魚建

養成所に入ったのが30歳。自分に必要だと感じた「経験」をがむしゃらに積み上げた魚建さんからの応援メッセージ!

プロフィール

魚建(うおけん)●7月13日生まれ。ケンユウオフィス所属。主な出演作品は『ゼロの使い魔』(マルトー) 、 『アニメ・ごくせん』(教頭) 、 『バジリスク~甲賀忍法帖~』(雨夜陣五郎) 、 『アニメ・吉宗』(爺) 『セサミストリート』(テリーモンスター) 、 劇場版『よなよなペンギン』『ワルキューレ』(フェルギーベル)ほか

Vol.1  音声だけでその場の空気感を出せる、そんな職人技ができる声優という職業に魅力を感じています。

声優になりたいと思ったきっかけは?

僕の前職はカメラマンだったのですが、まだ駆け出しの頃、アテレコの取材でフィルムを入れ忘れて撮り続けたという大きなミスをしてしまったんです。ミスに気づき、再撮影の許可をいただき、待たせてもらっている間、監督さんのご厚意で収録現場を見学させてもらいました。最終的にはスタジオ内まで入れてくださり、そこで生の現場、この世界の面白さを知ったのが出発点です。

声優デビューはいつですか。

33歳のときです。
たった一言だけの出番だったんですが、どこでどう喋ったらいいか分からなくて、マイクの前でてんやわんやしていました(笑)。
オンとかオフとか業界用語や段取りなど・・・失敗から色んなことを学びました。

声優になるためにどんな勉強をしましたか?

とにかく一念発起して養成所に入ったのが30歳。
10年間はがむしゃらに頑張ろうと決意し、習えるものは習い、知り合える人とは知り合い、人前で演じられるチャンスがちょっとでもあれば飛び込んでいきました。
何にも知らない自分にとっては「経験」こそが勉強です。

声優の仕事に魅力はどこにありますか?

フィルムを入れ忘れたカメラ事件のとき、アテレコ現場で何にインパクトを受けたかというと、「ガヤ」収録でした。
今でも「ガヤ」は好きです。
台本にセリフが書かれているわけでもなく音声だけで、皆でその場の空気感を出す。
まぁ、「ガヤ」だけではありませんが、音声で空気感、世界観の一端を担うという職人的なところに魅力を感じています。

印象に残っている作品や役柄は何でしょうか?

いろんな役をやらせていただき、全て印象的なのですが、強いてあげるとすれば・・・
・「アニメ・ごくせん」教頭役→こんな個性の強いイヤらし~い役、これが初めてでした!
・「バジリスク」雨夜陣五郎役→ものすごい共演者たちの中で、身も心もトロける思いで仕事させていただきました!
・「アニメ・吉宗」爺役→こんな可愛い役をやれて幸せです❤

(取材:2009年)

Vol.2  自分の関わった作品が、不思議なエネルギーで一人歩きをするのを客観的に見たとき、声優になってよかったと思います。

仕事をする際に気をつけていることは?

まぁ、基本は「明るく楽しく元気よく!」です。
あとはやはり、作品という大きなプロジェクトの一員としてごく普通に社会人として向き合うということでしょうか。
表現者としては、別のスタンスもあるとは思いますが。

声優になってよかったと思ったのはどんなときでしょうか。

そもそも変身願望の強かった僕。
なりきって演じ、それが作品として形になり、その世界が不思議なエネルギーでどこかへと一人歩きしたのを客観的に見たときですね。
この世界に関われてよかった、声優になってよかったと思います。

現場での失敗談を教えてください 。

セリフ喋っているとき、入れ歯がとんでマイクにぶつかったぁ! とか
ヘッドホンはずしたらカツラまで取れちゃったぁ! とか
演技に力が入った瞬間「ぷぅぅ」と出ちゃったぁ! とか
これからやってしまうと思います(笑)。

これからの目標は?

やはり「健康」。
お相撲さんじゃないけど「心技体」「日々精進」。
これ健康じゃないとできないですよね。
あとは、「愛」ですね(笑)。
これからもこれらをもって仕事に取り組んでいきたいです!

声優になりたい人にメッセージをお願いします。

思いっきりやっちゃってください!
自分の信じた通りにやっちまってください!!
矢沢永吉さんがインタビューとかで、よく「ケツまくってやるしかないじゃん!」って言うんですが、僕はこの言葉が好きです。

(取材:2009年)