畠中祐のゆっくりすくすく 第53回

このコラムでは畠中さんのお仕事や好きなもの、感銘を受けた作品などについて語っていきます。

今回選んだ作品は映画『LIFE!』。

声優グランプリさんの記事「声優未来予想図」で、20歳の僕が描いていた未来は、こうでした。

22歳、青春18きっぷで日本一周。

実際はできませんでした(笑)
正直、この記事には書かれてませんが、声優になる前までは、22歳で大学を卒業してすぐ、日本一周。23歳で世界に乗り出し、25歳までに、ロードバイクで世界一周を成し遂げる予定だったのです(笑)

そして、26歳で役者の事務所か劇団に入り、28歳で食べれるようになって、30歳で周囲に認められ始め、、、、みたいなことを想像してました。

まさか、声優を続けることができていて、こんな未来が待ってるとは思ってもいませんでした。良くも、悪くも、想像していた未来の現実は違います。

今回の映画の主人公であるウォルター・ミティ。彼もきっと、描いていた理想と現実を見比べて、ため息をついてしまう人の1人です。雑誌「LIFE」の写真管理部でネガフィルムを管理する仕事をしています。
彼は同じ会社に勤めるシェリルに惹かれていますが、声をかける勇気もなく、彼女が登録しているマッチングサイトに自分も登録し、なんとかコンタクトを取ろうとしてました。しかし、自分のプロフィール欄に書けることがない。何の武勇伝もない人生。ウォルターは、そんな自分に少し落ち込みます。
ある日、会社が買収されて、再編、ウェブ事業に移行することを知らされます。
そのために次の号が、LIFEの最終号。その表紙を飾る写真を、世界的な写真家、ショーンがウォルターに送ってきてくれます。しかし、肝心の表紙を飾る25番のフィルムがない。
その直後、全体集会で、25番目のフィルムの提出を求められるウォルター。
悩んだウォルターは、ショーンを探すため、世界を旅する決意をするのでした、、、!!!

ショーンはとにかく、かっこいいです。
世界を飛び回り、多少危険なところでも最高の写真を撮るためなら躊躇なく踏み込んでいく。そして、最高の瞬間に巡り会えたのに、シャッターを切らない瞬間もあるのです。
「今、この最高の瞬間を味わいたいから」と。

素直でまっすぐな生き方です。
すごくかっこいい。

それと比べると、ウォルターは、、、
と、僕もすぐ比較してしまいそうになりました。

彼は、旅の中で変わっていきますし、どんどん顔立ちも男らしくなっていきます。一歩踏み出す力を得た彼は、前より輝いてみえます。

でも、この映画のエンディングは、そんな、旅をして変わった彼だけではなく、それまで誰にも評価はされなかったけれど、ひたむきに働き続けてきた彼にも、花束を用意していました。

ショーンが最終号のために撮った表紙を飾る写真が、全てを物語っています。

変わるために一歩踏み出す君も素敵。でも、それまで思いを込めて、一歩一歩あるいてきた君も、本当に素敵なのだと、この映画は語りかけてくれます。

何かと比べたくなるし、
小さい頃思い描いてた自分とは全く違う、
何者でもない今にため息をつく時もあるでしょう。
でも、自分で選んで進んできた道、それは、新しく踏み出す道以上に、誇らしいものなのかもしれません。そんな今の自分に誇りを持って、また一歩踏み出したくなる、そんな映画でした。

次回の「畠中祐のゆっくりすくすく」は、2月27日(土)に更新予定! お楽しみに!

畠中さんに質問!

Q:2021年始まって1カ月たちますが、何か良いことはありましたか?

凛さん!質問ありがとうございます!そうですね、遊戯王だったり、車だったり、趣味が無茶苦茶楽しいです!!趣味ができるっていいですね!!!

畠中祐が今、答えます!!!

畠中さんが動画でも質問にお答えしていきます。
今回のお便りのテーマは「あなたの2021年の運気はどうなりそう?」

次回のお便りのテーマは「あなたの人生で起きたレアな出来事」です。今年は124年ぶりに節分が2月2日になったということであなたの人生で起きたレアなエピソードを大募集! たくさんのおたよりをお待ちしております!

畠中さんへの質問&お便りを大募集!


    はたなかたすく
    8月17日生まれ。神奈川県出身。賢プロダクション所属。主な出演作はアニメ『俺が好きなのは妹だけど妹じゃない』(永見祐)、『バジリスク ~桜花忍法帖~』(甲賀八郎)、『ダイヤのA ActⅡ』(浅田浩文)、『うしおととら』(蒼月潮)、『KING OF PRISM by PrettyRhythm』(香賀美タイガ)ほか。