1stシングルで初のアニメタイアップに挑戦!カップリングにはファンへの思いを込めて――。堀内まり菜さんインタビュー【声グラ限定】

2021年3月にアルバム『ナノ・ストーリー』でソロ・デビューを果たした声優アーティスト・堀内まり菜が1stシングル「水鏡の世界」をリリースした。表題曲は現在放送中のTVアニメ『はたらく魔王さま!!』のエンディングテーマ。カップリングに身が作詞・作曲を手掛けた「私たちだけの森」が収録。本作に込めた思いを教えてもらった。

夢の一つだったタイアップ

――「水鏡の世界」はTVアニメ『はたらく魔王さま!!』エンディングテーマです。初のタイアップ曲となりますが、お話をいただいたときのお気持ちはいかがでしたか?
私自身、子供の頃からテレビアニメの主題歌を歌うことが夢だったので、光栄な気持ちでいっぱいでした。子供の頃に放送していた『きらりん☆レボリューション』というアニメがすごく好きで「きらりちゃんになりたい!」と思って過ごしていたんです。友だちやお母さんと一緒にライブを見に行ったり、地元のお祭りできらりちゃんの歌を歌ったりしたことも。だから「ついに夢が叶った!」と思いました。小さい頃の自分に報告したい気持ちです!

――そして今作は堀内さんにとって1stシングルでもあります。
アルバムは出させてもらっていましたが、シングルは初めてなので、すごく特別に感じています。今回の「水鏡の世界」はnano.RIPEさんが楽曲を提供してくださって、デモの仮歌はきみコさんが歌ってくださっていたんです。きみコさんの歌声がすごくストレートに響いてきて。メロディーが広がる雰囲気、歌詞の温かさに、まず私自身が救われました。私ときみコさんで声質は違うと思うんですけど、この曲に込められたエネルギー、太陽のような揺るがないパワーを私も受け継ぎたいなって。

――今太陽という言葉がありましたけど、<流れ星>という言葉もあって。この曲自体が、空模様がどんどんと変わっていくような物語性のある曲だなと感じていました。
それはきみコさんもおっしゃっていました。最初は夜の中に一人でいるかのような、少し孤独な感じで、後半は力強い言葉に変わっていきます。さんさん輝く太陽というよりも、朝日がのぼっていくような雰囲気というか。柔らかい光のようなイメージがありました。私自身がモットーにしている「笑っていたい」「楽しく過ごしていたい」というパワーも込められているように感じて、それもすごくうれしかったです。

――今おっしゃっていた「モットー」について、もう少し詳しくおうかがいしてもいいですか?
楽しいことやテーマパークが大好きなんです! そういうファンタジーな世界や、自分が知らないワクワクすることを追求したいという思いがあります。「怒る」「悲しい」という感情でいるよりも、常に笑っていたいなって考えています。

――実際堀内さんはいつも笑顔のイメージがあります。そういったお話はnano.RIPEのお二人には伝えられていたんですか?
言葉では伝えていなかったんです。ただ、レコーディング前に歌詞の世界観やメッセージについてお話をさせてもらって。レコーディングにも来ていただき、見守ってくださりました。

――ディレクションなどもありましたか?
はい。例えば、私は曲のイメージから広がる感じで歌ってしまっていたんですが「一人の相手に対して歌うように」というアドバイスをもらいました。「友だちとカフェで会話をしている時くらいの軽やかな心地よさを歌に乗せられたらいいね」って。

――初タイアップということもあって、作品に寄り添うというのも一つの挑戦だったと思います。最初のワンフレーズは特に緊張されたのではないでしょうか。
そうなんです! 今までは自分で書いた曲を表現してきたので、そこは挑戦で。特に冒頭の<変わらぬ今に愛しさを>というところは、何回もレコーディングしました。その直後に<世界に祝福を>という言葉があるので、空にお花が広がっていくようなイメージを表現したかったんです。それをイメージしながら、でも力は抜いて……。「水鏡の世界」を冒険するかのように、カラフルに表現しました。

――「水鏡の世界」の歌詞の中にある<歪なココロ>という言葉があえてカタカナになっているのは、堀内さんのデビューアルバム『ナノ・ストーリー』に収録されている「ココロインク」と掛かっているのかなと思ったのですがどうでしょうか?。
私もこの歌詞を読んだときに親近感を覚えました! 歌う時も特別な感情が乗ったような気がしています。

――特に気に入っているフレーズはありますか?
<隣で泣いて笑う日々が重なり合って明日になる>というところです。切なくて、現実感があって。『はたらく魔王さま!!』にもある、それぞれの境遇、立場は違っても、寄り添え合えば一つになれるという絆をこのフレーズから感じました。私自身も背中を押されました。

――<耳を塞いでるあの子の元へ届くように歌うから>という一節には、堀内さんのアーティストとしての思いも乗っているように感じました。
私自身が歌うことの意味じゃないですけど……そういう力強さを込めたいなと思っていました。たとえ「あの時こうしてればよかったな」と思うことがあったとしても……一緒に前を向いていけば変わるよ、完璧じゃなくても良いんだよって背中を押してあげられたらと。そこに迷いはなかったです。

――ところで、この曲の中には直接的に「水鏡の世界」という言葉は出てきませんが、まるでその世界を旅しているような雰囲気があります。タイトルを見たときに、どのような印象がありましたか?
あくまで私の解釈なんですけど……「他人は自分を映す鏡」という言葉がありますが、私はその言葉が好きで。私は何かを作る時「突き詰めて頑張って作っていく」というより、「みんなが楽しい世界になったらいいな」と思うタイプで。そんな気持ちも、この曲に込められたらと思いました。

――「他人は自分を映す鏡」というお話がありましたが、タイアップが決まったとき、ファンの皆さんがものすごく喜んでいましたよね。それは堀内さんの人柄あってこそなのかなって。
私自身はまだまだ未熟者ですが、そう言っていただけてうれしいです。中学生のときに「アニメの主題歌を歌えるようになります!」と宣言していたので、それを知ってくださっている方々がすごく喜んでくれました。皆さんの言葉にいつも励まされています。