村上まなつ【声優図鑑 by 声優グランプリ】

村上まなつ「私の声をキッカケにキャラクターを好きになったと言ってもらえるような演技ができたら」【声優図鑑 by 声優グランプリ】

村上まなつ【声優図鑑 by 声優グランプリ】

キャラクターの裏に隠された声優たちの素顔に迫る、インタビュー企画『声優図鑑 by声優グランプリ』。

今回登場するのは、2022年に『明日ちゃんのセーラー服』明日小路役でTVアニメ初主演を果たし、声優アーティストユニット「DIALOGUE+」のメンバーとしても活躍する村上まなつさん。「人が好き」と語り、人との出会いを語るエピソードがいくつも登場。そんな出会いを経て、声優としてどんな道を歩んできたのでしょうか。

村上まなつ【声優図鑑 by 声優グランプリ】

村上まなつ
むらかみまなつ●8月24日生まれ。神奈川県出身。アライズプロジェクト所属。主な出演作はアニメ『明日ちゃんのセーラー服』(明日小路)、『CUE!』(九条柚葉)、『オッドタクシー』(三矢ユキ)、『黒の召喚士』(黒宮雅)ほか。

オフィシャルサイト:http://arise-pj.co.jp/talent/manatsu-murakami/
Twitter:https://twitter.com/manatsu_muraBW

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声優への憧れが止まらなかった

――沢城みゆきさんに憧れて声優に興味を持ったそうですが、その時のことを覚えていますか?
中学生の時、女子サッカー部に入ってたのですが、同じ部活の友人から『ココロコネクト』というアニメをおすすめされて。たまたま電車の広告でも見かけたので「これは運命かも……」と意識しながら観てみたんです。沢城さんは稲葉という役で、ちょうど同じ頃に観ていた『HUNTER×HUNTER』のクラピカとなんとなく声が似ている気がする……と思ってクレジットを見たことで、声優という職業を知って。それから声優沼にはまりました。

――『HUNTER×HUNTER』はもともと観ていたんですね。
父親が買っていた『週刊少年ジャンプ』を小4くらいから高校生までずっと読んでいたので。小4になる前もこっそり読んでたんですけど。父親からの影響は今でも大きくて、興味がある漫画はお互いに買ってきたり、「この漫画面白そうなんだよね」って話すと、4日後くらいに買ってきてくれたりしました(笑)。

――漫画仲間ですね。声優沼にはどんなふうにはまったんですか?
『AnimeJapan』に毎年行って、「声優さんってほんとに存在してるんだ……」と感動したり。『マクロスΔ』のワルキューレのライブにも行ったし、アイマスのDVDも観てました。アニメも、学校から帰ったら部屋に夕食を持ってきてもらうくらい観ていたし。アニソンや声優アーティストさんの曲にもどっぷり。気づいたら、友人を上回る知識を身に付けていました。

村上まなつ【声優図鑑 by 声優グランプリ】

――その後、日本ナレーション演技研究所に通われていますが、自分も声優になりたいと思ったきっかけは?
憧れてはいたけど、声に特徴があるわけでもないし、なれるわけないと思っていたんです。でもやっぱり憧れが止まらず、漫画の音読をしたりして趣味で終わらせようかなと。家族がその様子に気づいて声をかけてくれましたけど、やっぱり恥ずかしくて。

高校生になってから、同世代の子たちが声優として活動しているのを知ったら、本当にやりたいのなら動き出さないと間に合わないかも、と焦って。やって無理なら諦めるつもりで、養成所の資料を母親に渡しました。それでもまだ「声優になりたい」とは言えなくて、「趣味の習い事として通いたい」って伝えました。

――実際に日ナレに通ってみてどんな学びがありましたか?
自分の殻を破ることを学べたと思います。恥を捨てて演技をすることができるようになって、演じることがどんどん楽しくなっていきました。

――どんどん実力もついていきそうですね。
それが、演じる楽しさは増していくのに実力が追いつかず、1年目の所属オーディションで落ちてしまって。やっぱりプロにはなれないんだな、諦めようって、結構落ち込んだんです。でも、当時講師だった原田マサオさんが、「あなたならきっとなれるから、2年目も頑張ってみたら?」と励ましてくださって。プロの方がそう言ってくださるなら……と思い、もう1年通うことにしました。

――それからどんな1年を過ごしたんですか?
とにかくオーディションに落ちて悔しかったし、もう次はないと思っていたので、時間さえあれば、山や公園に行って自主練習をしました。近くの山に人が入ってこなさそうな場所があったので、リュックと水筒、レジャーシートと台本を持って……、まさに修行ですね(笑)。そして2年目で合格の通知を受けた時は信じられなくて、電話で「もう一回聞いてもいいですか?」って聞き返しちゃいました。

村上まなつ【声優図鑑 by 声優グランプリ】

「小さめに歌っていいよ」と言われ、歌に苦手意識が

――声優になったばかりのお仕事で印象に残っているのは?
マイク前での初めてのお仕事は『フレッシュ夏フェス隊!』のナレーションでした。一人で現場に行ったので右も左もわからず、もう帰ろうかと思ってしまうくらい緊張したんですが、同じ現場に来ていた佐藤舞さんがあまりにも緊張している私を見て、「大丈夫だよ」って話しかけてくださって。お話ししていたら緊張がほぐれて、無事に収録できました。

――佐藤さんは『CUE!』でもご一緒されていますね。
びっくりしました! 「佐藤舞さんのお名前だけは一生忘れない」と思って生きていたので、キャスト表を見たときに興奮しました。現場でも「ありがとうございました」って直接伝えられてよかったです。

――事務所に所属して1年ほどで、『CUE!』(九条柚葉役)や「DIALOGUE+」の活動が始まったそうですね。初めての歌の仕事に戸惑いはなかったですか?
ありました。私、学校の行事が大好きで、合唱コンクールでも一生懸命歌っていたんですけど、あまりにも音を外すから「小さめに歌っていいよ」と言われていて。歌には苦手意識があったんです。だから、プロとしてクオリティを提供できるのか不安がありましたね。

――今では見事な歌唱を披露されています。どのようにしてクオリティを上げていったんでしょう。
まだまだですけど、現場ですごく丁寧に育てていただきました。最初の現場は「DIALOGUE+」。レコーディングで音を外すたびに丁寧に教えてくださいました。歌が苦手だと相談したら、ボイトレの環境を整えてくださったので、積極的に練習できるようになって。

プロデューサーの田淵智也さんも、お忙しいはずなのに、私がレコーディング前に自宅で録った歌をすぐに聴いてくれて、アドバイスをくださって。不安なところを箇条書きで送っていたんですけど、合っていることも間違っていることも、細かく教えてくださいました。

村上まなつ【声優図鑑 by 声優グランプリ】

――「DIALOGUE+」は今年で5年目。ここまで続けて良かったと思うことは?
声優のお仕事を含め、一つのことをこれだけ長く続ける機会がなかったので自信につながったし、経験値が上がることで自分の成長にも気づくようになりました。メンバーやスタッフさんとの距離が縮まったのも良かったことですね。最近ではメンバーとプライベートでも遊ぶようになって、仕事を超えた仲間みたいな存在になっているなって。

――プライベートではどんな感じなんですか?
それこそ友だちに会うような感じで、バーベキューに行ったり、ドライブしたり。謎解きや初詣にも行きました。毎週2日レッスンがあるのにプライベートでも会っているから、1週間会わないだけでも「久しぶり!」ってなっちゃう(笑)。

――2022年は『明日ちゃんのセーラー服』明日小路役でTVアニメ初主演。どんな思い出がありますか?
アニメのオーディションに合格することが目標だったし、しかも主役。知らせを受けた時、駅のホームで泣き出すくらいうれしかったです。同時に、私はすぐに物事を信じられない性格なのか、ドッキリ!?とも思いました(笑)。新人だから先輩方に食らいついていく気持ちで現場に入ったんですけど、先輩方が優しくて優しくて。一緒に練習してくださったりとか。「声優界あたたかっ!」って実感しました!

――この作品で学べたと思うことは?
現場では楽しい気持ちでいることが大切だなっていうことを学びました。自分が「できない、できない」って落ち込んじゃうと演技で弾けることができないし、雰囲気も暗くなる。だから、スタッフさんたちも「次の収録が早く来ないかな」って思えるような雰囲気作りを私からしないといけないし、そのほうがみんなハッピーになれるんだなっていうことを学べたと思います。

村上まなつ【声優図鑑 by 声優グランプリ】

人が好きだから、人と関わっていたい

――趣味がギター、サッカー、ダンス、食べ歩き動画を観る、と多彩ですね。
中学で女子サッカー部、高校が軽音学部だったので。でも軽音学部は、バンド活動も楽しかったけど、みんなで部活中にこっそり抜け出してアイスを買いに行ったりして遊んでることのほうが楽しかったですね(笑)。

――英検2級の資格を持っていて、韓国語も特技。語学を学ぶのが好きなんですか?
勉強は好きですけど、英検は取らないとダメって言われて死ぬ気で取りました(笑)。でも取って良かったと思うことは結構あって。海外って不安じゃないですか。私も一人旅をしたときに助けてもらったのがすごくうれしかったので、道で外国の人が困っていると、「May I help you?」って話しかけたくなっちゃうんです。この前もご家族をお店まで案内したら、「最高だよ!写真撮ろう!」と言ってくださってうれしかったです!

村上まなつ【声優図鑑 by 声優グランプリ】

――積極的ですね。韓国語は独学で?
独学です。自粛期間中に友人の勧めで韓国ドラマを観たらハマってしまって、字幕なしで観られたらかっこいいな〜と。趣味から特技に変えて、特技と書いたからには勉強しないと、と自分でハードルを上げました。一人旅で韓国旅行をした時も、現地で韓国の方と会話していました。読んだり書いたりするより、友達を作って会話したほうが勉強になるかなと思って。

――最近プライベートの時間でよくすることは?
謎解きにハマっていて、新宿にある「東京ミステリーサーカス」によく行ってます! もともとミステリー小説も、ミステリー系のドラマも好きで。ずっとおすすめしてるのは『SKYキャッスル~上流階級の妻たち~』という韓国ドラマ。『今、私たちの学校は…』っていうゾンビ系の学園ドラマも面白いです。

――韓国ドラマは吹き替え版もありますよね。
この間、初めて韓国ドラマの吹き替えのお仕事をさせていただいて! お仕事とはいえ、公開前の作品を観られるので得した気分になりました。まず1回目は楽しんで映像を観ちゃいます。観てる途中で「あ、セリフ、チェックしてなかった!」って途中で気づいたりして(笑)。

村上まなつ【声優図鑑 by 声優グランプリ】

――声優さんでよく遊ぶのは?
よく一緒に謎解きをするのは神戸光歩ちゃん。夜通し寝ないで謎解きをしたりして、何度もお泊まりしたことも。仕事の合間に1時間だけ会ったりすることもあります。若山詩音ちゃんも、韓国旅行に行った時、違う便だったけど2日間だけ会うことができて。プリクラを撮ったり、洋服を見に行ったりしました。この間も一緒に海に行ってきました!

――お仕事でもプライベートでも、人と触れ合うことが多いんですね。
人が好きなんです! いつも人と関わりたいと思っちゃいます。

――これから声優としてどんなことをしたいですか?
これからもっといろいろなキャラクターに出会って、私の声をきっかけにキャラクターを好きになった、と言ってもらえるような演技ができたらと思います。演じてみたいのは、デビュー当時から変わらないんですけど、振られてしまう幼なじみの役。私も漫画やアニメで、「君の思いは伝わってるよ……」とか、そういう子に感情移入することが多いので、私自身がそういう子の気持ちを理解しながら演じてみたいなって思います。

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【声優図鑑】村上まなつさんのコメント動画

次回の「声優図鑑」をお楽しみに!

撮影=石田潤、取材・文=吉田あき、制作・キャスティング協力=吉村尚紀「オブジェクト」

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