「明日から未来へ。毎日がスタートです!!」串田アキラさんデビュー50周年記念公演を開催!

その歌声を通じて“歴史の1ページ”を体感

続いて披露したのは、『トリコ』(2011年)のOP「ガツガツ!!」、スーパー戦隊シリーズ『爆竜戦隊アバレンジャー』(2003年)のED「We are the ONE ~僕らはひとつ~」の2曲。
アニメ&特撮のジャンルでは、80~90年代に主題歌を多く歌ったこともあり、その当時に子ども時代を過ごした世代が、現在のファン層の多くを占めているが、一方で、『キン肉マン』と同じ「ジャンプアニメ」の『トリコ』、絶大な人気を誇る「スーパー戦隊シリーズ」の『アバレンジャー』と、時代毎で“今の子どもたち”に歌を通じてメッセージを送り続けているのも串田ならでは。中でも「We are the ONE ~僕らはひとつ~」は、近年のスーパー戦隊シリーズでは定番の“ダンスED”の鏑矢ともなった1曲で、串田自身もイベントやライブで歌う度に、ダンスが浸透していく様に驚いたそうだ。

また、中米ツアー(※2009年:グアテマラ、エルサルバトル、パナマ、コスタリカ)を行った際には主催者側の要望で、スペイン語に訳した「We are the ONE」をツアータイトルに掲げるなど、まさにワールドワイドなメッセージソングだと言えよう。

串田の活動を語る上では、R&Bも外せない。
当日のセットリストは、アニメ&特撮ソングをメインにしつつも、前半と後半、2つのブロックに分け、プラターズの「My Prayer」、インプレッションズの「Pepole Get Ready」、オリジナルズの「Baby I’m For Real」、サム・クックの「A Change Is Gonna Come」の合計4曲をカヴァー。
楽曲に応じて魅せるR&Bでの巧みな歌唱は、串田の“もうひとつの顔”だが、聴く者の魂を揺さぶる歌声は、アニメ&特撮にも通奏低音のように息づいている。
そう感じ取ったファンも少なくないはずだ。
また、80年代後半、アニメ&特撮ソングで活躍しながら、ライブハウスでR&Bを歌っていたところ、来日中のテンプテーションズのメンバーに誘われ、新宿厚生年金会館で共演したことも忘れ得ぬエピソードとして挙げた。

主題歌歌手を務め、挿入歌の大半を歌った『機動刑事ジバン』(1989年)&『世界忍者戦ジライヤ』(1988年)の2作品は、『ギャバン』からの宇宙刑事三部作を含む、「メタルヒーローシリーズ」の2作品で、今年30周年を迎える『ジバン』からはOP「機動刑事ジバン」&ED「未来(あした)予報はいつも晴れ」、『ジライヤ』からはOP「ジライヤ」&挿入歌「空からひびく声」をチョイス。中でもしっとりとしたバラード曲の「空からひびく声」は、レコーディング以来歌う機会がなく、串田本人も忘れていたが、参加形式のライブでファンが歌っていたことから再びレパートリーとして歌うようになった、隠れた名曲である。

前半のトリを飾ったのが、串田のデビュー曲「からっぽの青春」(1969年)。
当時、暗いイメージで売り出され、「三ヶ月でやめようと思った」と振り返る、苦く不本意なデビューであった。だが、自分なりにポジテイブに捉え、気持ちを切り替えて行くことで、その後の道を切り開き、「今振り返れば、空っぽじゃなくて、ぎっしり詰まった青春でしたね」と心情を吐露。大勢のファンは串田の歌声を通じて、その“歴史の1ページ”を体感した。

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