホウキにまたがるのは小学校4〜5年生くらいまでやっていて、6年生くらいまで魔法学校からお手紙が届くと信じていたくらい、ピュアでした(笑)。
――アニメも当時から好きでしたか?
はい。夕方頃にやっていたアニメはすべて観ていましたし、日曜朝はずっとテレビに張り付いている子供でした。特に木曜日は、大好きな『アイカツ!』を観るために夕方までには家に帰っていましたね。ただ、私が頭の中で思い描いていた理想の世界は、どちらかというと『週刊少年ジャンプ』系でした。『BLEACH』とか『NARUTO -ナルト-』のように能力や忍術を使って戦うキャラクターたちにすごく憧れていて、呪文とか忍術を発動するための手の動きは全部覚えていました!
――では、声優業への憧れはいつ頃から?
小学生の頃は、まったく意識していませんでした。ただ、中学で仲良くなった友達が声優さん好きで「このキャラとこのキャラは、同じ声優さんなんだよ」といった知識をたくさん教えてくれたんです。そこからだんだんと認識できるようになっていきましたけど、「声優になりたいな」とはいっさい思っていなかったですね。
――なりたいと思ったのはいつですか?
高校3年生の頃だと思います。それまでは、漫画の編集者や一般職に就こうと思っていたんですけど、進路を考えるにあたっていろいろ思い返している時に、「そういえば中学時代、英語部で劇をやったことがあるな」「その劇で、はちみつをおいしそうに食べる演技をやたらと褒められたな」とか、断片的にいろいろと思い出されて。だんだんと演技の世界に興味が湧いてきたんです。そんな時、高校で仲良くなった友達から「声優オーディション、一緒に受けない?」と誘われて。その子を後押しするつもりで受けてみたら、意外といいところまでいけたんです。なので「もしかして、適性あるのかも?」と思ったのがきっかけですね。
――そういった出来事が、高校3年生の時に一気に起きた。
はい。そして、卒業後には声優の専門学校に進みました。
――ところで、英語部では演劇をしていたんですね。
そうなんです。英語が得意というわけではなかったんですけど、仲が良かった英語の先生に「発音がすごくきれいだから、この部活で活かしてみたら?」と口説き落とされて入部しました。その部活では、『一休さん』や狂言の『附子(ぶす)』を英語劇にリメイクして演じていましたね。
私の演技、率直に下手だなと思いました
――専門学校では、どんなことを学びましたか?
基礎の基礎から学ばせていただきました。最初の1年間は舞台での演技を学び、2年目からはアフレコ実習などが始まってより声優に近い実技を勉強しましたね。この頃に学んだ基礎知識や教本は今でも役立っていて、日々の滑舌のウォーミングアップに使っています。
――学びの多い環境だったんですね。アフレコ実習が始まると、声優業にグッと近づいた感覚もあるかと思いますが、実際はいかがでしたか?
率直に下手だなと思いました。自分では、できているつもりだったんですけどね。
――高校時代には、「適性あるのかも?」と思ったくらいですし。
そうなんですよ。だけど映像にあてた自分の声を聞いた時に、「こんなに平たくて、こんなに情報量がないんだ」「こんなに下手なんだ」と絶望しました。ここからですね、私の努力のギアが上がったのは。「私は、もっともっと頑張らないとダメな人間なんだ」「天才ではないんだ」と気づいて、演技や自分自身への向き合い方が変わりました。自分の中の慢心を全部捨てて、「ここがダメだ」「あれがダメだ」と自分へのダメ出しが増えていきましたね。この変化のおかげで、技術的にも伸びたんじゃないかと思います。
――ちなみに、養成所には通いましたか?
通いました! 2年制の専門学校を卒業後、マウスプロモーションの養成所に2年通って事務所に所属しました。
――その4年で、どこが変わったと思いますか?
どれも変わりましたけど、大きく変わったのは発声と本の読み方ですね。台本に書かれた文字を読んだときに、受け取れる情報の量と質が変わりました。もともと想像力はあるほうですけど、好き勝手に妄想するだけだと演技はできないんですよ。今は「この役はどう動くのか」「どういう顔をして、どう生きているのか」と、役に寄り添ってもう少し具体的に頭を働かせています。自分以外の人がその役をどう思うのかということを意識しながら、台本を読めるようになったと思います。















