【声グラ限定】自分の思いを伝える場がほしかった――。堀内まり菜さんがデビューアルバム『ナノ・ストーリー』に込めた思いとは

2021年3月に、フルアルバム『ナノ・ストーリー』でアーティストデビューを果たした声優の堀内まり菜さん。『声優グランプリ 4月号』では、制作の裏側などをじっくり語っていただきましたが、載せきれていないお話もたくさんありました。そこで、本誌未収録のお話を公開! デビューへの思いを改めて感じてみてください。

私にとって音楽は、夢の世界なんです

――堀内さんが「ソロで音楽活動をしたい!」と思ったのはいつ頃なのですか?
さくら学院という成長期限定!!ユニットに所属していたんですけど、当時は常にお客さんとやり取りができていてライブでも伝えたい思いをちゃんと伝えられている実感があったんです。だけど、さくら学院から卒業して高校生になると「あれ? 今の私、伝える場がないな」と気づいて。どうすればいいか考えたときに浮かんだのが歌でした。

――歌を作れば伝えられると。音楽はもともと好きだったのですね。
めちゃくちゃ好きでした! 2歳の頃からヤマハの音楽教室に通っていましたし、当時から現在までいろんな音楽に触れてきたので。

――「自分でもやってみたい!」と思うのも自然な流れだった。
はい。あと、特に印象深いのは芸能界に入る前の小学校低学年のとき。地元のお祭りで、自由に歌えるステージがあったので、当時はやっていた『きらりん☆レボリューション』の主題歌を歌ってみたんです。そうしたら、ステージを見てくれていた友達でも知り合いでもない同世代の子たちが話しかけてくれたんですよ。それが嬉しくて! いろんな人と繋がれる音楽って素敵だなという思いはずっと私の中に根付いているのだと思います。高校に入って本格的に音楽をやりたいと思ってからは、歌詞も書くようになりました。

――ちなみに、今回のアルバム以前に作った曲で特に手応えを感じたものは?
大学2年生のときに実技試験でオリジナル曲を作って歌ったんです。それが『虹』という、ピアノメインのバラード。ちょうど声優や俳優としてのお仕事もいろいろいただいたタイミングで、再出発というか。新たな自分に生まれ変わるぞという思いで作ったので思いをしっかり込められた気がして、手応えがありましたね。

――そうして、アルバム『ナノ・ストーリー』でアーティストデビュー。同アルバムの制作にあたり、「カッコつけない音楽を」といった思いや「『ねぇ星よ』を作っているときは苦しかった」といった裏側を聞きましたが(本誌参照)、曲自体はどんな風に書いていったのですか?
歌詞は、普段悔しいことがあったときなど感情が高ぶったらノートに書きなぐっていくスタイルなので、ストックがたくさんある状態なんです。けど、『ナノ・ストーリー』はゼロから書いていきました。そうして、自分の好きなコードを弾いて、歌いながら曲をつけていきました。1曲あたり、だいたい1か月くらいかけて作り上げていった感じですね。

――1曲ずつ、順番に?
そうです。アルバムの曲順は作った順番でもあるので、過程を感じてもらえるかもしれないですね。でも、もちろんただ並べただけではなくて。1曲目『ナノ・ハナ』のアウトロで響いているヴァイオリンの旋律が、2曲目『ヴァイオリン幻想曲』に出てくる“ヴァイオリンの妖精の声”になっていたりするんです。

――繋がりもちゃんと感じられると。
あと、10曲目に入っている『わあ』という2分間のインストは、帰り道をイメージしながら作っています。ここまでの楽曲を思いながら聴いて、“ストーリー”を感じられるといいなと思って。なので、ぜひ1曲目から順番に聴いてもらいたいです!

――話を聞いていると、堀内さんは本当に楽しんで音楽を作っているなと感じます。
今の私にとって音楽って、夢の世界なんです。現実からは離れた場所にある、テーマパークで遊んでいるような感覚。これからも、音楽でしか表現できないものをたくさん作ってテーマパークを拡げて、もっと満喫出来る場所にしたいですね。『Welcome to Nanoland』という曲を作ったくらいなので、「ナノランド」の次は「ナノシー」も作っていけたらいいなと思います!

【Profile】

ほりうちまりな●4月29日生まれ。Apollo Bay所属。アイドルユニット・さくら学院の元メンバー。主な出演作は、『IDOL舞SHOW』(明瀬亜美)、『iiiあいすくりん』(フランシスコ・ミントン15世)、『あわじ島の七福神』(ミコ)ほか。

【インフォメーション】
デビューアルバム『ナノ・ストーリー』は現在好評発売中。

【初回限定盤】
LACA-35856/¥5,000 +税

【通常盤】
LACA-15856/¥3,000 +税

・ CD収録曲
M1. ナノ・ハナ
M2.ヴァイオリン幻想曲
M3. ねぇ星よ
M4. 空っぽの私
M5. ふう  *instrumental
M6. 優しい人
M7. ココロインク
M8.Welcome to Nanoland
M9.Midnight Rail
M10. わあ  *instrumental
M11. 菜心歌
M12. ユメ日記

取材・文/松本まゆげ