【声優図鑑】中村源太

中村源太「常に使ってもらいやすい空気を作ることを心がけていました」【声優図鑑 by 声優グランプリ】

【声優図鑑】中村源太

キャラクターの裏に隠された声優たちの素顔に迫る、インタビュー企画『声優図鑑 by声優グランプリ』。

今回登場するのは『ライアー・ライアー』の篠原緋呂斗役、『アイドルマスター ミリオンライブ!』のプロデューサー役などで知られる中村源太さん。幼い頃に見た『デジモン』がきっかけで声優を目指したという中村さんに子供の頃の思い出や転機となった作品、20代までやりたいことなどをお聞きしました。ユーモア溢れる中村さんの素顔に迫ります!

【声優図鑑】中村源太

中村源太
なかむらげんた●5月14日生まれ。神奈川県出身。賢プロダクション所属。TV『アイドルマスター ミリオンライブ』(プロデューサー)、『ライアー・ライアー』(篠原緋呂斗)ほか

オフィシャルサイト:https://www.kenproduction.co.jp/talent/205
Twitter:https://twitter.com/genta_5014

★中村さんの手書きプロフィール公開中!
https://ch.nicovideo.jp/seigura/blomaga/ar2170955

声優を目指すのに一切不安はなかった

――小さい頃の中村さんはどんな子どもだったのでしょうか?
もうこのまんまですよ(笑)。子どものまま大きくなってしまったので、大人になってから母親とかに聞いても「あんたはいつになっても変わんないね」とよく言われます。子どもの頃から楽しいことが大好きで、はしゃぎ回っていました。

――活発な子だったんですね。
めちゃくちゃ活発だったと思います。学校から帰ってきたら、野球かサッカーをしたり、鬼ごっこしたり。最終的には友達の家で夜ご飯を食べて帰ってくるみたいな生活をしていました(笑)。

――中村さんは横浜ベイスターズのファンとしても知られていますが、野球はいつからやられていたんですか?
野球は小学校3年生からやり始めました。もともと父親が巨人ファンだったので、僕も巨人を応援していたんですけど、自分で野球やり始めて地元の横浜にある野球チームに入ってから、巨人vs横浜の試合を見に行ったときに、横浜が劇的な逆転勝ちをしたんです。そこから横浜のファンになりましたね。

【声優図鑑】中村源太

――そんな生粋の野球っ子だった中村さんが声優を目指し始めるのにはどのような経緯があったのでしょうか?
幼稚園に入る前だったと思うんですけど、姉がデジモンにハマっていたので、僕も影響を受けていつも太一とか空とかキャラクターの真似をして遊んでいたんです。そこで両親から「声優やってみたら?」と言われたのですが、そこで初めてキャラクターが喋っているんじゃなくて、裏には人がいることを知って。そこから声優さんのことを調べていくうちに虜になってしまいましたね。当時はまだ恥ずかしかったので、周りに声優になりたいとは言いませんでしたけど、ずっと心の中では声優になるぞと思っていました。

――お姉さんの影響が大きかったんですね。『デジモン』以外で影響を受けた作品はありますか?
『ハヤテのごとく!』ですね。好きな漫画がアニメ化するというのが僕の中では初めての体験ですごく印象に残っています。Blu-rayも全部持っていますし、かなり見返しましたね。特に伊藤静さんが担当している桂ヒナギクというキャラクターが大好きでした。

――声優という職業を明確に意識したのはいつ頃でしたか?
高校卒業するタイミングで進路を決めるときに、僕は声優の養成所か専門学校に入ってプロになるという道筋を決めていました。そこでずっと伊藤さんが大好きだったこともあって賢プロダクションの養成所に入って、できることはすべてやろうと決めていました。それこそ、コロナ前だったので、飲み会があったら全部行きましたし、そこで先輩とかに顔覚えてもらったり、制作さんと仲良くなって遊び行ったりとかして、いろんなところでコミュニケーションをたくさん取るようにしました。

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――そこまで徹底的にプロになるというゴールに向けて逆算して実行している方ってなかなかいないですよね。
僕もそう思います。当時は何よりも”まずは使ってもらいたい”という気持ちが強かったので、常に使ってもらいやすい空気を作ることを心がけていました。「なんでもできます!」と言ったりとかして(笑)。でも、何でもできますと言った手前、実力が伴っていなきゃいけないじゃないですか。そこはたくさん頑張りました。

――声優を目指すにあたって不安はなかったですか?
不安は一切なかったですね。もうやりたいことやっているだけですし、これがダメだったら諦めようと思っていました。だからバイトしていても苦ではなかったし、お金が全然なくても平気でした。なんというか……自分のことを信じていました。「お前はこれだけやってるんだから大丈夫だよ」みたいな(笑)。それで気持ちを奮い立たせていましたね。飲み会とかでこういう話をすると周りからスーパーポジティブって言われます。別にポジティブじゃないんだよな、むしろ根暗なんだよなって(笑)。

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プロデューサー役はアイドルとの距離感を作るのが難しかった

――声優としての最初のお仕事は覚えていますか?
逢田梨香子さんのイベントのお手伝いだったと思います。初めてレギュラーとして役をもらえたのが『BANANA FISH』のシャオ役でした。実は『BANANA FISH』の音響監督の山田さんとはその前から面識があったんです。賢プロには草野球チームがあって、僕はそこでキャッチャーをやっていたんですけど、一緒のチームだったのが山田さんで。
後日参加した勉強会でも再会して、お話をしていくうちに仲良くなって……。
そういった様々な縁がつながって『BANANA FISH』の収録に参加できたんだと思います。

――最初のレギュラー出演は緊張しましたか?
やばいですよ。それこそ男性声優の第一線の方しか出演していないんですよ。しかもコロナ前だったので20人以上がいる中、みんな揃って収録していたので圧倒されました。

――中村さんのこれまでの声優人生の中で転機になった作品はありますか?
『アイドルマスター ミリオンライブ!』のプロデューサー役に受かったことです。2月にプロデューサー役の声優が発表されてから、様々なイベントや取材もさせていただけて、多くの方に認知していただくきっかけになったので、自分にとっては大きな出来事でした。そもそも『アイマス』は小学生の頃からずっと好きだったので、いろんな偶然が重なっている人生だなと感じました。

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――『アイドルマスター』を知ったきっかけは何だったのでしょうか?

僕はゲームの『太鼓の達人』から入りました。『太鼓の達人』が地元で流行っていて、そこで『アイドルマスター』の曲を知りましたね。ノルマクリアを達成すると『アイマス』のキャラクターが出てくるんですけど、可愛いなと思って調べたらのめり込んでしまいました。ただ、僕の家はゲーム禁止だったので、ゲーム機は買ってもらえなくて……。しばらくはニコニコ動画に上がっている動画を見て楽しんでいました。今は大人になり、ゲームを自由に出来る時間が増えたので、(永吉)昴のPとして活動しています(笑)。

――プロデューサーを演じるにあたって意識したことはありますか?
プロデューサーは元々存在しないキャラクターなので、役作りがすごく大変でした。なので、音響監督さんや監督さんに相談しながら役作りをしていきましたね。あとはチーフプロデューサー役の赤羽根(健治)さんから「アイドルがメインだからサブでみんなを支えるのが大切。立場としては女子高の先生に近い」とアドバイスをいただいて、先生と生徒の距離感で演じるように意識しました。とはいえ、僕はずっとPをやっていて、アイドルに寄り添い続けた人生だったので、その距離感を作るのが難しかったですね。ちょうどいい塩梅を常々探っていました。最終的にはファンとしての自分と、声優としての自分との間でせめぎ合いをしながら、両方の自分が納得したものを演技に落とし込んでいきました。

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このまま声優としてずっと活動を続けていくのが夢

――では中村さんが好きなものを3つ教えてください。
野球とお酒と麻雀ですね。なかでも麻雀がずっと大好きで、学生の頃から麻雀好きで、『咲-Saki-』とか『アカギ 〜闇に降り立った天才〜』とかを見て麻雀のルールを覚えました。

――休日の過ごし方でいうと、やはり麻雀をやることが多いんですか?
そうですね。周りの友達もコロナ禍で麻雀を始めた子がすごく多いんですけど、リアルで麻雀やったことない人も多くて。今はそういう子を麻雀沼に引きずり込むために頑張っています。今は個室の雀荘も多いので、一緒に行って2〜3時間打って過ごしていますね。

――声優さんの中でも麻雀の輪が広がりつつあるんですか?
いや〜広がっていますね。麻雀打てると飲み会をするよりも仲良くなれるんですよ。飲み会となるとお酒飲んでいる時の記憶がない人も多いですけど、麻雀だと会話も覚えているし、その場で仲良くなれるんです。

――それこそ麻雀が中村さんがずっとお話しされていたコミュニケーションを取る機会にもなっているということですよね。
まさにそうですね。現場で一度も会ったことがないけど、麻雀仲間として一緒に遊んでいる人はいっぱいいるんですよ。そこでしか生まれない会話もあるので、いろんな人と関われる貴重な機会になっています。

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――これからこういう声優になっていきたいという目標はありますか?
いろいろなお仕事をさせてもらっている状態が自分の理想なので、まずは声優としてずっと活動を続けていくというのが僕の夢です。そこに向かって日々努力をしていくだけです。もちろん目標とする先輩は沢山いらっしゃいますが、先輩方と一緒に仕事をして、肩を並べても恥ずかしくない芝居をする。その結果として、僕の名前がみんなに認知されたら嬉しいと思います。あとは声優と関係ない夢が1つあって、来年で20代最後の年なのですが、20代最後にどうしてもどこか広い球場を借りてホームランを打つというのをやりたいんです。

――20代でやりたいというのはどのようなこだわりがあるのでしょうか?
うーん、やっぱり身体が衰えてきて、20代のうちにホームラン打ちたかったなってなる気がしていて。ホームランを打っている自分が夢にもたまに出るんですよ。相当打ちたいんだなって。しかも軟式球ではなくて硬式球で打ちたいんですよ。僕、高校時代に12本ホームランを打っているんですけど、その感触を最後もう1度だけ味わいたい。そのために誰か協力してくれる方を募集しているので、是非よろしくお願いします。僕の20代最後の夢叶えてください(笑)。

――では最後に読者のみなさんにメッセージをお願いします。
声優図鑑に載せていただけることはすごく光栄ですし、僕を知らなかったという方も、今後、僕の出る作品に注目してくれたら嬉しいです。SNSもフォローしてもらって、リプライとかも送ってくれたらしっかりと読むので、気軽にコミュニケーションを取りましょう。今後イベントなどにも出演していきますので、中村の動向をチェックしていただいて、声優界隈を一緒に盛り上げていけたらいいなと思っていますので、今後ともよろしくお願いします!

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【声優図鑑】中村源太さんのコメント動画

次回の「声優図鑑」をお楽しみに!

撮影=石田潤、取材・文=川崎龍也、制作・キャスティング協力=吉村尚紀「オブジェクト」

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