新谷良子

デビュー10周年を迎えた新谷良子さんが声優の出発点とこれからの目標を語ってくれた。デビューしたての新谷さんは現場から多くのことを学んだそう。その恩に報いるためには、ここで終わるわけにはいかない! その強い思いが今の「声優・新谷良子」を生んだ。そんな新谷さんからあなたに送る応援メッセージ♪

プロフィール

新谷良子

しんたにりょうこ●3月31日生まれ。ビーボ所属。TV『さよなら絶望先生シリーズ』日塔奈美、『ひだまりスケッチシリーズ』沙英、『荒川アンダーザブリッジシリーズ』鉄人兄弟鉄郎、『探偵オペラ ミルキィホームズ』長谷川平乃、『アマガミSS』桜井梨穂子など多数。

Vol.1 がむしゃらに掴んだ運の波。これを絶対逃してはいけない!

声優になりたいと思ったきっかけは?

私、セーラームーンになりたかったんです。そして、変身してみたかった。当時は「声優」っていう職業があることすら知らなかったんですけど、声優に詳しい友達にその存在を教えてもらったときは「これだ!」って。だって、声優になれば、変身もできるし、魔法も使えるんですよ(笑)。

声優デビューはいつですか?

デビューは専門学校を卒業した年ですね。在学中にブロッコリーさんのPCゲームの公開オーディションで、グランプリをいただいたんです。けれど、そのゲームの制作が遅れちゃっているからとのことで『ギャラクシーエンジェル』のオーディションを紹介していただきました。せっかくグランプリになったのにもったいない、って。そして、『ギャラクシーエンジェル』の主役に選んでいただいたんです。特にラッキーだったのは『ギャラクシーエンジェル』はいろんな展開をしていたので、歌もイベントもライブも、レポーターもいろんなことをやらせてもらえたこと。本当に貴重な経験をたくさんさせていただきました。
いや~、「運」がよかったですね! もう一度あのころに戻って、同じチャンスがあってもそれをモノにできるかは、正直わからないな。専門学校の先生にも「今のこの波をつかめなければダメだ!」って強く言われていましたし、とにかく必死でしたね。でも、こうしてデビュー10周年を迎えることができたのは、本当にありがたく思います。

初めての収録はいかがでしたか?

ぜんぜん覚えていないんです(笑)。周りに知っている声優がたくさんいる! って思ったら緊張して、頭が真っ白になっちゃって。とにかく声を出すことしか考えられなかったですね。アニメスタッフさんも、私が『ギャラクシーエンジェル』がデビュー作だって知っていらっしゃるから、分かりやすいように私のキャラ絵だけ色をつけてくださったり、皆さんいろいろ助けてくださって。でも、あとで「実は色をつけていたんだよ」って言われるまで全然気づきませんでした(笑)。緊張して周りが見えていなかったんですね。
落ち着いてきたのは、『ギャラクシーエンジェル』の8話目あたりの収録です。ふっと、かないみかさんの声が聞こえたんです。「声が聞こえた」っていうのもおかしな話なんですが、一生懸命私を落ち着かせようとしてくれているのが伝わってきて、なんとなく安心して周りを見渡す余裕ができました。でも、何があったっていうキッカケはもう覚えていません(笑)。

いまでも緊張はしますか?

しますよ。オーディションとかは、やっぱり緊張しますね。そういうときは、声を出すことを意識して頑張っています! 大人になるにつれて人前に出るの、緊張するようになったかもしれません。ライブとかでも袖でめちゃめちゃ緊張しているんですよ。でも、その場の空気とファンの方の温かいパワーをもらうと、元気になれちゃうんです。

声優になるためにどんなことを勉強されましたか?

う~ん、「勉強」と思って勉強したことはないですね。専門学校でも、学んでいること全てが楽しすぎて、好きなことしかやっていなかったっていう感じです。あとは、本をよく読んでいましたね。小学生の頃、「道徳の教科書」はもらって1週間で読んじゃうくらい活字が好きでした。だから、漢字も苦手じゃないですね。

声優の仕事の魅力とは?

私はまだ「変身」していないから、「声優の魅力は変身できること」って言えないのが悔しい(笑)。でも、いろんなキャラクターを演じさせていただいて、それぞれの価値観、人生に触れられるのが魅力ではないでしょうか。
また、皆で1つのものを作り上げていくというのも素敵なことですよね。その中で出会う人たちや、それを応援してくれるファンの方たちなど、たくさんの人と出会うことができるのは声優という仕事ならではだと思います。

Vol.2 私を助けてくれた、この恩に報いたい

印象に残っている作品は?

デビュー作の『ギャラクシーエンジェル』です。いろんな活動を含め、長いことやらせていただきましたし、そもそもこの作品がなければデビューもできていなかったと思います。

では、『ギャラクシーエンジェル』での思い出を教えてください。

新人だったので、できないことだらけで居残りもあったし、いっぱい怒られたし、いっぱい泣いていたんです。でも、音響監督のたなかかずやさんに「主役が現場の空気を作るんだ、次の週にはちゃんと笑っていろ」って言われて、それは気をつけていました。
『ギャラクシーエンジェル』の現場では、スタッフさんにも共演者の皆さんにも、たくさんのことを学ばせていただきました。この恩に報いるためには、このまま終わるわけにはいかない、って思ったんです。10周年を迎えることができて、本当に感謝ですね。

仕事をする際に心がけていることは?

作りすぎないでいようと思っています。キャラクターや台詞回しを作りすぎるとなかなか変えられないので、相手の方の返ってくる台詞によって変えていけるように気をつけています。
その場になじむように、その空気になじむように、ということを心がけていますね。

声優になってよかったと思うときは?

これも「変身できたとき」って言いたい(笑)!
やっぱり、自分が出演したアニメを見たときですね。でもね、デビュー作のエンディングテロップが流れたとき、全然実感がなくって「同姓同名の人?」くらいの感覚でした。「号泣するくらいうれしかった!」っていう話を聞いていたのですが、あまりにも現実味がありませんでした。今まで自分の中でアニメって「出るもの」ではなく「見るもの」だったので、急にそのギャップは埋められなかったみたいです(笑)。
今は、テロップにでているのを見ると素直に嬉しいですね。中にいる自分を客観的に見つめることができたとき、自分は声優になったんだな、ってようやく実感できました。
あと、偶然なんですが『声優グランプリV(『声優グランプリ』の公式携帯サイト)』の担当スタッフさんが旅行でベルサイユ宮殿に行ったとき、私が出たアニメをちょうど見てくれたそうなんです。そのとき、ベルサイユ宮殿で美術家・村上隆さんの作品展をやっていたのですが、そこでアニメが流れたのを偶然見てくれて。こうして日本ではないところでも見てくれる人がいるっていうのも幸せですね。

現場での失敗談を教えてください!

ファンクラブイベントで、ステージから落ちちゃったことがあります。ファンの皆さんに手を振りながら歩いていたら、いきなり地面がなくなって (笑)。終わりの方だったので、そのまま「ごめんね~」って言いながらハケちゃいました。私にも「ゴン!」って音が聞こえたので、近くにいた方にも聞こえていたかもしれないですね。

今後の目標は?

一生、声優として活動をしていきたいです。「続ける」って単純なようでいて、一番難しいと思うんです。それが目標であり、夢です。
野望としては、「変身」がしたい! でもそれをサポートする動物役とかもやってみたいな♪

声優を志す方にアドバイスをお願いします。

本を読むことはやった方がよいですよ。新聞・マンガ・小説やライトノベルでも何でもいいんですが、活字を読んで、その世界を想像することはとても役立ちます。
声優は、現実にはありえないようなことを表現できなきゃいけないので、そんなときに「想像力」が必要なのではないでしょうか。
目の前にあるテキストに対して、「コレはどう読もうか」と何パターンか考えてやったり、いろんなことを想像していく力はきっと声優になるために、大切な資質になると思います。

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