バレリーナから声優へ……勇気を出して飛び込みました
――声優になる方法はいろいろありますが、涼ノ瀬さんは何を?
高校卒業後にバレエ団に入ったんですが、バレエ団での活動と並行して声優のスクールにも通いました。
――バレエ団って、入団すること自体難しいイメージです。
団体によって選考方法は違うんですが、私はオーディションを通過して入団しました。リハーサルやレッスンをこなしながら、声優のスクールにも通うという毎日でしたね。こう話すと「大変そう」と言われることもあるんですけど、両立の日々は楽しかったのでそれほどつらいと思った記憶はないです。
――ともあれ、ご両親も心配していたのでは?
両親は応援してくれました。いつもそうなんですよ。バレエで壁にぶつかって「つらい」と言ったら、「そんなにつらいなら、辞めてもいいんだよ。でも、それで後悔するならもう少し続けてみたら?」と、常に私の気持ちを尊重してくれました。それに、声優を目指すと決めた時も、「どうなるかはわからないけど、やってみたらいいよ。もしやめたとしても、ほかの道はいくらでもあるんだから」と背中を押してくれました。その結果、今ここにいるので、両親には感謝の気持ちでいっぱいです。姉と妹も、バレエ団に入った時はすごく喜んでくれたし、悩んだ時は相談に乗ってくれて。声優を目指すと決めた時も、応援してくれました。家族全員に支えられています。
――ちなみに、どんなタイミングで将来の道を声優一本に絞ったのでしょうか?
小さい頃からの「バレリーナになる」という夢を、自分の中で叶えられたなと思えたときです。もちろん、そのまま上を目指すという選択肢もあったんですが、「バレエではない世界を見てみたい」という好奇心と、「声優の世界で自分を試してみたい」という思いが芽生えたので、思い切って飛び込むことにしました。
――その選択って、勇気が要りますよね。
はい。バレエをしていた自分も好きでしたし、積み重ねたものを手放すのは怖かったです。葛藤もたくさんありました。だけど、そこは両親の助言に背中を押してもらい、「どうなってもいいから、まずはやってみよう!」と思いました。
――その後、声優のスクールを卒業し、現在の事務所に所属したと。
そうです。オーディションを受けて所属しました。
――初めてのお仕事は何でしたか?
『イキヅライブ! LOVELIVE! BLUEBIRD』(以下、『イキヅライブ!』)です。オーディションを受けて、佐々木翔音役を頂きました。
――合格したと知った時の気持ちは、覚えていますか?
すごくうれしかったです! 実は、マネージャーさんがサプライズをしてくださったんですよ。その日は事務所で何人かとレッスンを受けていたんですが、全然うまくいかず落ち込んでいたんです。そうしたら、レッスン後に私だけ残るようにと言われ、怒られてしまうかも……と思っていたところ、「これを読んでみて」と練習用の台本を手渡されて。読み進めていった最後のページに「佐々木翔音役、合格おめでとう」と書いてありました。そこで、サプライズだったと気づいたんです。絶対に怒られるという雰囲気の中でのうれしい報告だったので、すごくびっくりしました。でも、本当にうれしかったです。家族には、詳細こそ言えませんでしたが、オーディションに受かったことは伝えました。バレエ団入団が決まった時と同じくらい喜んでくれて、とりあえずみんなで焼肉を食べに行きました(笑)。
――また、『イキヅライブ!』では、レコーディングも経験したかと。
はい。小さい頃から歌うことが大好きでしたが、レコーディングスタジオで歌を録音していただくという経験はもちろん初めてだったので、「これから私は、レコーディングするんだ。プロとして歌うんだ」と、すごく気持ちが引き締まったのを覚えています。初めてのレコーディングは反省点ばかりでしたが、楽しむ気持ちを忘れずに歌えたのは良かったなと思っています。
ポジティブになれたのは成長だと思います
――これまでのお仕事で、特に印象に残っている出来事を教えてください。
『イキヅライブ!』として初めてライブに挑んだ『リスアニ!LIVE 2025 ナツヤスミ』です(2025年7月開催)。私自身、バレエでステージに何度も立っていますが、『イキヅライブ!』のキャストとして本番のステージから見る景色は、きっと全然違うんだろうなと思っていたんです。実際、ワクワクしながらステージに上がったんですけど、皆さんがペンライトを振って大きな歓声を送ってくださって。「こんなに温かく迎え入れていただけるんだ」と、感動したのを覚えています。あとは、とにかく楽しかったですね。ほどよい緊張感の中で、パフォーマンスできたのも良かったです。
――舞台度胸がついている証拠ですね。
そうですね。これまで積み上げてきたバレエでの経験が、『イキヅライブ!』でも活かせているのだとしたらうれしいです。
――ところで、アニメの現場はこれからでしょうか?
はい。今は、アニメにも出演できるように頑張っているところです。アフレコ現場では多くの先輩方ともご一緒できると思いますし、たくさん勉強させていただきたいです。
――現時点で、声優として成長を感じる部分はどこですか?
うーん……。「まだまだだな」と思うところはたくさんありますけど、「ここが成長したな」とはっきり言えるところは思い浮かばないです。ただ、「つらい」「大変」とネガティブに物事を捉えるよりも、ポジティブに変換して前を向くべきなんだなという意識にはなりつつあります。まだネガティブに向いてしまう瞬間もありますが、「いつでもポジティブに」という気持ちが芽生えたのは成長だと思います。
――どういうきっかけでそういった考え方に?
マネージャーさんのご指導によるところが大きいです。この業界を生きていくうえで必要な考え方や、お芝居をするうえで大切な力は、私一人では気づけないものも多いんですけど、マネージャーさんが全部教えてくださるんです。そのおかげで今がありますね。不器用な私を支えていただいて、感謝しかありません。
――では、お仕事をしていて「幸せ」と感じる瞬間は?
ライブやお渡し会、リリースイベントなど、応援してくださる皆さんに直接お会いできたときです。直接エールを頂けることは、私にとってすごく励みになっています。応援してくださる皆さんのためにも、お芝居を頑張っていこうと思っています。
――最後に、プライベートに関することも少し教えてください。最近、ハマっていることは?
米粉のパンケーキを作ることです。昔からスイーツが大好きなんですけど、健康のことを考えると小麦や砂糖が気になるじゃないですか。なので、米粉を使ってグルテンフリーのパンケーキを自分で焼いています。プロテインを入れてタンパク質も多めにしたり、ハイカカオのココアパウダーを入れてチョコ味にしたり、米粉を少し減らしてバナナやオートミールを入れたりもしています。
――ちゃんと体に気を使っていますね。
YouTubeにいろいろなレシピが出てくるので、それを見て作るのが楽しいんです。毎朝、そのためにちょっと早起きしているくらい(笑)。
――パンケーキ以外にも作ったりしますか?
します! タンパク質多めの食事にしているので、鶏むね肉やオクラ、ブロッコリーを使うことが多いですけどね。
――すごい。スタイルが良い理由がわかりました。
いやいや、そんなことないです……(と、照れながら)。
~声優未来予想図~
Q:これからどんな声優を目指したいですか?
1年後の私 少しでも成長していたい……!
お芝居って成長に時間のかかるものだと思うので、「少しでも早くお芝居がうまくなりたい!」と焦る気持ちが、逆に成長を止めてしまうこともある気がするんです。なので、焦らずゆっくりが信条なんですが、1年で少しでも変われていたらいいなと思います。
3年後の私 大好きなジャンプ作品に出演する!
アニメを観てこの業界に興味を持ったので、アニメに出演することは目標の一つになっています。特に出たいのは、やっぱり大好きな少年漫画系のアニメ。なかでも『ジョジョの奇妙な冒険』は、ぜひ出演したい作品なので、もしチャンスがあったらチャレンジしたいなと……。頑張らないとですね。
5年後の私 人間力が高い人になる
この仕事をしていると「自分、人としてまだまだだな」と思うことが本当に多いんです。人間として、一目置かれるような存在を目指すべく、この5年で人間力を磨きたいです。
10年後の私 “演技派な役者”として認知される
お芝居の世界はとにかく難しく、奥深いです……。でも、その分楽しいですし、やりがいを感じています。これからもお芝居をとことん突き詰めていって、10年後には「演技がうまい役者」として、皆さんから認知されていたいです。
撮影/武田真和 ヘアメイク/Sweets 取材・文/松本まゆげ
涼ノ瀬葵音さん手書きプロフィール
涼ノ瀬葵音さんコメント動画
▼動画URLはこちら
https://youtu.be/8lElqOmbwds
















